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【参加者の声】自由研究プログラム2024(11月編)

自由研究プログラム(11月編)に参加された方に、イベントに参加された経緯参加してみての感想などについてレポートしていただきました。今回は、保護者の方目線とスタッフ目線でお届けします!また、参加後に集計したアンケート結果についても公開しております。イベントへの参加をご検討されている方は、是非こちらの記事を参考にしていただきたいです。記事の執筆にご協力いただいた皆様には、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。


参加者の声①

1. 参加に至った経緯

うちの息子は、小学4年生の男の子で、2024年の11月に参加させていただきました。本プログラムを知ったのは、YAMANA HOUSEを運営している友人のFacebookで知りました。息子の通う小学校は、夏休みの自由研究の宿題がないので、何かを観察したり、研究して成果物にまとめるという経験をさせるチャンスがないのが親としてのちょっとした悩みでした。そこへ今回のプログラムのお知らせです。迷わず申し込みました。大学院生のお兄さん達に子どもを預けることに不安はなかったかというと、、、正直、ほぼなかったです。YAMANA HOUSEの活動をFacebookで拝見していたので、そちらとつながりのある団体ということで信頼がおけましたし、それよりも、普段交わることのない、現役の大学院生と関わり、研究体験をできるメリットのほうがずっと大きかったです。

2. 当日の活動と研究発表会

当日の数日前に、予め分けられたグループで、研究テーマについての事前オンラインミーティングがありました。同じ学年の3人のグループだけど、みんな研究したい生き物も、テーマも違う。クモの生態をやりたい子もいれば、うちの息子は完全トカゲ派。そもそも、研究したいテーマも曖昧な息子。。。そんな中、メンバーの話をきいて、自分の希望に折り合いをつけて、研究対象の生き物を一緒に絞り込んでいく姿にまず小さな感動がありました。そして迎えた当日は、前日までの晴れが嘘のような、ザーザーの大雨。本当に外で採集できるのかな、、と不安を覚えながら息子を預けて、私達家族はYAMANA HOUSEを後にしました。しばらくすると、一度晴れて採集チャンスが。そして夜はまた大雨。台風の中でも神様が子供達にチャンスをくれたなと思いながら、あっという間に翌日の研究発表とお迎えの時間に。
 発表はA~Cのグループごとに順番で行われました。最初に発表した女の子のグループのどんぐりの研究発表に、まず驚嘆してしまいました。どんぐりの形や大きさに注目して、それぞれ転がりやすさが違うから、繁殖するエリアが異なるのではないかと仮説を立てて、どんぐりの形ごとに、落ちている場所や数を調べてまとめていました(もっと深かったと思いますが私の頭でついていけたのはそこまででした)。まるで大学生のような研究成果に衝撃を受けました。そして、息子のグループの研究は「クモは、他のクモと関わりをもつか、果ては協働するか」。ジョロウグモだけで実験する予定が、採集の途中でバッタに会い、アシタカグモに会い、、結局3種類の生き物の行動を観察することに。動画を撮って、静止時間、接触時間、同時発生時間などを記録し、ジョロウグモが一番他者との接触が多いという結論を導いていました。研究の成果としては目を見張るようなものではなかったけれども、グループをサポートしてくれた絵(かい)さん、俊平さんが、子供達の「やりたい」という気持ちを尊重しながら一つの研究としてまとめ上げて下さったことに、深い感動を覚えました。質疑応答で「何が一番楽しかったですか」と聞かれて、息子は「朝みんなで山にお散歩に行って、この地域にしかいない、青いサワガニを見つけたこと」と答えていました。一歩外に出ればたくさんの生き物に会える環境で、朝露の中をみんなで散歩して、どれほど清々しくて楽しかったか、目に浮かびました。

3. プログラムを終えて

研究以外にも、カレーを自炊し、翌日のたこ焼きを夜のうちに仕込みをし、と生活の勉強もたくさんさせていただきました。子どもたちを一日預かるだけでも大変なのに、24時間という限られた時間の中で、研究テーマを決め、食事の支度を一緒にし、寝支度をさせて、研究をまとめさせて、、とものすごい仕事をして下さった、千葉大NESOの皆様には感謝と尊敬でいっぱいです。東京に帰ってきてから淋しくてしばらく泣いていた息子ですが、次も参加したい、研究サイコー!と意欲いっぱいです。普段の生活で研究を継続しているかというと微妙なところですが、学校で出されるリサーチワークなどには、丁寧に取り組んでいます。成果を性急に求めず、何かやりたいことがあるときに、今回の自由研究プログラムでの取り組みを取り入れてやっていってもらえたらと思っています。

