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ヒロトとマーシーの曲でシャニマスアイドルたちに歌って欲しい/聞いていて欲しい曲 〜アンティーカ編①〜







ほとんど誰にも伝わらない話をします。





ベン図2_アートボード 1

ベン図で表すとこのくらいの人にしか伝わらない話をします。(ベン図の使い方はおそらく間違ってる。)なぜそんな話をするかというとしたいからです。


とはいえそれだと流石に間口が狭すぎるので、どちらかがきっかけでこのnoteをお読みいただいている方にもちゃんと理解していただけるようにシャニマスとは、ヒロトとマーシーとは?の説明を簡単に交互にさせていただきます。

どっちも分かる!という奇特な方は======までスクロールしてください。


シャニマスとヒロトとマーシーについての説明


アイドルマスターシャイニーカラーズ(通称 シャニマス)

バンダイナムコ様より出ているアイドル育成ゲーム「アイドルマスター」シリーズ最新作。プレイヤーは283(ツバサ)プロダクションのプロデューサーとして19人のアイドルたちをプロデュースする。現在五つのユニットに分かれており、今回話題に出すのは主に「アンティーカ」という五人組ユニットのメンバーたちについてです。


甲本ヒロトと真島昌利(通称 ヒロトとマーシー)

ヒロトとマーシーはTHE BLUE HEARTS(ブルーハーツ:リンダリンダやTRAIN-TRAINなどが有名)のボーカルとギターであり、ブルーハーツの解散後↑THE HIGH LOWS↓(ハイロウズ)を経て、現在はクロマニヨンズにてボーカルとギターとして活躍し続けています。


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↑自分が描いたヒロトとマーシー(上がヒロトで下がマーシー、ヒロトのは変顔とかじゃなくて割とよくする顔です。マーシーはいつもバンダナを巻いている。)


L'Antica(アンティーカ)について

アンティーカとは
・田中摩美々(たなか まみみ)
・幽谷霧子(ゆうこく きりこ)
・月岡恋鐘(つきおか こがね)
・三峰結華(みつみね ゆいか)
・白瀬咲耶(しらせ さくや)

の五人のメンバーからなるゴシック系アイドルユニット。その素晴らしさはとどまるところを知らない。
シャニマスというゲームはアイドルたちのエピソードを「コミュ」として覗き見できるんですが、アンティーカが勢ぞろいするコミュでは特に「お互いがお互いを理解して尊重し合ってる〜〜!!」と思うことができます。道徳の教科書?


ヒロトとマーシーのイメージについて

ヒロトとマーシーはそれぞれ作詞と作曲をしていて、いずれも数々の名曲を送り出しています。ちなみにリンダリンダはヒロトの作詞作曲でTRAIN-TRAINはマーシー。子供っぽい言い回しの曲はだいたいヒロトで、米文学とか歴史とか引用してるのはだいたいマーシーのイメージ。

また日本のパンクロックを代表するバンドということもあり(あとヒロトの特徴的な歌い方もあり)、いわゆる不良の聴く音楽だとか怖いだとかいう印象を持たれている場合がありますがそれは全く間違いで、自分としてはとある番組でビートたけしさんが甲本ヒロトさんを表わして言った「不良をやろうとして不良になれない子」という表現がしっくりきています。

社会や自分に対してどうにもならない鬱屈とした感情、怒りや不安を抱いているが、だからと言って不良にもなれなくてどうしようもない。ファンの多くもそんなどちらかといえば繊細な人たちのイメージがあります(当時はどうか知らないが少なくとも今聞いている人は)。


シャニマスの人間性の描き方

シャニマスにおけるコミュはすごい。何がすごいって人間描写の解像度が極端に高い。最高。

 いわゆるキャラクターを売りにしているコンテンツビジネスって「ツンデレ」とか「真面目」とか、一言で言い表せられるような個性を持たせて、そこにギャップや思想を持たせて行くと思うんですけど、そもそも人間の思考なんてグラデーションの偏りでしかなくって何色!だなんて一言で言い切れる事なんてないはずなんですよ。
 一色にしか見えないんだとしたらそれは相手を読み込み足りてなくて低い解像度でしか見えてないということだと思うんですよね。しかしまぁ人が処理できる情報なんてたかが知れているので(あとストーリー上そんなに盛り込めないので)、人物を描く際は解像度を落として(性格をデフォルメして)一色のみの価値観に沿わせて行動させるのが多くの場合のストーリーテリングの手法だと思うんです。(それが悪いと言っている訳ではないです。念の為。)

