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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党の動向チェック(#1)。

連日、さまざまなニュースで溢れ、東京大学からハーバード大学に行った新潟県知事の米山隆一さんが「ハッピーメール」で女子大生と援助交際して辞任したかと思えば、同じく東京大学からハーバード大学に行った林芳正文部科学大臣が白昼堂々と公用車を乗り付け、元グラビアタレントや元キャバ嬢が個室でマンツーマンレッスンしてくれる「キャバクラヨガ」に通っていたことが発覚するなど、どいつもこいつもの不祥事が続いていますが、そうこうしている間に「NHKから国民を守る党」は、ものすごいスピードで斜め上の方向に進んでいますので、チェックしないわけにはいきません。さっそくニュースで溢れているので、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。


■ 立花孝志さんが芸能プロダクション入り

オープニングからギャグみたいな話ですが、「NHKから国民を守る党」の代表・立花孝志さんが芸能プロダクションに所属し、タレントとして活動することになったそうです。歌手やマジシャンのように、芸能活動と政治活動を明確に分けられるタイプではないため、今後、政治家としてコメントを求めたつもりが「これは芸能活動だ!」とか言われて、よくわからないギャラを請求される可能性がありそうで、ますますブッキングしにくくなるんじゃないかと思われます。先日は上杉隆さんが代表を務める「株式会社NO BORDER」が制作している日本初のインターネット生放送ニュース番組の「ニューズ・オプエド」に出演していましたが、こうしたネットテレビやネットラジオを配信している皆さんが立花孝志さんをゲストで呼ぶ時には、事前の確認が不可欠です。ちなみに、立花孝志さんのことなので、きっと僕がこうやって記事を書くことに対しても「芸能プロダクションを通せ!」みたいなことを言ってくるんじゃないかなと思うので、あらかじめ書いておきます。立花孝志さんは「葛飾区議会議員」なので、「NHKをぶっ壊す!」という政党が掲げるキャッチフレーズを口にしてから始めるYoutubeの動画は明らかに政治活動であり、これらの動画に著作権や肖像権はありません。もし主張したいのであれば、葛飾区議や政党の代表を辞めていただければ、その後は好きなだけ主張できますので、その時にはぜひプロダクション経由でオファーさせていただきます。
さて、そんな立花孝志さんがどこのプロダクションに所属することになったのかということが気になる方もいらっしゃるかもしれません。立花孝志さんが所属するのは「渡邊エージェンシー」です。うっかり「ナベプロですか?」と言ってしまう人がいるかもしれないのですが、ナベプロは「渡辺プロダクション」なので、名前は似ていますが、まったくの別物です。渡辺プロダクションの文化人枠には、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんを筆頭に、ドクターコパ、加藤一二三、落合陽一、厚切りジェイソン、立川志らく、峰なゆか、Kダブシャインといった方々が並ぶのですが、立花孝志さんが所属する「渡邊エージェンシー」はグーグル先生に聞いても公式サイトを出してもらえないので、他にどんな所属タレントがいるのかが全然わからない、埼玉県さいたま市の芸能事務所です。ただ、立花孝志さんは今後、NHKをぶっ壊すの歌でCDを出したり、恋愛の話をしたり、場合によっては漫才をすることもあるそうです。


■ 政党が視聴者に賞金5万円をプレゼントする裁判ゲーム

「NHKから国民を守る党」のバカさ加減は、僕たちの想像のはるか上を行きます。「NHKから国民を守る党」は、議員に当選すると月額12万5000円の「党費」を支払わなければならないルールになっているのですが、大橋昌信さんはこのルールが制定される前に誕生した議員なので、月額10万円の視聴料を支払うという契約書が交わされていたようです。NHKの受信料でさえ月額1260円なのに、NHKより役に立たないYouTubeの放送に月額10万円を支払うなんて、イカれているにも程があるって話ですが、あまりに法外な契約を結んでしまったということで、なんと、大橋昌信さんが立花孝志さんを訴えるという出来事があったのでした。その後、二人で話し合いをして「10万円は払わなくていい」ということになったようですが、「だったらその時の契約書を返せ!」ということで、結局、裁判が行われることになってしまったのだそうです。こんなクソほどくだらないことに裁判所を巻き込むなんて迷惑千万なんですが、原告の大橋昌信さんと被告の立花孝志さん、どちらが勝つのかを予想して、見事に予想が当たった抽選で1名様に賞金5万円を差し上げると言い出し、裁判でゲームを始めたのでした。

