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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#541)。

 このたびは、僕のことをご支援くださった皆様、ひっそりと応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。既に報道等でご存知だと思いますが、反社会的カルト集団「NHKから国民を守る党」から訴えられた19本目の裁判は、無事、選挙ウォッチャーちだいの勝訴となりました。
 そして、このニュースはおかげさまで、朝日新聞や毎日新聞が速報的に伝えてくださり、東京新聞、共同通信、読売新聞、弁護士ドットコム、弁護士JP、生活ニュースコモンズ、田中龍作ジャーナルなど、さまざまなメディアで記事にしてくださいました。さらに、ひろゆき、滝沢ガレソといったインフルエンサーたちも話題にしてくれたので、長らくTwitter上では「日本のトレンド」として上位に表示され続け、「NHKから国民を守る党」「反社会的カルト集団」だということが、より多くの方に知っていただけたのではないかと思います。
 ということで、本日は皆様に判決文を公開し、どのような判決だったのかを知っていただきたいと思います。「NHKから国民を守る党」の関係者たちは、「あくまで表現の自由として認められただけだ」などと主張していますが、実際は、まったく違います。めちゃくちゃエグい判決文となっていますので、立花孝志に騙されて投票してしまった兵庫県民の皆様をはじめ、より多くの方に、この判決文を読んでいただきたいと思います。




■ N国党→ちだい裁判の判決文

 今回の裁判は、ただ「反社会的カルト集団」と言ったことが名誉毀損にはあたらないと言っているだけではありません。N国党の理屈を代弁している丸山穂高や福永活也は適当なことを言っていますが、判決文を読むと、もはや「反社会的カルト集団」という表現では「ぬるい」というぐらいに、フルボッコの判決となっていますので、ぜひご覧ください。

 弁護士の先生方におかれましては、主要な判例検索システムに判決文を提供していますので、そちらから取ることもできます。参議院に2つの議席を持っている準国政政党が、「反社会的カルト集団」として認定されたことは大変重たい話であると思います。


■ 判決部分のテキスト

第3 当裁判所の判断

1 認定事実
 前提事実のほか、証拠(乙10、乙11の4、乙11の7)及び言論の全趣旨によれば、原告代表者やその関係者、支持者らには、過去に、別紙事実1から3まで及び同5から18までの各行為等があったことが認められる。他方、別紙事実4の事実は、これを認めるに足りる的確な証拠がない。