 で、現実におけるアイドルやタレントの売り方もまたそれに近いところはあると思うんですよ。このアイドルは清楚で売っていますと言うような。つまりはプロデュース方針に合わせてグラデーションの清楚の部分だけ表に出していると言うことなんですけど、当然表には出していない不安や悩み、妬みとか熱い心、目標とかもそれぞれのグラデーションの中にはあるはずなんです。

なら、裏の顔をみれる「プロデューサー」という立場で、「アイドル」として活動している「キャラクター」を描くときにシャニマスはどうしたかというと、このグラデーションの部分の解像度をどんどん上げに来る訳ですね。

正直彼女たちが(シャニマス世界において)どんなアイドルとして活動しているかという表の部分はあんまりくっきりしてない気がしていて、終始コミュでは彼女たちの表以外の部分を掘り下げるようなお話が描かれているんですよ。その掘り下げ方もまた職人技で、

 この子とこの子のお互いの優しさ空回りしそうだよね、とか!
 この子とこの子根本的な価値観が違うよね。一緒のユニットにしちゃお、とか!
 この子たちはみんな違うタイプに見えるけど実は共通点があってね…、とか!!


めちゃくちゃ転がすじゃん、手のひらで!!!!!!!!!!!(嬉しい)


そこで描かれる感情も一つ一つが丁寧なんですよね。この行動の裏には彼女が過去で培ってきた裏付けが”ある”んだろうなって信用できる感情の動かし方をするんですよ。そんなの……「実在」じゃん…。


コミュを紹介するとネタバレになってしまうので会話の細かいところだけ

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解像度が高いのでメンドくさがりなまみみさんは甘栗剥いてあるやつ。
そして買い物の段取りを考える咲耶さん。

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解像度高いので急ぎの仕事を確認するプロデューサー。

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鍵返しジャンケン。

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ここから本題。シャニマスアイドルに歌ってほしい/聞いていてほしいヒロトとマーシーの曲についてです。

※「ヒロトとマーシー」としたのは「ブルーハーツとハイロウズとクロマニヨンズの…」ってすると長ったらしいからであって深い意味はないです。ぴったりだなと思えば河口さんの作詞の「インスピレーション」とかも全然入れます(この曲とHAPPY BIRTH DAYのブルーハーツ内における立ち位置めちゃくちゃ良くないですか?)。

なおこのnote内での歌詞の引用について

http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html

上記条文を参考に全文を乗せると言ったことはせず一部の引用に留めますので、全文を知りたい方は一緒に貼る歌詞サイトのリンクよりお読みください。
(勝手にアップロードされてるYouTubeのリンクは貼っちゃうけどゴメン。許して!!国!!)


それではまず田中摩美々さんから



田中摩美々さんに聴いていてほしい曲 「少年の詩」


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歌詞全文はこちら↓

聴けるところ↓


この曲に決めるのは割と早かったです。あくまで聴いていて欲しい曲ですよ?聴いていて欲しい曲。

まず出だしから

パパ、ママおはようございます 今日は何から始めよう
テーブルの上のミルクこぼしたら ママの声が聞こえてくるかな


めちゃくちゃまみみさんじゃないですか???


