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【選挙ウォッチャー】 参院選2019・安倍晋三総理では北方領土は返ってこない件。

先日、安倍晋三総理とプーチン大統領が日露首脳会談をして、北方領土問題に何らかの進展が見られるかと期待されたのですが、結局、北方領土のことはほとんど語られないまま終わりました。日本は不法占拠された北方領土を返してほしいと思っていて、その願いは当然なんですが、テレビのニュース番組などで報道されている「ロシアが返還に応じてくれるかもしれない」という空気感は、単なるプロパガンダに過ぎないと見ています。実際はまったく返すつもりもないし、日本政府がうまく利用されているだけで、ロシアは隙あらば北方領土を正式にロシア領にしようと考えています。安倍晋三総理が歴代の総理大臣の中でもズバ抜けてポンコツだから、プーチン大統領に揺さぶられているのです。そんなことにも気付かず、ネトウヨを中心に「外交の安倍」とか言っているのですから、だいぶ痛々しいことになっています。そろそろ「安倍真理教」を卒業しましょう。


■ 北方領土は戦争で勝ち取った領土だという認識

日本の僕たちにとっては、第二次世界大戦のどさくさに紛れて不法占拠されてしまった日本の領土である北方領土なのですが、ロシアの人たちにとっては「戦争で勝ち取った領土」であり、今はもうロシアの領土であるという認識になっています。悲しいことに、かつては日本人が住んでいたものでしたが、今はロシア人が住んでいます。戦前に北方領土で暮らしていた日本人は次々に寿命を迎え、戦後に北方領土で暮らし始めたロシア人の故郷になっている現実。それでも北方領土が日本の領土であることに変わりはないので、ロシアに返還を求める日本のスタンスが変わらないのは当然なのですが、その交渉は時間が経てば経つほど難しいものになっていて、お出かけする時に一番ピッタリな曲がBBクイーンズの「ドレミファだいじょーぶ」の安倍晋三総理に任せるのは、はじめてのおつかいの子供に半導体の買い付けをさせるぐらいに難しいのです。


■ 平和条約締結に向けた交渉にロシア人は大激怒

北方領土を日本に返すと言って納得するロシア人がいるはずがありません。ロシア人は「戦争で合法的に勝ち得たロシアの領土だ」と思っているわけですから、今さらプーチン大統領が「日本の領土だったんで返します」と言ったところで、国民に納得してもらえるはずがありません。いくらプーチン大統領とはいえ、さすがに国民に背くことはできませんから、ロシア政府も必死なのです。ラブロフ外相は北方領土はロシア領だと繰り返し強調し、大統領府のウシャコフ補佐官も「島々を譲り渡すことなど誰も考えていない」と明言。それでもモスクワの公園には市民が集まり、「島は我々の土地だ」と主張するデモが繰り広げられているのです。もうお分かりだと思いますが、ロシアが2島の先行返還を匂わせているのは、少なくとも択捉島と国後島が合法的にロシア領であることを確認したいから。平和条約を結び、これがロシアの島であることが確定したら、残りの2島を日本領だと認めても、主権をロシアが握ればいいだけ。実は、ロシアにとってはほとんどデメリットがありません。安倍晋三総理は自らのお手柄を日本国内にアピールし、さらなる絶対的な立場を築きたいのだと思いますが、その思惑をロシアに利用されているだけで、「2島返還してもらえるかもしれない」とか言っている間に北方領土の約93%を占める択捉島と国後島がロシア領であることを認めたも同然です。今、このタイミングで返してもらえるかもしれないと言っていること自体、壮絶なお花畑なのです。


