『母』編集長が、子育て中のお母さんたちにぜひ伝えたかったこと

2019年6月、弊社から刊行された『致知別冊「母」』。子育て層のお母さんたちを読者対象とした初めての試みでしたが、おかげさまで発売から1年を待たずに4刷となるなど、大変ご好評をいただいています。そして今年4月に発刊された『母 VOL.2』。本書の企画から販促、イベント開催までを一手に担ってきた『母』編集長の藤尾佳子が、第2弾の発刊に寄せて綴った「編集後記」の文章をお届けします。

令和元年6月に発刊した『致知別冊「母」―子育てのための人間学』。発売1か月で1万部完売。その後も版を重ね、一年間で1万7000部。決して多い数ではありませんが、1万7000人の子育てに携わる方へ人間学の学びを届けられたことに、感無量の思いです。

縁あって編集長をさせていただき、この1年、取材に立ち会い、また、子育てに関するイベントに出席するなど、一流の方の子育て論を学ぶ機会を多くいただきました。

本当に宝物のような学びをいただきながらも、日々我が子と向き合う中では正直うまくいくことばかりでなく、理想と現実のギャップに苦しむこともあった。一流の子育てをしてこられた方のような子育てができていない自分を責めることもあった。それでも、『母』で出逢った子育ての本質を頼りに母親としての在り方を求め続け、また、『母』の記事の中の言葉を支えにしながら、我が子と共に成長せんと歩んだ一年でした。

『母』には、感動で涙の溢れる記事や、「こんなにつらい体験をした人もいるんだ、だから自分はこの恵まれた毎日を大切に生きよう」と思える記事、「私はこのままでいいんだ」と読んで勇気・希望を得られる記事、いろんな記事・言葉があります。

この『母』にある記事や言葉が、いつか、読んでくださった方の人生を支えるものとなってくれたら……そう願って世に送り出した本に、誰よりも自分自身が支えられていた――そのことに気づいたとき、感謝の思いがあふれて仕方ありませんでした。

人生を支えるのは【言葉】です。
壁にぶつかった時や辛い時、自分自身を支え助けてくれるのは、自分の心の内に持っている言葉です。これは、この『母』の母体である月刊誌『致知』編集長を42年間務めてきた父親の姿を見てきて、また、そういう父親に育てられてきて、私自身が強く感じることです。

読書を通して、心の栄養になる良い言葉を自分自身の中に蓄えておくことが、いつか、自分や家族に訪れるかもしれない試練を乗り越える糧になる。拙い経験ですが、36年の人生を通じてそう確信しています。

人の心は触れるものによって変わる。さまざまな情報が溢れるこんな時代だからこそ、子育てをするお母さんたちに、良い言葉を届けたい。母と子の幸せな人生のために、いつの時代にも変わらない人間学のエッセンスを届けたい。

創刊42周年、11万人の愛読者をもつ人間学の月刊誌『致知』が贈る「子育てのための人間学」第2弾。皆様の子育て人生を支える言葉との出逢いがありますよう、心から願っています。

 令和2年4月 『母』編集長 藤尾佳子