まみみさんの性格はいたずらっ子のかまってちゃんといった感じなんですが、どうもいたずらをすることで叱ってもらいたいという欲求があるみたいなんですよね。「私〜悪い子なんで〜〜」というのが口癖なんですが、でもまぁ完全にいい子。越えちゃいけないラインはわきまえてるし育ちも良さそう。なんでそんな風になっちゃったかみたいなのが語られているコミュはすでにあるらしいんですがハマりたての頃の限定だったので見れてません……………! 復刻してくれ。

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ドアを開けても 何も見つからない
そこから遠くを 眺めているだけじゃ

別にグレている訳じゃないんだ 
ただこのままじゃいけないってことに気づいただけさ

この辺りはプロデューサーと出会う前の心情を思わせる(こういうこじつけが以下延々続きます)。
なんでもできるけど何がしたいわけでもなく、ただボーっと夜の街を彷徨う。じゃあなんでそんなことをしていたかというと「今までの良い子な自分」のままじゃ何かがいけないって思ったからなんでしょうね。

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サビである

そしてナイフを持って立ってた

というのは今までの環境を否定するための反骨心のナイフという解釈。でもナイフを何かに向けることもできずただ立っている。一見すると不良の歌のようですけど自分は不良になりきれない少年の歌だと思うんですよね。


僕やっぱりゆうきが足りない
「I LOVE YOU」が言えない

言葉はいつもクソッタレだけど
僕だってちゃんと考えているんだ



ひねくれた少年を言い表す詩としてかなりすごいと思うんですよ、この節。
トトロのカンタくんだって「お前ンチお化け屋敷〜〜!!」って言ってた裏でこんなこと思っていたかもしれませんよね。



まみみさんも好意を直接的にいうことは少なくて、下のはとあるカードのture end なんですけど一番のデレ(?)がこれですよ。

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この言い回しになる感情の帰結を考えるととても健康に良いと言われています。



どうにもならないことなんて
どうにでもなって良いこと

多分ここと「ナイフ」って単語で曲全体に無敵の人感が出てしまっているんですけど、「もう全部どうでも良い!!ぶち壊してやる!!ワアァァァァァ!!」って感じの諦めの「どうにでもなって良い」じゃなくて「社会は自分に正しくなれと言ってきて、そのレールの先には確かに幸せがあるのかもしれないけど、自分はどうにもそのレールにおとなしく乗ってられるような人間ではないし、これから先どうなるかは分からんけどもうどうにでもなって良いな。」っていう達観の「どうでも良い」だと解釈しています。

で、まみみさんも「どうなってもいい」って感じの立ち振る舞いをしていて。そもそもアイドルになったのもアイドルに憧れがあったというよりは、たまたまその時に気になった人がアイドルのプロデューサーだったからってだけでかなり危ういんですよね。(人を見抜く目はありそうですが)


続く歌詞で

誰のことも恨んじゃいないよ 
ただ大人たちに褒められるようなばかにはなりたくない

と思春期的な感情が描かれているんですが最後の方の節では

少年の声は風に消されても
ラララ…
間違えちゃいない
そして!いろんなことが思い通りになったら良いのになあ

と若干俯瞰した目線なんですよね。これは解釈によると思うんですが「少年の声は〜」からは大人になった少年の目線とも捉えられると思うんです。

・間違えちゃいない → 過去の自分の肯定

「どうにもならないことなんてどうなったって良い」思春期的な無敵感と未来への見通しのなさから → 「 いろんなことが思い通りになったら良いのになぁ」実際に抱えている問題が明瞭になってどうにもならなくなっている。 


つまり少年は「大人たちに褒められるようなバカ」にはなりたくなかったけど「大人」にはなっちゃったわけなんですよ。大人になった目線で見てみると当時の自分なんて完全に「ただのバカ」で、恥ずかしい過去みたいな扱いになっちゃうと思うんですよね。

でもこの「少年の詩」は「間違っちゃいない」と思春期の情動のようなものを全肯定しているんです。多分まみみさんにとってアイドルを始めてからって、すごく楽しくて大切な時間になっていると思うんですよね。

例えばまみみさんがもっと大人になって夜の街をふらふらしていた時期を思い返す時、なんであんなことしてたんだろうじゃなくて「間違ってなかったね」って肯定してくれるのがこの曲だと思うんです。なのでこの曲は聴いていてほしい曲です。思春期の時と大人になってからで聴いていてほしい。





