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【選挙ウォッチャー】 川西市議選2018・分析レポート。

かつて安倍晋三総理と思想が似ているというところで意気投合し、自民党内での話し合いもなく、安倍晋三総理の一存によって、前回の衆院選・中国比例ブロックの名簿順で1位となり、強烈なネトウヨカルト思想に満ち溢れた杉田水脈というオバサンが国会議員になってしまいました。中国地方にお住まいの方々が自民党を支持した瞬間、コイツにだけは当選してほしくないと思っても自動的に当選するシステムです。日頃から数々のネトウヨ発言を繰り返していましたが、やがて「新潮45」に書いたLGBT差別が大炎上。自民党の重鎮議員たちから厳しく説教されたのだと思いますが、あの騒動以来、杉田水脈さんが発言を表に出すことはなくなりました。おそらく4年の任期を終えた後は自民党からの公認を出さず、これからは「元衆議院議員」という肩書きで「チャンネル桜」やDHCがスポンサーの番組に出演し、最終的には、千葉麗子さん、はすみとしこさんのようなラインに落ち着くのだと思います。しかし、これから紹介する人物は、そんな杉田水脈さんさえも霞んで見えるほど、さらにネトウヨをこじらせ、とうとうヘイトまで辿り着いた人物です。「徳島県教組襲撃事件」にも携わり、有罪判決が言い渡されています。完全に悪質で迷惑なオバサンなんですが、このオバサンが川西市議会議員に当選してしまうという悲惨な出来事が起こったのです。

これは完全に「日本の闇」そのものです。ネットを検索すれば簡単に見つかりますが、中曽千鶴子さんは、これまで「朝鮮人を殺せ!」とか「辻元清美を殺せ!」などと言い放ってきた人物です。そして、それらの言葉は今日まで撤回されることはなく、一度も謝罪や反省がないまま、今回の川西市議選を迎えているのです。常識的に考えれば、「コイツだけは絶対に当選させちゃダメでしょう!」と思うのですが、結果的に1965人も中曽千鶴子さんに投票した有権者がいて、軽々と当選を果たしてしまいました。

4年前は1065票しか獲得できずに落選したのですが、その後もヘイト活動を続け、地道に知名度を上げ、今回は「NHKから国民を守る党」の公認を受け、選挙期間中は一切のヘイトを封印し、耳当たりの良い言葉を連発して、まるで弱者を守る正義感溢れる人間かのように演出をし、いわゆる「B層」と呼ばれる人たちを味方にしていきました。普通に考えれば、いくらNHKのビジネスモデルが理不尽だからって、地方議員にできる仕事なんて一つもなく、「受信料を払いたくない市民を守る」なんて活動は地方議員の仕事ではないので、実際には単なる思想の偏ったヘイトおばさんがネトウヨカルト思想を市民に押しつけながら、税金でぬくぬく生きていきたいだけなのですが、そこまで考えられない有権者たちを騙し、議員になったのです。


■ 川西市は収入と知的水準が高いはずの街

兵庫県川西市は、大阪圏のベッドタウンで、梅田に支社がある大手企業で働く団塊世代のサラリーマンたちが多く住んでいます。今は定年を迎えた人も多いのですが、かつては第一線で活躍した人たちなので、収入や学歴が高い傾向にあり、NHKの受信料の支払いに困っている人はそれほど多くはないはずです。ただし、こうした学歴や収入の高い街では、ドロップアウトしてしまうニートの息子が少なくなく、学生時代にヤンキーになった人間はリア充の道に進んで自民党や日本維新の会などに投票したりしますが、引きこもりになった非リア充のいじめられっ子たちは「NHKから国民を守る党」に入れてしまうのです。今回、実際に川西市を取材してみたのですが、若者に出くわすことはほとんどなく、出会った人たちは生活水準の高い人たちばかりでした。街を歩いてみても「NHKから国民を守る党」に入れそうな人なんて見つからなかったのに、この街に1900人以上も存在したことは驚きでしかありません。やはり「立花孝志代表の知名度が高い」ということが最大のポイントになりそうですが、今後はそれ以上の知名度を持って「NHKから国民を守る党」が社会で認めるわけにはいかないレベルで酷い政党であるということを伝え続けていかなければなりません。


■ 川西市には「ヘイト防止条例」が存在しなかった

最近、いろいろな自治体で採用されている「ヘイト防止条例」ですが、これまで平和に暮らしてきた川西市には「ヘイト防止条例」なんてものが存在しませんでした。そんなものが存在しなくても、そもそもこの街にヘイトが存在しなかったため、「ヘイト防止条例」を策定する必要がなかったのです。ところが、そんなことをしているうちに、ヘイト活動に明け暮れてきた過激派ネトウヨカルト団体の女性が地元市議になってしまう出来事が起こってしまったのです。中曽千鶴子さんは「活動家」であり、その思想は「NHK問題」よりも「朝鮮人に生活保護を与えるな」であり、「朝鮮人は殺せ」なのです。議員になったからには政治の世界から外国籍の方々の人権を奪う活動を続けていくことになると思うので、当然、「ヘイト防止条例」を制定しようと思った時には表現の自由だと言って暴れるタイプのオバサンです。これから川西市の人権意識は大きく後退することになるでしょう。まっとうな市議会議員が立ち上がり、中曽千鶴子さんと戦い、人権を守ることが求められるところですが、実際に川西市議たちと話してみて思ったことは、議員の中で本当に街のことを思っている人は少数派であるということです。なにしろポンコツが圧倒的多数を占めるので、中曽千鶴子さんの蛮行を止める人はいないだろうと予想します。