裁判所も暇じゃないので、テメエらの契約書の返す返さないなんて、この時代にだいたひかるを思い出すくらい「どうでもいいですよ!」なんですが、結果は大橋昌信さんが負け、賞金が当たった人に電話をかけるのかと思いきや、いきなり弁護士に電話をかけ、「テレビ朝日の記者が財務省の福田事務次官に話を聞き出すために取材をしたのは、公務員には守秘義務があるのに、それを聞き出そうとしたということで、国家公務員法100条に違反する教唆罪ではないか」と相談を始めました。もう言っていることがメチャクチャです。女性記者に国家公務員法違反とか言っている暇があったら、ご自身の公職選挙法違反を相談した方がいいのではないかと思いますが、しょっちゅう訴えたり訴えられたりしている立花孝志さんの顧問弁護士は、なんだかんだでお金になりそうです。


■ 「セクハラは犯罪じゃないので騒ぐ話ではない」という論法

きょうび、こんなことを言ったら絶対に炎上すると思うのですが、立花孝志さんはYouTubeの動画で「セクハラは犯罪じゃないので騒ぐ話ではない」とキッパリ明言しました。これほど全国の女性を敵に回す発言をする人も珍しいですが、立花孝志さんはトンデモ発言を連発しています。菅野完さんと電話をした時も、ぶっ飛んだ考え方をしている人であることは分かっていましたが、改めて、立花孝志さんはヤバいです。

「テレビ朝日の女性記者と財務省の事務次官ですね、財務省の事務次官がセクハラをしたなんて言って、問題だと言っている奴らの頭がおかしいですよ。これはね、よくよく考えてくださいね。この国にはしっかりとした法律があって、財務省の職員、事務次官というのは国家公務員なんですよ。具体的に言うなら、福田さんという前事務次官は国家公務員なんです。国家公務員法の100条にはこのように書いているんですよ。『職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後と言えども同様とする』。国家公務員法の100条ですよ」

どんな寝言を言っているのでしょうか。いかなる立場であってもセクハラは問題です。国家公務員法の守秘義務は、個人情報から国家機密に至るまでさまざまありますが、森友文書の改竄問題について「財務省としてどのように取り組んでいるのですか?」という質問に答えるのは、秘密の暴露でも何でもありません。ましてや、今回は福田事務次官の方から女性を誘い、「取材させてあげる」と言っているのですから、完全なるセクハラです。立花孝志さんは頭が悪いので、取材活動を「秘密をしゃべらせること」だと思っているようですが、言える範囲のことを聞くだけでも十分に取材です。こんな人が自分のことを「ジャーナリスト」と名乗っているのですから、全国の真面目なジャーナリストに土下座していただきたいです。

「官僚に対して、朝駆け、いわゆるNHKの記者とか、今回で言えばテレビ朝日の記者がね、話を聞きに行くわけですよ。これ自体がおかしいんですよ、皆さん。これ、気づいてくださいね。100条違反なんです。国家公務員法の100条違反で、財務省の職員が業務上知ることのできた秘密を漏らしちゃいけないんですよ。それをわざわざテレビ朝日やNHKの記者たちは『犯罪をしてくれ』って言いに行っているんですよ、これ。これ、わかります、皆さん?」

全然わかりません。そもそも「森友文書の改竄防止にどのような取り組みをしようと思っているのか」というのは秘密ではないし、内部調査の進捗を聞くことも秘密ではありません。こんなことをいちいち秘密にされていたら、今回のように政府が悪いことをしても追及できなくなり、公文書が改竄されても永久にそのままです。入国管理局で腹の痛みを訴えていた外国人を1ヶ月も放置して殺してしまったのに、放置していたことがバレたら面倒臭いので日付を変更する。そんなことが平然と行われていて、殺しても何事もなかったかのように隠蔽されてしまうのです。こんなことが普通に許されるような世の中になったら大変なので、ジャーナリズムは必要なのです。「ジャーナリスト」を自称しているくせに、そんなことも分からないなんて、この程度の知性のオジサンが区議会議員をしていること自体、とんでもないことだと思います。

「夜討ち・朝駆けは、例えば僕のような議員はいいんです。我々議員は国家公務員じゃないんですよ。特別公務員と言って、国家公務員の100条とかには入らないんですよ。(中略)僕たち議員には守秘義務はないんです」