幽谷霧子さんに歌ってほしい曲  「僕の右手」


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歌詞全文↓

聴けるところ↓


どっちもわかっている人には正気か?って選曲ですね。どうなんでしょう正気なんでしょうか。霧子さんに関しては結構悩んでこちらの曲にしました。

ただ歌うというだけなら正直「手紙」を歌ってほしいんですよね。あの美しい声で「ヴァージニアウルフの瑪瑙のボタン」って歌って欲しい。

↑女性カバーの「手紙」だとこちらがとても素敵


じゃあなんでそちらを捨て置いて「僕の右手」を選んだか。

まず「僕の右手」について説明すると幼い頃にダイナマイトで遊んでたら右手を吹き飛ばしちゃった実在するロックンローラーについて歌った曲なんですよ。エピソードがとんでもないな。

一番の歌詞では

僕の右手を知りませんか?行方不明になりました

と始まりそのあとは右腕を探す描写が続きます。実際には右腕は欠損してしまっているわけで「どこかに行って行方不明になっちゃった」という表現はユーモアとしてこの時点では捉えることができます。


ここで霧子さんについての解釈を入れさせていただくと、彼女は一際優しいという性格の他に「怪我をしているわけでもないのに常に包帯を巻いている」という特徴を持った人物なんですね。(そしてそれに対してプロデューサーもユニットメンバーも何も言わないでいてあげるのが最高なんですよね。そういうところの繊細な気遣いの積み重ねがシャニマスの良さ)

なんでそんなことをしているかというと霧子さん自身が「自分の良くないところが隠れる気がして」という風に語っていました。

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基本的にここでの解釈は自分の見れている限りのコミュに基づいてしまっているのですでに言及があったら申し訳ないんですが、霧子さんの自信のなさは一体どこから来たのかということを考えると「両親からの愛の欠乏」だと思うんですよね。

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 両親に関して自分が見た限りで言及があるのはここのみなんですがいわゆる鍵っ子みたいなことだったのかなと。そこで募らせた「自分は大切に思われていないんじゃないか」という気持ちが自信のなさに繋がっているのかと思うんです。

 なぜそれが包帯という形で現れたかというのはおそらく、病院で働いている彼女にとって病人は優しくするべき存在であって、特に献身的に愛を向ける対象であったからじゃないかと。

 つまり霧子さんにとって包帯は欠損している他者からの愛を補える(ように思える)アイテムだったんじゃないかと思うんです。


 そしてここで「僕の右手」の話に戻るんですが一番のサビではこのように歌われています。

見たこともないようなギターの弾き方で
聞いたこともないような歌い方したい だから
僕の右手を知りませんか?

この歌詞を自分は最初「右手が無いが知ったことか!オレなりの弾き方を見せてやるぜ」ってことだと考えていたんですけど良く考えたらおかしいんですよ。そんな弾き方ができているのにまだ右手を探しているのか?となるんです。

そこで良く見てみると「〜したい だから〜」という風になっていてどうやら願望だったんだなと気づいたんです。

つまりここでは行方不明になった右手は「見たこともないギターの弾き方や、聞いたこともない歌い方」をするために必要だったと嘆いているということになります。

しかしなぜ自分は最初一番のサビを誤読したのか。それは曲を聞くより先に「実際に右腕を失った人物がいて、その人は右腕がないことなど物ともせずに歌っている」ということを知っていたからではないかと思うんですよね。

つまり嘆いているこの一番の歌詞は右腕を失いたての時期の、欠損してしまったことで自分の可能性がなくなってしまったんじゃないかと不安に思う心情について歌っているんです。

つまり曲中の人物は凄いロックンローラーになれるかどうかの自信を欠損してしまっており、それを補えるのは失くした右手だと思っていて

霧子さんは愛されているという事への自信が欠乏しており、それを補えるように包帯を巻いていると言えるんじゃないかと思います。あくまで解釈ですが。



そして二番に入ると決意を固めたような歌詞になります。

人間は みんな弱いけど
夢は必ず叶うんだ
瞳の奥に眠りかけた くじけない心

今にも 目からこぼれそうな
涙のわけが言えません
今日も明日も明後日も
何かを捜すでしょう

右手を捜していたのが「何かを捜す」になり、自分に足りていなかったのは右手ではない何かであると心情の変化があったことが分かります。

霧子さんもまた、何かを変えようとアイドルへのオーディションを受けます。基本的にアイドルになるきっかけはスカウトかオーディションなのですが消極的であるはずの霧子さんがオーディションを受けると決めたのは、相当な決意だったと思うんですよね。



見た事もないような マイクロフォンの握り方で
聞いた事もないような 歌い方するよ だから
僕の右手を知りませんか?