■ 北方領土返還の歴史を確認する

第二次世界大戦の時、日本とソ連は中立条約を結んでおり、ソ連は日本と戦うことはありませんでした。ところが、日本の敗戦が濃厚になったタイミングで、ソ連のスターリンが参戦を表明。参戦する見返りに千島列島をソ連領とする密約を結び、日本がポツダム宣言を受諾してもソ連の侵攻は泊まりませんでした。日本が降伏文書に署名した後も侵攻を続け、北方領土を占拠してしまったのです。1951年にサンフランシスコ講和条約に署名した際、日本は千島列島や南樺太を放棄。当時の外務省はこの時に択捉島と国後島も含まれると解釈していましたが、1955年に自民党が誕生し、四島返還を主張。当時、アメリカもソ連とは対立を深めており、「二島返還に応じた場合には沖縄を返さないぞ!」と言っていたので、日本はずっとソ連に四島返還を求め続けてきた歴史があるのです。ところが、一方で1956年の日ソ共同宣言では「平和条約締結後に歯舞群島と色丹島は日本に返還する」と明記されており、これに初代自民党総裁の鳩山一郎首相が署名。しかし、今日の今日まで平和条約が締結されることはなく、北方四島はロシアに占領されたままになっているのです。日ソ共同宣言をベースに再交渉すれば、確かに歯舞群島と色丹島が返還される可能性はあります。ただし、それは択捉島と国後島を事実上、ロシア領として認めることでもあるのです。「平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を引き渡す」と明記されており、これに初代自民党総裁の鳩山一郎首相が署名。今日の今日まで平和条約が締結されることはなく、北方四島はロシアに占領されたままになっているのですが、日ソ共同宣言をベースに再交渉すれば、確かに歯舞群島と色丹島が返還される可能性はあります。ただし、それは択捉島と国後島を事実上、ロシア領と認めることにつながるのです。本当にそれでいいのでしょうか。


■ 日本とロシアは話が噛み合っていない

安倍晋三総理の国会での答弁を見れば、もともと話が噛み合わない人であることは分かると思いますが、日露首脳会談においても、安倍晋三総理とプーチン大統領の主張は噛み合っておらず、日本側の主張だけを聞いて北方領土が無事に返ってくることを夢見るのはお花畑です。ロシアは歯舞群島や色丹島を日本に返しても、主権はロシアにあるとしています。つまり、土地は日本領だとしても、島のルールはロシアが決めるものだというのです。賃貸物件じゃあるまいし、「んなアホな!」と思うかもしれませんが、ロシアは本気で言っています。また、日本は歯舞群島と色丹島はあくまで先行して返してもらうだけで、択捉島と国後島についても返してもらうように交渉するというスタンスですが、ロシアは択捉島と国後島はロシアのものであり、日ソ共同宣言をベースにして平和条約を締結する以上は、それに従うのは当然であるというスタンスです。つまり、日本が日ソ共同宣言を根拠に歯舞群島と色丹島を日本領とするならば、同じく日ソ共同宣言を根拠に択捉島と国後島はロシア領になるということになってしまうのです。つまり、平和条約を締結した瞬間に、歯舞群島と色丹島が返ってきたとしても、それ以上はなくなって「解決」ということになるのです。果たして、この話に国民は納得するのでしょうか。その噛み合わない部分が日本であまり話し合われていないのです。


■ 北方領土の2島返還を国民は納得していない

安倍晋三総理や河野太郎外務大臣は、国民の同意を求めることなく、勝手に北方領土の2島返還に切り替えてロシアと交渉を始めていますが、国民はそれで納得するのでしょうか。日本経済新聞が昨年11月23日から25日にかけて行った世論調査では、四島一括返還を求めた人は33%で、2島先行返還を求める人が最多の46%。2島だけ返還すれば良いと考える人はたったの5%しかいませんでした。つまり、日本国民の多くは最終的に北方四島すべてが返還されることを前提にしていることになります。ところが、安倍政権が実際にやっていることは、口では全島返還を前提にしているように言っているものの、ロシアは平和条約の締結をもって択捉島と国後島は確固たるロシア領となると考えているので、実質的には「2島返還で終了」です。つまり、安倍晋三総理は口では46%の人のためにやっているようなことを言っていますが、実際には5%の人しか支持していないことをやろうとしているのです。それどころか、主権はロシアにあるというプレッシャーをかけられているのですから、こんなところで「それで!」なんて言った日には実質的には「0島返還」です。そもそも安倍晋三総理は、今夏の参院選(もしかすると衆参ダブル選挙)を見据え、ロシアとの交渉がうまく行っているように演出したいだけなので、ロシアをナメすぎているし、そんなことをやっていたら本当に北方領土が返ってこないことになります。朝日新聞が行った今年の世論調査では、2島返還の考え方に賛成したのは38%、反対したのが40%となり、賛成よりも反対の方が多いのです。新聞によって結果が異なるところが気になるとはいえ、日本の領土という大切な問題を国民と共有できておらず、これまでずっと四島一括変換を主張してきたのに、何のコンセンサスも取らずに「2島返還」だと言い出しているのですから、とことん国民の意見を聞かない上に、やろうとしていることは売国です。皆さんは気づいているでしょうか。