2 争点(1)(本件各表現行為が原告の社会的評価を低下させるものであるか)
(1)ある記事又は動画における発言の意味内容が他人の社会的評価を低下させるものであるかどうかは、当該表現についての一般の読者又は視聴者(以下「読者等」という。)の普通の注意と読み方、視聴の仕方とを基準として判断するべきものと解するのが相当である(最高裁昭和31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁、最高裁平成15年10月16日第一小法廷判決・民集57巻9号1075頁参照)。
 そして、名誉毀損の成否が問題とされている表現が事実を摘示するものであるか、意見あるいは論評の表明であるかを区別するについても、当該表現についての一般の読者等の普通の注意と読み方、視聴の仕方とを基準として判断するべきであるところ、当該表現が、証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を明示的又は黙示的に主張するものと理解するのが相当であり、他方、上記のような証拠等による証明になじまない物事の価値、善悪、優劣についての批評や論議などは、意見あるいは論評の表明に属するというべきである(最高裁平成9年9月9日第三小法廷判決・民集51巻8号3804頁、最高裁平成16年7月15日第一小法廷判決・民集58巻5号1615頁参照)。
(2)前提事実(4)ア及びイの通り、本件投稿1は、本件都知事選挙の選挙期間中に、原告による選挙ポスター掲示板の使用態様に言及するに当たって原告を「反社会的カルト集団」と表現した上で、少なくとも以後数日は原告による選挙ポスター掲示板の使用態様について投稿を続けていくとの旨記載した投稿であり、本件投稿2は、本件投稿1の6日後であり、引き続き本件都知事選挙の選挙期間中であった日に、本件投稿1と同じアカウントを利用して、原告につき「反社会的カルト集団」であるとの本件投稿1と同一の表現を用いた評価を記載した投稿である。以上によれば、本件投稿1と本件投稿2は、同一の情報媒体において、時間的に近接して同じ表現を用いて行われた、一体の表現行為というべきである。
 他方、本件発言は、前提事実(4)のとおり、本件投稿2が投稿されたものと同じ日に配信された動画における発言ではあるものの、本件投稿1及び2とは異なる情報媒体を用いた表現であり、その表現様態も文字による投稿と映像及び音声による発言という大きく異なるものであったことからすれば、本件投稿1及び2と一体の表現行為とみることはできない。
(3)次に、本件投稿1及び2における「反社会的カルト集団」との表現は、「反社会的」「カルト」という用語事態の意味や、別紙事実18のとおり、新聞各社により強い批判的論調で報じられていた、本件都知事選挙における原告の選挙ポスター掲示板の使用態様に言及するに当たり用いられ(本件投稿1)、原告が野放しになっているとこれからますます事件が起こり、被害に遭う人が増えるとの記載とともに用いられていること(本件投稿2)を併せて考慮すると、一般の読者等の普通の注意と読み方とを基準とすれば、原告について、違法と評価される行為を平然かつ盲目的に次々と行う集団又は団体であると述べていると解されるものである。そして、上記表現は、原告の団体としての性格に関する評価であって、証拠等による証明になじまないものであるから、本件投稿1及び2中の上記表現は、原告に係る特定の事実を摘示したものとは認められず、意見あるいは論評を表明したものと認められる。
 また、本件発言における「オウムと一緒」「オウムみたいなもん」との表現は、これがかつてその代表者や信者が複数の大量殺人事件を起こした宗教法人であったオウム真理教に原告をなぞらえたものであることや、その前後における、物の善悪の判断がつかない、危ない奴らの集団であることは間違いないとの発言内容を考慮すると、一般の読者等の普通の注意と試聴の仕方とを基準とすれば、原告について、犯罪行為を平然かつ盲目的に次々と行う危険な集団又は団体であると述べていると解されるものである。そして、上記表現もまた、原告が具体的な対立者やその家族等に対する殺人事件等を犯したなど、証拠等をもってその存否を決することが可能な特定の事実を主張する部分は認められないことから、原告の団体としての性格に関する評価であって、原告に係る特定の事実を摘示したものとは認められず、意見あるいは論評を表明したものと認められる。
(4)そして、上記(3)に説示したところによれば、本件各表現行為における上記各表現がいずれも政治活動を行っている原告の社会的評価を低下させるものであることは、社会通念に照らし明らかというべきである。この点、証拠(乙23、乙25から乙28まで、乙33、乙34)及び言論の全趣旨によれば、原告代表者及びその支持者らは、原告代表者をオウム真理教の元代表者になぞらえるような発言党をしたことがあったことが認められるが、このことによっても、第三者である被告がした本件各表現行為中の各表現が原告の社会的評価を低下させるとの上記認定が左右されるものではない。