そして最後のサビではロックンローラーとしてあろうとする姿が歌われており「したい」が「するよ」になっています。それでも右手は無いままなので「だから」と続きますが同じ歌詞でも一番の時と比べるとそれも受け入れて生きてゆくニュアンスが含まれているように感じます。

霧子さんもまた、自分の自信のなさを受け入れてトップアイドルを目指すことを決意します。

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↑写真の撮影で自分から包帯を見せて行こうと提案する霧子さん

弱さを無くせるようにでは無く、弱さを受け入れることで夢を叶えようとしているという点でこの曲は霧子さんの解釈にあっているのかなと思っています。


いかがでしょうか。納得していただけましたでしょうか。






え…やっぱ違う?じゃあクロマニヨンズの「恋に落ちたら」で。(「あのね」の三文字で構成されている曲)








三峰結華さんに歌って欲しい曲 「月の爆撃機」


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↓歌詞全文

↓聴けるところ


三峰さんは「月の爆撃機」。これだけは絶対間違いない。他にも数名同じこと言ってる方がいらっしゃったからこれだけは自信を持って言える。正直この曲はマジでカバーしてくれって思っています。


ここから一歩も通さない
理屈も法律も通さない
誰の声も届かない
友達も恋人も入れない

手がかりになるのは薄い月明かり

この出だしから始まる月の爆撃機という曲は誰にも踏み込ませたく無い心の領域について語っていると言われています。その領域が嫌に広くて、人一倍他人のその領域に踏み込んでしまわぬよう気を張っているというのが個人的な三峰結華さんの印象です。


彼女のコミュはシャニマスアイドルたちの中でもトップクラスに人物描写の解像度が高くて、「プロデューサーがアイドルに対して親愛以外の愛情を匂わせるような発言をする」という普通のアイドルゲームであればご褒美として用意されそうなシーンにおいて、その言葉を受け取った彼女は「勘違いをさせてしまった?そういう風に(私が)匂わせてしまった?」と悩み始めたりする。最高。そんな彼女にぴったりな曲なのだから「月の爆撃機」もまた、分かるようで分からない解釈の難しい曲なんです。


「月の爆撃機」の難しい点として歌詞中に登場する二つの主観の視点が同一人物なのかどうかということがあります。


歌詞中に主観と思える描写は「あれは伝説の爆撃機」と眺めている視点と「僕は今コクピットの中にいて」という爆撃機からの視点の二つがあり、最後の段落では「僕ら」として複数系で描写されていて、これが大きな解釈の分かれ道になっています。

眺めている視点

あれは伝説の爆撃機
この町もそろそろ危ないぜ
どんな風に逃げようか
全ては幻と笑おうか

爆撃機からの視点

は今コクピットの中にいて
白い月の真ん中の黒い影

錆びついたコクピットの中にいる
白い月の真ん中の黒い影

複数形の描写が登場する最後の段落

いつでもまっすぐ歩けるか
湖にドボンかもしれないぜ
誰かに相談して見ても
僕らの行く道は変わらない

手掛かりになるのは薄い月明かり

「僕(主観の視点)」はひとりなのかふたりなのか「僕ら」は人類とかを含めた大きな意味での僕らなのかふたりのことを指す「僕ら」なのかという分かれ道です。



二つの主観が同一人物だとすれば「あれは伝説の爆撃機 この街もそろそろ危ないぜ」と街から見上げる視点で言っていた彼が「コックピットの中にいる」ことになり、二つの歌詞の間に時系列があれば不可能では無いですが、多少不自然になります。