おい、マジかよ。国会議員や地方議員に守秘義務がないとは初めて聞きました。だとしたら、防衛大臣に国家機密を聞けば教えてくれるっていうことでしょうか。だいたい偉そうにホワイトボードを使っているけれど、デタラメを教えるのをやめてもらいたいです。こんなクソ動画に700近くの「いいね」が押されているので、バカがバカを量産しているようにしか思えません。こんなのが議員をやっていること自体が「日本の闇」であり、僕が「選挙ウォッチャー」を辞められなくなってしまった理由です。そして、最後にこんな聞き捨てならないことを言っているので、皆さんに知っていただこうと思います。

「僕が国会議員になってね、うちの党が力をつけてきたら、こんなんもう全部中止させますからね。逮捕しますからね。逮捕しますって言うか、逮捕するようにこれは促しますよ!」

恐ろしいです。立花孝志さんが猛烈にアホすぎて、まっとうな取材活動さえ犯罪だと言い出し、自分が国会議員になったら、あるいは、NHKから国民を守る党が力をつけてきたら、こんなんもう全部中止で「逮捕」なのだそうです。「バカが権力を握る」というのが、どれだけ恐ろしいことなのかが分かると思います。もう既に安倍晋三さんという方が総理大臣として権力を握り、これだけ日本をボロボロにしているので、やはり「NHKから国民を守る党」に権力を持たせるのは非常に危険だということが分かると思います。

安倍昭恵さんとFacebookでつながって以来、立花孝志さんの「ネトウヨ思想」が止まらないのですが、「ネトウヨ」「ネトウヨじゃない」人の違いは、何か悪いことに対し、「擁護するかどうか」で決められると思います。与党だろうが野党だろうが、セクハラは悪いし、援助交際も悪いし、公用車でキャバクラヨガに行くのも悪いのです。しかし、「そんなことを追及するくらいなら」みたいなことを平気で言うのです。福田事務次官のセクハラは悪いし、それをパワハラでごまかす麻生太郎財務大臣も悪いし、柏崎刈羽原発に慎重だった米山隆一知事も悪いし、公用車でキャバクラヨガに通っていた林芳正文科大臣も悪いです。今さら原発を再稼働させようという日本政府や東京電力は猛烈に頭が悪いと思いますが、だからと言って、米山知事の援助交際が「お互いに合意の上なんだからいいじゃないか」と言うつもりはありません。東京大学を卒業し、ハーバード大学まで進学して、最終的にブサイクをこじらせて「ハッピーメール」で援助交際しているのですから、その童貞メンタルに同情こそすれど、だからと言って「女子大生をどんどんお金で買いましょう」なんて言えるはずがありません。しかし、ネトウヨの皆さんは自民党や日本維新の会の議員の不祥事には何の躊躇もなく「どこが問題なんだ!それを言うなら野党の議員だって!」と言ってしまうのです。だから、これはイデオロギーの問題ではなく、バカかどうかの話です。ネトウヨをこじらせて顔まで晒しているバカは、一生軽蔑されたらよろしいと思うので、どんどん可視化されるべきだと思っています、特に議員は。


■ 選挙ウォッチャーの分析&傾向

僕は立花孝志先生と大橋昌信先生のYouTubeは欠かさずにチェックしており、大橋昌信先生が個性的なファッションで新潟にお出かけした動画もしっかり見ています。タイトルに「誰をシバく!?」と書いているあたりが思いっきり中二病で、こんな調子こいたことを言っていると、あとでヤンキーにめちゃくちゃシバかれちゃうと思うのですが、今までの人生でヤンキーと接してこなかったタイプの人間なのでしょう。あまりに次々に新しいトピックスを提供してくれるので、だんだんいい感じのプロレス感が出てきました。僕の特技はヤバめの人たちとカラんで「うんこプロレス」を繰り広げることなので、だんだん「NHKから国民を守る党」をウォッチングすることがエンターテイメントになってきました。裁判所をオモチャに使ったりとか、政党から現金をプレゼントしたりとか、「セクハラは問題ない」と言ったりとか、「僕が国会議員になったら記者は全員逮捕」と言ったりとか、どれもこれも大問題と言える許しがたい話なのですが、あまりにバカすぎるので、ほとんどコントにしか見えなくなってしまいました。とはいえ、もうこれ以上、「NHKから国民を守る党」の勢力が拡大しないことが大切です。先日の春日部市議選では議員を増やすことになってしまったので、まずは5月27日の野田市議選では絶対に当選させてはいけません。[了]

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