グループで生き物を採集する様子

参加者の声②

1.参加のきっかけ

充実した人生を送るためには、何ごとにおいても目標に向かった取り組みを持つことが重要であると考えています。しかし、小4の長女は勉強も習い事も全てなんとなく。自分の思いからの目標を持つことができず、わからない問題を前に、何時間もぼーっとただ机の前に座り続けることもしばしばでした。
 一から十まで指示されないとやらない、つまずけば手が止まり、自分で解決方法を探すことはしない、この状態から何とか脱却できないものかと思い悩む日々でした。そんな時、当プログラムの存在を知り、大学生と楽しく自由研究ができれば、何か変わるきっかけになるかもしれないと考え本人に提案したところ、好奇心だけは旺盛な彼女は二つ返事で参加を決めたのでした。

2.研究テーマを決める

1泊2日のプログラムでできる研究は限られています。長女は学校の授業で、環境問題をテーマとして、地球温暖化を止めるためにどんなことができるか、について調べ学習をしているところだったので、その関連の研究をしたい、という希望がありましたがそれは難しかったため、講師の方に提案いただいた「どんぐりの大きさ」に着目した研究を実施することに決めました。ただ、何かを研究することよりも、家族と離れてお友達や大学生のお兄さんお姉さんと2日間を過ごすということにワクワクしている様子でした。

3.プログラムから得たもの

当日の朝は少し緊張しながらも笑顔で出発し、次に顔を合わせたのは研究発表会の場でした。同じテーマに取り組んだお友達と一緒に、真剣な顔をして発表の準備をしている様子が見られました。「どんぐりの大きさと環境」について考察していましたが、その考察について彼女の考えがどのくらい反映されていたのか、最終的に理解はできていたのか、は怪しいところだとは思っています。しかし、研究のためのデータ集めの作業はとても楽しかったようですし、研究とはどんなものなのか、大学生がどんなことをしているのかを垣間見ることができたことは、とても有意義で刺激的な経験であったようです。この経験の効果は、学校の調べ学習の発表の場で感じることができました。プログラムと同様に、スライドショーを使ったプレゼンテーション形式で発表をしていましたが、地球温暖化の仕組みや、温暖化を少しでも解消するためにはどういった取り組みができるのか、わかりやすいストーリー展開で説明できていたことに大きな成長を感じました。また同じグループのお友達の意見を取り入れた内容で発表していたこと、ほかのグループの発表にも興味を持ち、どんなことを調べていたのか、どんな意見を持っているのかを教えてくれたこと、などからも、NESOのプログラムから得たものを踏まえて、調べ学習に取り組んだのだろうということを感じました。まだ、目標をもって何かに取り組むことができない状態からは抜け出せていませんが、何かを考察することは楽しいことだ、ということを少しは感じられたのではないかと考えています。1度に全てを理解することは難しいので、今後も定期的にプログラムに参加することで、自分の興味を形にすること、そのための努力ができる人になってくれることを期待しています。

どんぐりの長さを測り記録する様子

参加者の声③(スタッフ)

1. 心配は無用でした

今回のイベントへの参加を決意してから、実際にプログラムがはじまるまで不安な気持ちもありました。NESOの活動に興味を持ち、面白そうだからと気軽に参加したものの、本番に向けて準備していくうちに「本当にこれでいいのか?」「子供たちを楽しませられるのか?」「途中で生徒が飽きて投げ出してしまわないか?」と不安要素が次々と浮かんできました。しかし、実際に実験を始めてみるとそれらは杞憂だったとすぐに気付かされました。凄まじい集中力で実験を進める生徒や、好きな生き物について楽しそうに語る生徒、さらにはスタッフも思いつかないような鋭い考察をしてみせる生徒など、生徒たちが各々で実験に向き合い楽しんでいるように映りました。