ずっと爆撃機のパイロットの視点であるならば「あれは伝説の爆撃機」とはパイロットが自分を客観視している描写という解釈も出来ます。

また、全ては心象風景なのでどちらの主観も自分の心であり、自分の内面のなかで行われている自分対自分の戦争(心の葛藤)という解釈も出来、「月の爆撃機」を心の踏み込ませたく無い領域について歌っている曲だとするならばあり得る表現だと思います。



二つの主観が同一人物で無いとすれば、二人は侵す側と侵される側で対立している事になります。

心象風景という前提であればこれは「なんとか相手の本心を知りたい人」「なんとかはぐらかそうとする人」とも言え、プレイヤーと三峰さんの関係とも言えるかもしれません。個人的にはこの解釈が好きです。

心象風景ではないとしたら「ここから一歩も通さない~」の意味も物理的に通さないぞって言う意味に変わってしまいますが、襲いに行ったであろう爆撃機からしても襲われて逃げようかと言ってる人からしても「一歩も通さない」って言葉はそぐわないのでこの解釈は弱いように思いました。


手掛かりになるのは薄い月明かり

サビであり、まとめの言葉としても挟み込まれている「手がかりになるのは 薄い月明かり」という節は対人関係の難しさか人生の道のりか、どちらにせよ不明瞭な選択肢を選ばなくてはいけない恐れを表しているように思います。

「相手の顔色を読み取ろうにも、暗闇の中で照らしてくれているのは薄い月明かりだけ」とも、「進むべき道の手がかりになるのは薄い月明かりだけ」ともそのどちらでもあるとも解釈できますが、どちらにしてもここでの「僕(主観の視点)」は暗闇のなか薄い月明かりだけを手がかりになにかを進めようとしています。それが何なのかは明言されていません。

なので三峰結華さんという掴みづらいアイドルをプロデュースするプロデューサーの気持ちとも、プロデューサーとの距離感を図ろうとする三峰さんの気持ちとも、不明瞭なトップアイドルへの道への不安ともこじつけることが出来ます。(これがしたくてやってるんですよね、この解釈)

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最後の節では「いつでもまっすぐ歩けるか 湖にドボンかもしれないぜ 誰かに相談してみても 僕らの行く道は変わらない」とまとめています。三峰さんのコミュでは湖は覗かれたくない心の領域の隠喩として登場しており、三峰さんにとっての「湖」を、「友達も恋人も入れない」領域の中にある触れられたら砕けてしまうほど弱い場所だと解釈すれば、この一節は三峰さんのトップアイドルを目指す三峰さんの覚悟と読む事も出来てすごく良いです。
(「湖の奥なんて知らなくていいのに」は三峰さんが普段のレッスンに加え深夜公園でダンスの練習をしているのをプロデューサーが見つけて注意するコミュ)

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さらに言えば全てを三峰さんの心の中の葛藤とするなら、まっすぐ歩くための「手掛かり」として照らしてくれている「月」プロデューサーなのでは?みたいな楽しみ方もできます。良いですね。




いかがでしょうか、三峰結華さんと「月の爆撃機」の相性の良さをわかっていただけましたでしょうか? 正直他の方がどう解釈するかもとても知りたいので良かったら三峰結華さんを思い浮かべながら「月の爆撃機」を聴いたのち、思い浮かべたものをご一報ください。






ごめんなさい、月岡恋鐘さんと白瀬咲耶さんについても書こうとしたんですが一万字近くなってしまったので次回に回します!アンティーカ以外のアイドルについても全員曲自体はもうすでに決めてあるので(変更はあるかもですが)随時書けて行けたらなと思います。

本noteでの解釈は自分なりのものですので間違いや誤読が含まれている可能性もあります(あとガチャの関係で見れていないコミュも多々あり)。ご自分なりの解釈があればぜひ教えていただきたいです。

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ありがとうございます〜!!!
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チッチーズと申します。漫画を描いています。ここには漫画以外に考えや日記のようなものを書いて行こうかなと考えています。        第95回手塚賞にて「DANNY's RADIO」準入選→WJ35号に掲載

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