■ 選挙期間中の中曽千鶴子さんの演説

だいたいの人は「中曽千鶴子って誰?」って感じだと思いますし、投票する前に大丈夫な人なのかどうかを確かめるようなことはしないでしょう。だから、「皆さんを守る」と言ったら頼もしく思えるかもしれません。が、それは完全に仮面を被っています。中曽千鶴子さんが選挙期間中にどのような演説をしていたのか。まずはそのまま書き起こしたいと思います。

「わたくし、ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、川西能勢口で明峰高校の2つ下の後輩、アキタミワさんという拉致被害者の救出活動を7年も8年も続けてまいりました。お父さんお母さん80代、弱っていらっしゃいます。アキタミワさんのお姉さんとは連携をしまして、ともに絶対助け出す活動を続けてまいりました。苦しむ被害者、悲しむ人、放っておけない。また、各地の小学校で私は正規の教員をわざと選ばず、学級崩壊にあった学校、イジメのいる学校、不登校の子が悩んでいる学校を選んで働いてきました。放っておけないです。苦しんでいる子、悲しんでいる子、子どもの自殺、おばあちゃんやお年寄りの自殺、今、私はこの党から公認を受けてくれないかと言われました時に、NHK撃退シールというものを皆さんにお守りのようにお配りしてまいりました。その中でたくさんの川西市民から直接お話を伺いました。本当に川西市民に恐ろしい悪質な集金人の被害が続出しております。玄関の前で近所中に金払わない家だと言いふらすぞと、一人暮らしのおばあちゃんにそんなことを言う、おじいちゃんが死んで、心も体も弱っているおばあちゃんのところに、体調も崩しているおばあちゃんのところに行って、家に勝手に上がり込んで、BSって付け方もわからないおばあちゃんに、このテレビBS映るから2倍払え。銀行カードをひったくって勝手に契約をするとか。母子家庭のお母さんが一生懸命働いている時に子どもさんが家で留守番をしてたらドンドンドンドンドアを叩いて、ドアを蹴って、金を払え金を払えと玄関の外で叫ぶ。オートロックの家にはどなたかが帰宅した時にこっそりついて上まで上がってくる。泥棒じゃないですか。NHKの集金人、今、下請け業者のサラ金やっていた人とかオレオレ詐欺をやっていた人とかが集金人をやっていたりするんですよ。酷いです。もうノイローゼになって、こんなことが毎日あるんだったら死んでしまいたいと言うてるおばあちゃんの話を聞いたんですよ。お金がなくなって、痩せて病気みたいになってる一人暮らしの若い女性の話を聞いたんですよ。奨学金を一生懸命払っている若い男性もそういう弱者ばっかり狙ってくるんですよ。こんなことが川西市にあるなんて私も信じられませんでした。「誰かに相談したの?」と聞いたら、役所に言うても消費者センターに言うても警察に言うても、どの市会議員も助けてくれないと。なので、立ち上がることにしました」

ツッコミどころが満載すぎて、どこからツッコんだらいいのか分かりません。今まで立花孝志さんも語っていなかったような新ジャンルの集金人が続々と発表されました。「銀行のカードをひったくって勝手に契約する」というような事案が本当にあるのでしょうか。しかも、NHKの集金人はサラ金やオレオレ詐欺をやっていた人なのだそうです。これまでNHKから国民を守る党の方々が顔や名前を晒している集金人の人たちは、まったくそんな雰囲気ではありませんでしたが、川西市はヤクザが仕切っているとでも言うのでしょうか。中曽千鶴子さんが加わったことにより、これから「NHKから国民を守る党」が語る「NHK集金人」というのは、極悪非道のモンスターとして語られることになるでしょう。そして、皆さんもお気づきだと思いますが、こうした極悪非道のモンスターたちから川西市民を守るのが自分だけだとおっしゃっているのです。在日朝鮮人や日教組には同じくらい酷いことをしている中曽千鶴子さんなのに、あくまで自分は「市民の味方」というスタンスなのです。実情を知らずに聴かされた人たちは、何も知らずに投票しているのでしょう。おそらく投票した人の半分くらいは、あとでビックリすることになるはずです。