2. 子供たちの無限の好奇心

実験とは違うところでも生徒たちは好奇心を遺憾なく発揮していました。料理の仕込みをしているとキッチンにやってきて手伝いをしてくれたり、実験には使わない虫を捕まえてきてその行動をじっくり観察するなど、自然に囲まれた山奥という非日常の環境が、さらに生徒たちの好奇心を引き出してくれたと思います。

3. 子供たちの今後に繋がっていく経験

今回のイベントは一泊二日で終わってしまいましたが、ここで得た経験や気づきが今後の生徒さんの研究活動や人生観に少なからず繋がっていくだろうと期待できるかたちで終われたことが非常に良かったと思います。我々を信頼し、大切なお子様を送り出してくださった保護者の皆様へ、大変ありがとうございました。またのご参加を心よりお待ちしています!

生徒とたこ焼きの生地を作る様子(左)

参加者の声④(スタッフ)

1. 活動を通して見られる子どもたちの協調性

私がこの活動に参加するのは4月開催のものと合わせて、2回目です。どちらの回でも共通して、子どもたちの間には「協調性」がみられました。
家で見るお子さんの姿は、保護者の方から見ると、良くも悪くも「自分の好きなことばっかりやっている」というふうにうつりがちかと思います。私も親にはそう見られてきました笑。しかしどうでしょう。親元を離れ、同年代の友人と話しているときのお子さんを見る機会は、実はなかなかありませんよね。この活動中、自分のやりたいことを我慢して、相手の意見を尊重したり、逆に相手の心を推測りつつ、譲れないところは譲れなかったり、そういった貴重な姿を見せてくれる子どもたちの姿には、いつも感動をもらっています。特に今回は複数人で1つの活動グループをなしていたため、全ての班で充実した研究活動が行えたのも、やはり子どもたちの協調性があってのものかと思います。子ども同士での共同作業の様子を見ていると「子どもは、私たち大人が思っている以上に大人であり、また子どもでもある」と、気付かされました。

2. 保護者の方々の想い

この活動に応募してくださった保護者の方からは、「子どもが生き物に興味があるのに、自分が詳しくない」という声をよくいただきます。また、送迎の際に、「子どもからこういう質問があったが、どう答えたらいいのかわからない」と直接質問をしていただいたこともありました。そういったとき、私はこの子たちは恵まれているなあと、強く感じます。年齢的にも金銭的にも、子どもたちが自分自身の興味を広げるのはなかなか難しいところがあります。そんな中、子どもの活動を心から応援しようとしている保護者の方々とお話しすると、最高の経験をさせてあげたいと、スタッフ一同、身が引き締まります。
 今はまだ、多くの人から支えを享受しているということを、子どもたちは真の意味で理解できていないと思います。しかし、成長に伴って、一番身近な大人が心から応援してくれることのありがたさと安心感が、人生のさまざまな岐路に立たされたとき、自信につながるはずだと、信じています。我々を信じてくださった保護者の方々、当然だと思われるかもしれませんが、自信を持って、ご自身のお子様を応援してあげてください。大学生の我々から見ても、とても頼りになる子ばかりです。

3. 「教える」こと

高校の教員になることが決まっている私は、この活動を通して、毎度、教えることの楽しさを教えてもらっています。好きな生物の話を好きなだけ、遠慮なく吐き出すことができる楽しさはもちろん、それに対する子どもたちのリアクションには、もはや味を占めてしまっています。そしてこれは、私だけにとどまらず、他のスタッフも感じています。参加者だけではなく、スタッフ側も本気で楽しんでいるプログラムは、なかなかないのではないでしょうか。単なる事務作業として子どものお世話をするのではなく、同じ目線に立って、共通の目標を達成しようとする仲間のような立場で「教える」ことを、参加者のみなさんから学ばせてもらっています。これは、私が教員になっても大切にしていきたい心構えのひとつです。卒業して社会人になってからも、OBとして引き続き本プログラムには関わっていきたいと思っています。次のイベントでまたお会いしましよう!

生徒と交流を楽しむ様子(左)

アンケート結果

イベント後のアンケートでは、参加された保護者様・お子様ともに非常い高い評価をいただくことができました!また、日帰りのイベントや長期のプログラムなど新しいアイディアを頂戴することもできました。これらの結果を踏まえて、さらにパワーアップしたイベントを開催できるよう準備して参ります!

保護者と生徒のアンケート結果


スタッフのアンケート結果

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