わからない、を肯定してくれるヒップホップ
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わからない、を肯定してくれるヒップホップ

chica

私が昔から大好きなヒップホップの
トラックメイカー、ミュージシャンの
STUTSとtofubeatsの新曲、「One」

2人とも、ヒップホップ界のなかでは
いい意味で「とても普通」だと思うし、
彼らが作る音楽からは、いつも優しさを感じる。

バキバキに悪どさが目立つような
ザ・ヒップホップみたいのも
それはそれでしびれるし
めちゃくちゃかっこいいけど、
私はこういう優しさを感じる
ヒップホップがやっぱり好きだな、って思う。


大好きなこの2人が一緒に作った曲が
リリースされると分かった瞬間、
「そんなのやばくないわけがない…!」
と1人興奮していた私だけど、
予想通り、というか予想以上に
心に刺さる、いい曲だった。
トラックも最高だったけど、
なにより良かったのは歌詞だった。

探してる未来の先はなんだろうな
わからないけどがんばろうか
踊りだし 変わりだす
僕に見せて Do Your Dance
知らない間に無くした鍵
必死に探すのも
疲れたもう明日にしようか
分からない 何が理想か
蓋をした気持ちと
迸るemotionで踊ろう

特に私はここの2つの歌詞が好きすぎて、
毎回聴くたびにうるうるしている。

この「One」という曲は、
「わからない」という言葉が
何度も出てくるのが、とても印象的だった。

一貫して、「わからない」けど、それでも
前を向く」(歌詞では踊る、という表現)
そういう、自分の揺れる気持ちと
それでもやれることをやる、
ポジティブであろうとする強さが
まっすぐ伝わる曲で、私の心にすっと入ってきた。


みんながみんなやりたいことが明確で、
進むべき道が分かっているわけじゃない。
だけど、そんな「わからない」っていう感情を
それでもいい、って肯定してもらえているような気持ちになった。

そして私はこの曲の歌詞を最初に見たとき、
tofubeatsの過去の印象的だった
インタビューの一節を思い出した。

「例えばラッパーは“わからない”って言うと、言うことなくなっちゃうじゃないですか。だからとりあえず何かに噛みつく人もいれば、おしゃれな言葉でお茶を濁す人もいる。どっちも悪くないと思うんですけど、自分の場合は、このわからなさとちゃんと向き合ってみよう、みたいなのがテーマでした。わからない、よくなる気がしない。そういう気分のときに、そこから逃げるんじゃなくて、それをちゃんと見つめて、何かできるか試してみよう、っていう」

インタビューでは、tofubeatsは
「わからない」という気持ちに対して
誠実に向き合って曲を作った、
と書いてあって、そこを創作のテーマにする
っていうことに私は驚いた。

音楽、特にヒップホップにおいては
たとえば自分自身がどういう存在か、
どうありたいか、何を伝えたいかとか、
いろんなことを「わかってるから」こそ、
音楽を通してそれを伝えたい、ってことが
前提としてあるような気がしていたから、
逆に「わからない」に徹底的に向き合って
そこをヒップホップで表現してることに
私は新しさや、tofubeatsらしさを感じた。



だけどきっと世の中、私を含めだけど、
自分自身や周りのこと、
進むべき道ややりたいこと、
そんないろんなことを
「わかっている」人よりも、
「わからない」人の方が多いような気がする。

そんな「わからない」に対して
包み込むような優しさを
感じさせてくれた「One」という曲。

だけどこの曲の良さは、優しさだけじゃない。

できないことばっかり、でもできること
やるしかないかも

わからない、のその先にある「なにか」を
見つけるにはとにかくきっと、
今の自分にやれることをやるしかない。
そんな力強さも感じる。

目指す先の理想が分からなくても、前を向く。
この曲にはそんなメッセージが込められていて、
背中を押してもらえている気がしている。

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chica
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