「またNHKの内容が偏向報道、質が低下して、今、受信料を払っているけれども、どうしても納得いかないよと。おじいちゃんが入院して介護で忙しくてテレビなんか見れない。育児に忙しくて見れない。見れないのにお金を払うこの制度はやっぱり納得がいかない。そんな方、いくらでも相談に乗りますので、選挙ポスター、選挙広報にデカデカと携帯番号を記しているのは私だけですから、皆さんぜひご登録いただきまして、NHK受信料の問題、口座をどうやって止めたらいいのか、撃退シールが欲しい、毎日怖い、今、目の前に集金人が来ている、助けてくれ、すぐにお電話をいただければと思います。その他にも川西市政の問題、個人の問題、私、教育のプロ、そして、父を昨年亡くして介護、いろいろな問題、長く川西におりますので、川西の問題、皆さんとともにこの川西を良くするためにと働きますので、何でもご相談いただき、私に託していただければと思います。川西市長選、激しい戦いをされています。若いパワーのあるお二人ですが、まだまだ若い、私よりずっと若い、森本候補なんかは私の息子みたいなものです。誰かがしっかり見とかんと、間違った方向に行くかもしれません。そんな、しっかりと市議会の中で監視をする役目を担う中曽千鶴子。そして、それと同時に、まずこの党に入っているからには、この街からNHKの悪質な集金人を一掃して、安心して幸せに幸せに皆さんに暮らして欲しいと思っております。今、あしなが募金の募金活動を2階でされていますけれども、ゆとりのある方は見もしない受信料のお金を2000円も払うんだったら、東日本大震災とか、西日本水害とか、あしなが募金の交通遺児の方でも、寄付した方がよっぽどマシですよ。来年、消費税が10%に上がる。毎日安くておいしいものをお母さんは必死に努力をしている。1円でも安いものをと、スーパーのチラシで選んでる。月2000円ですよ。年間2万6000円。こんな受信料、本当にもったいない。川西の市民は払わなくていい。私が全力かけてお守りいたします。私の娘の友達は母子家庭のお母さん、とてもじゃないけど高校の修学旅行行かされへんねん、大学行かされへんねん、お金ないねん、言うてはります。ずっとNHKの受信料を一生払ったら100万円ぐらい、行けるじゃないですか、大学も修学旅行も。見てもいないものでお金を払うんだったら、大切なご自身のこと、教育費、医療、介護、子育て、お孫さんのプレゼント、大事な自分のことにお使いください。NHK、悪質な集金人がいたら、皆様をお守りする決意をしております。それと同時に、今後も拉致被害者、明峰高校出身のアキタミワさんの救出活動も続けてはまいります。しかし、NHKから国民を守る党の「弱きを助け、悪を挫く」。正義の政治家集団、この中で私は、今、小中校生にどの党より人気のある、どの党も今下り坂、この党だけが上り調子、来年の参院選、そして、4年後5年後、この党の発展を皆さんとともに作っていきたいと願っておりますので、ぜひ投票日、明日の投票日には中曽千鶴子とお書きいただいて、平成最後のこの年、川西の歴史を作ってまいりましょう。よろしくお願いいたします。中曽千鶴子でございました。大きな声で失礼をいたしました」

NHKの受信料の問題は確かにあるのですが、現状、そんなに払いたくないなら「テレビを捨ててしまえばいい」という話で、テレビがない人は徴収される心配もありません。あと、受信料は1260円(年間契約ならもっと安い)なのに、2000円に盛られています。NHKを偏向報道だと言っている時点でだいぶ偏っているので、既に間違った方向に進んでいる人間に「若い市長だから間違った方向に進まないかを見守らないといけない」とか言われたくありません。しかし、中曽千鶴子さんがどんな人なのかを知らない人がこれを聞いたら、思わずその正義感に胸を打たれ、投票してしまう可能性があるのかもしれません。僕のパソコンの迷惑メールフォルダには「こんにちは、石原さとみです。友達になってもらえませんか?」というメールが届いたりしますが、「こんな詐欺メールに誰が引っかかるんだよ!」と思いながらも、引っかかるバカがいるからメールが送られてくるわけです。自分が見分けられるからと言って、他の人が見分けられるとは限りません。それは選挙も同じです。それだけNHKの受信料が深刻な問題であるという証拠ではあるかもしれませんが、それを逆手に取って、およそ議員にふさわしいと言えない人間が議員になってしまう現実を、一人でも多くの皆さんに知っていただきたいと思います。


■ 中曽千鶴子さんの第一声

「NHKから国民を守る党」のキャッチフレーズは「NHKをぶっ壊す」ですが、驚くことに、中曽千鶴子さんの当選が確実となった際の立花孝志代表のYouTubeに中曽千鶴子さんが登場し、感想などを聞かれての第一声で発した言葉は「川西市をぶっ壊す」でした。冗談のつもりで言ったのかもしれませんが、これから議員になろうという人間が真っ先に発した言葉が「川西市をぶっ壊す」。本当に川西市をぶっ壊す存在になりかねないため、本当に危惧されています。


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