■ 北方領土問題でも辺野古基地の問題は悪影響を及ぼしている

プーチン大統領は、昨年12月20日の記者会見で、北方領土を日本に返還した場合、色丹島や歯舞群島に米軍基地が置かれる可能性があると懸念を表明しました。安倍晋三総理はプーチン大統領に「基地は置かない」と断言しましたが、そんな約束を守れる保証はどこにもありません。なにしろ、日本に米軍基地を置くか置かないかを決める決定権がないからです。プーチン大統領は具体的に辺野古基地の問題に触れ、「知事が反対しているが、何もできない。人々が撤去を求めているのに、基地は強化される」と話し、今後、イージス・アショアなどを導入する計画の日本を牽制。沖縄の民意を無視して辺野古基地が作られようとしている現状を、ロシアが北方領土を返還しない口実に使われてしまっているのです。だいたい、どこに基地を置くのは国防に関わる問題であり、安倍晋三総理の口約束のために基地を置く場所が制限されることがあってはなりません。それは日本の主権を放棄しているようなものであり、ロシアとの交渉においてもアホを証明しているだけに過ぎません。だいたいアメリカに行くたびに、お土産に戦闘機を大量購入させられている無能が総理大臣なのです。アメリカが色丹島を要塞化すると言い出したら、安倍晋三総理にはどうすることもできないでしょう。無責任な約束をしてしまうと、相手の信頼を失うものです。国民との約束も守れない総理大臣がロシアとの約束を守れるはずがなく、もう少し世界から信頼される総理大臣にしなければ、日本はカモにされるだけで終わりです。そろそろ世界のATMとしてお金を配るだけの無能からは卒業しましょう。


■ ロシアにお金だけ渡してきた安倍晋三総理

日露首脳会談を始めるにあたり、河野太郎外務大臣がロシアのラブロフ外務大臣と会談をしました。その日はロシアにしては気温が高かったようなのですが、河野太郎外務大臣は「今日は私のためにロシアの気温を暖めていただき、ありがとうございます」というシベリアよりも寒いロシアンギャグをかまし、会談がスタートしました。この会談がうまく行ったのかどうかは、のちに安倍晋三総理とプーチン大統領の会談で何一つ成果を出せていないことからも明らかだと思います。経済協力を申し出て、ロシアにお金を渡しただけで帰ってきたも同然です。これも僕たちの税金なのですが、どうして結果を出せない安倍晋三総理に誰も文句を言わないのでしょうか。僕たちはロシアのために税金を納めているのではなく、日本のために税金を納めているのです。その大切な税金を勝手にロシアのために使われて文句も言わないなんて明らかにおかしいのです。結果を出せない人間に僕たちの税金を託してはおけません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

ロシアが北方領土をすんなり返してくれると思ったら大間違いです。もし返してくれると言っても、その裏には何かがあるはずで、そんなロシアにとって何のメリットもないようなことをするはずがありません。ロシアが北方領土の交渉をする陰には何があるのか。ロシアがクリミア半島を併合した時、日本はロシアを非難しているわけですが、北方領土を返してもらえるかもしれないとあれば、ロシアを強く非難することもできなくなります。ロシアもさまざまな思惑の中で交渉しているわけですから、非常に高度な交渉になっているのです。これまで日本が好景気に沸いているとされてきた証拠がすべて「捏造」「改竄」によるものだったことがバレつつある昨今、デタラメ野郎の安倍晋三総理にロシアとの交渉は絶対に無理です。これ以上、日本を売らないためには、今すぐに総理大臣を辞めてもらうしかありません。ニセのデータをもとに実績を語られても、実際は超グダグダなのですから、こんな人は信用できないのです。[了]

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