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株で富を築くバフェットの法則 Part3 事業に関する原則

バフェットの原理原則のうち、まずは事業に関する原則について考えてみることにする。自分なりに解釈した後で、メドレーにあてはめてみる。

◆事業に関する原則
・シンプルで理解できる事業か
・安定した事業実績があるか
・長期的に明るい見通しがあるか

シンプルで理解できる事業か
理解というのは、その事業の売上高、費用、キャッシュフロー、労使関係、価格の柔軟性、資本配分など、あらゆる面である。
ここまで事業を深く理解できている理由としては、資金と理解力の及ぶ範囲に投資対象を意図的に絞り込んでいるためである。バフェットいわく、「自分の能力の範囲内で投資しなさい。その範囲が大きいかどうかは問題ではない。境界をどれだけはっきりと引けるかが重要だ」という。

自分の場合であれば、ITに関する分野は好きであるものの、自分自身が携わったことはなく、事業をちゃんと理解できるわけではない。例えば、ネット広告に関する内容については、友達から聞く限り、お金になりそうなことをしているが、そのビジネスモデルがいまいち腹落ちできないことがあった。このようなビジネスに関しては、自分が理解できないということを認識し、投資の対象から外すのが良いのだろう。

安定した事業実績があるか
バフェットは、難しい課題を抱えている企業や、これまでの事業がうまくいかず、事業を大きく変えようとしている企業も対象に外す。それは、過去の経験から同じ製品やサービスを長年提供している企業に投資すれば、最も高いリターンが得られることを知っているから。大きな事業展開はリスクも伴う。ただし、逆が正しいと勘違いしている投資家も多いとのこと。

確かに変化しようとしている企業に関しては、理由も明確にない中で、何か大きなリターンが得られるのではないかと期待してしまう人が多いかもしれない。実際に、課題にぶちあたったと思われる東芝(粉飾決算)、日産(カルロスゴーン問題)について株価をみてみる。

東芝の株価について
2015年にあった粉飾決算の事件までは株価は5000円ほどだったが、事件が明らかになった後、2000円にまで落ち込んでいる。そのあと2016年ころからは回復してきており、2018年ころからは3500円ほどを安定してきている。
2016年にあがってきた要因としては、大赤字を出していた白物家電の切り捨てたことがあげられるみたい。そこから利益が大幅に伸びているものの、株価の回復は見受けられない。これは、東芝に対する不信感が残っているからなのだろうか…?

東芝株価

日産の株価について
2019年末にカルロスゴーンが国外逃亡したという事件があったが、やはりこのタイミングから株価は下がっている。
カルロスゴーンがいなくなってから、経営者が変わり立て直しているタイミングになる。超短期的には伸びているときもあるようだが、やはり大局的に見たら株価も低下し続けている。もちろんコロナの影響もあるだろうが、経営者の信頼を失い、立て直しているタイミングの企業については、どこか底なのかもわからないので、投資しないほうが良いのだろう。

日産自動車株価

明るい長期展望が見込めるか
バフェットは非常に優れた企業は少数であるという。その企業は「社会で必要とされ、望まれる存在であり、代わりになるものを簡単には見つけられず、政府の規制がない分野にいる」という。これらの条件がそろえば、販売数量が減少したり、マーケットシェアを奪われたりすることを心配せずに、製品の価格を維持し、場合によっては引き上げることもできるような状況になる。このような価格決定力は優れた企業が必ず備えている強みの1つであり、平均以上の資本利益率をもたらす。このような優れた企業というのは、25年から30年にわたって優れた状態でいる企業であるとも言っている。
逆にダメな企業の製品は、競争相手との区別がつかない。例えば、コンピュータ、自動車、航空産業、銀行など。このような汎用的事業は利益率が低くなる。ここでうまくいかせるためには、低コスト生産を実現するしかない。

ダメな事業の例としてあげられていた銀行について、株価を見てみようと思う。三菱東京UFJ→SMBC→みずほの順番にあげていく。

UFJ株価

三井住友銀行株価

みずほ銀行株価

このように株価を3つ並べてみると、同じような波形をしていることが分かった。差別化が難しい業界であるがゆえに、1企業だけが大幅に伸びたり、下がったりすることはなく、景気変動という外部環境に左右されやすいということが言えるのかもしれない。
利益もみてみたが、爆発的に伸びている企業があるわけではない。

逆に事業としては弱いかもしれないが、コストダウンにより大量生産を可能にしているトヨタの例をみてみる。

トヨタ株価

このようにみてみると、長期的に株が伸び続けていることがわかる。もちろん短期的に落ち込むこともあるが、全体的な傾向としては上昇している。
なるほど低コスト構造を生み出すことができている会社に関しては、汎用的事業であったとしても、長期的に利益を伸ばすことができ、株価も伸びていくと考えられるのだろう。

ちなみに余談のようになってしまうかもしれないが、明るい長期展望があるかどうかに関しては、ポーターの5フォース分析の内容のように考えられる。下記、観点で分析することにより、事業を分析することがしやすくなるだろう。

5FORCES分析

今日はここまで。グロービスで学んだことが、投資の方法に活かされるとは思ってもなかった。けど、バフェット曰く「投資することと、その会社を買収することは本質的に同じ」と言っているから、そのように考えると、ここまで分析するべきなのだろう。。。!
今度は学んだフレームワークを用いて、その事業が魅力的なのかを分析し、投資に活かしてみるというのも面白そう。時間があったらやってみたい。