3 争点(2)(本件各表現行為の違法性が阻却されるか)
(1)ある事実を基礎としての意見あるいは論評の表明による名誉毀損にあっては、その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に、上記意見あるいは論評の前提としている事実が重要な部分について真実であることの証明があったときには、人身攻撃に及ぶなど意見あるいは論評としての域を逸脱したものでない限り、上記行為は違法性を欠くべきものというべきである(前記最高裁平成9年9月9日判決参照)。
(2)前提事実(2)のとおり、被告は、もともと地方選挙や国政選挙を取材してその内容をインターネット記事としていた者である。また、前提事実(3)のとおり、本件各表現行為がされた当時、原告は本件都知事選挙に複数の候補者を擁立して選挙活動を行っていたものであり、特に、被告は、本件投稿1中において、上記候補者らのポスターが掲示されている選挙ポスター掲示板を写真を掲げつつ、当時新聞各社により強い批判的論調で報道されていた、原告の同掲示板を利用した「ビジネス」について無料で記事にし、メディアや警察にも背景を理解してもらいたいとの旨記載していた。これらの事実によれば、本件各表現行為は、いずれも本件都知事選挙の選挙期間中に行われていた原告の選挙活動について被告の意見を広く一般に伝えるとともに、原告の選挙活動を公に批判する趣旨でなっされた投稿及び発信であったといえる。
 以上によれば、本件各表現行為は、いずれも公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認められる。この点、被告が本件訴訟の追行のためにカンパと称して金銭を募り、ひわいな単語を多用したブログを一般人に向けて有料で販売している事実があったとしても、本件各表現行為の目的等に係る上記認定は左右されない。
(3)ア 次に、前記1に認定のとおり、原告代表者やその支持者らは、本件政治団体が設立された頃、日本放送協会職員又はその委託職員に対して暴行を加えるなどし(別紙事実2)、原告代表者は、その後、日本放送協会の業務を妨害したことなどにより有罪判決を受け(別紙事実8・9・16)、本件政党に所属していた本件議員が脅迫の罪で有罪判決を受け、原告代表者は脅迫に当たるとされた本件議員の発言等に同調する発言をし(別紙事実17)、原告代表者の指示を受けた本件副党首らが日本放送協会職員の容姿を撮影したことにつき、原告代表者及び本件副党首は不法行為責任を認める判決の言い渡しを受け(別紙事実5)、原告代表者は、本件政治団体の市議会議員が被告に対して提起し、不法訴訟に当たるとの判決が言い渡された訴訟の提起等に関与していた(別紙事実3)ものである。このように、原告代表者及びその支持者らについては、平成25年以降現在に至るまで、複数回にわたって、犯罪行為又は不法行為と評価される行為をしていた事実が認めらえる。
 また、原告代表者は、上記有罪判決を受けた各事実につき検察官送致された際、以後も日本放送協会の業務を妨害し続けることを宣言し(別紙事実10)、本件政党において不法行為に該当するサービスを一般市民に向けて提供し、以後も法律を守らずに活動を行っていくとの発言をしていた(別紙事実12・13)ものである。このように、原告代表者は、法律を遵守する意思がない旨、繰り返し表明していた事実が認められる。
 さらに、原告代表者は、上記のとおり、被害者のある犯罪行為や不法行為を繰り返してきたのみならず、本件副党首とともに支持者に対して自らに批判的な言動活動を行う被告又は第三者への迷惑行為を促し(別紙事実11・14・15)、テロや民族虐殺をも辞さないかのような発言すら行っていた(別紙事実1・7)事実が認められる。
イ 前期2の説示のとおり、本件各表現行為は、原告の政治活動を批判して、原告について、犯罪行為や違法な行為を平然かつ盲目的に次々に行う危険な集団又は団体であるとの意見あるいは論評を表明するものといえる。そして、上記意見あるいは論評は、上記アに説示のとおり、原告代表者が遅くとも平静25年から政治団体を組織するなどして政治活動を行い、原告代表者やその関係者、支持者らにおいて、上記政治活動の過程において、犯罪行為や不法行為を繰り返し、かつ、原告代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていたとの事実を前提にしたものと認められ、かつ、前記1に認定のとおり、同事実は、その主要な部分につき真実と認められるものである。
 そして、本件各表現行為は、上記アに掲げたとおり、原告代表者やその関係者や支持者において犯罪行為や不法行為を次々と行い、原告代表者が法律を遵守しない意思を明確にしていたことなどを踏まえて、原告について、これを違法な行為を平然と繰り返す盲目的な集団又は団体と評価して「反社会的カルト集団」と表現し、また、犯罪行為等を平然かつ盲目的に繰り返す集団又は団体として「オウムと一緒」「オウムみたいなもん」と表現したものであって、このような表現行為について、原告代表者等による上記行為等に対する意見及び論評としての論旨から逸脱し、主題を離れて人身攻撃のように原告を攻撃するような表現であったとまではいえない。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 今回の裁判では、「NHKから国民を守る党」という、犯罪行為を平然かつ盲目的に次々と行う危険な集団又は団体から名誉毀損だと訴えられ、160万円を請求されましたが、ご覧の通り、「原告の請求を棄却する」「訴訟費用は原告の負担とする」という判決が下されました。
 そして、この判決の内容のとおり、「NHKから国民を守る党」は、原告代表者やその関係者、支持者らにおいて、上記政治活動の過程において、犯罪行為や不法行為を繰り返し、かつ、原告代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていたとの事実を前提にしたものと認められました。
 改めて知っていただきたいのは、立花孝志のみならず、その関係者や支持者までもが、犯罪行為や不法行為を繰り返し、立花孝志は法律を守らないことを宣言し、テロや民族虐殺の可能性まで口にして、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供していたということが、裁判所によって「事実であると認定された」ということです。もはや「反社会的カルト集団」という言葉で表現することすら「ぬるい」という話で、これほどの社会の害悪となるような政党は、他にないのではないでしょうか。

 今回の判決は、全国紙で取り上げていただき、改めて、「NHKから国民を守る党とは何なのか?」と思った方がいらっしゃったと思いますが、この判決文と合わせて本を読んでいただければ、その正体は分かると思います。

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チダイズム
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