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千葉ウシノヒロバのつくり方。クリエイティブカンパニーグループによる場所づくり。

みなさん、こんにちは。千葉ウシノヒロバの日々を届ける「牧場つくるマガジン」です。千葉ウシノヒロバは、牛と人と自然が穏やかに交差する場所を目指して、さまざまなチームで運営をしています。本日は、その運営の体制についてお話します。

千葉ウシノヒロバは、クリエイティブ制作を行っているデザイン会社である「株式会社チカビ」が立ち上げました。そして、目指す施設の実現のために、子会社として「株式会社千葉牧場」をつくり、さらに、グループ企業である「LOCAL FACTORY」とも協力し、施設運営を行っています。

その3社によって運営されている千葉ウシノヒロバ、それぞれがどのように関わっているのか。少しお話したいと思います。

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牧場の価値を更新する

どうしてデザイン会社が牧場兼キャンプ場をはじめたのか。理由は、チカビが掲げているミッション「チャレンジで社会の価値を更新する」にあります。

千葉ウシノヒロバには、前身である千葉市乳牛育成牧場の思想を受け継ぐだけでなく、酪農文化の啓蒙や千葉市の観光振興などへの貢献が求められています。それらの目的を実現させるためには、現代社会に適した新しい観光施設にしなければいけません。

酪農では利益が出しづらいことはわかっていたので、難しいことだとは思いましたが、古来から続く牛とヒトの文化の存続のため、そして、より良い地域づくりのため、このチャレンジには価値があると思い、チカビとしてチャレンジすることに決めました。もちろんチカビは牧場経営や施設運営のプロではありません。でも、だからこそできることがあると考えました。

牧場の価値を現代社会にあわせて更新するためには、さまざまな力が必要です。そこで私たちが考えたのは、まず「デザインの力」。ここでいうデザインは、いわゆるグラフィックデザインなどの見えるものを作るだけでなく、企画、経営、コンセプト、広報、そしてあらゆる制作物のすべてを一貫してデザインする、グランドデザインのことを指します。デザインを強みとするチカビだからこそできることです。

次に、「運営する力・継続する力」です。せっかく良い施設や良い商品を作っても、それが継続できなければ意味がありません。継続は地味で光りの当たりづらい仕事かもしれません。ですが、良いスタッフによる良いサービスの継続こそが千葉ウシノヒロバの顔になります。だから、運営のための「株式会社千葉牧場」という子会社を設立しました。それによって、運営の最適化を図ることができています。
また、株式会社千葉牧場の設立の際には、もともと千葉で観光牧場を営んでいた、「成田ゆめ牧場」さんにもご協力いただきました。設立時に成田ゆめ牧場さんの経験や知識をいかすことで、施設をスムーズに立ち上げることができました。

そして最後に、「開発する力・届ける力」です。ウシノヒロバでは地域を活性化させるための商品開発も進めていきたいと当初から考えていました。そのためには、魅力を伝えるための新しい商品を生み出し、それを流通させる、また別の力が必要になります。そのために、元々のグループ会社であった「LOCAL FACTORY」と協力することにします。
LOCAL FACTORYは千葉県の九十九里にある工場です。過疎化の進む九十九里町、その町を元気にするきっかけを作りたいという想いを込めて、3年ほど前に設立しました。設立からまだ3年のベンチャー企業ではありますが、小さな町のなかで急成長している企業として、町役場のみなさまからも期待していただいています。
このLOCAL FACTORYでは、商品の製造から流通までを担うことができます。それはまさにウシノヒロバに必要な力でした。

このように、グランドデザインは「チカビ」、運営は「千葉牧場」、開発と流通は「LOCAL FACTORY」と、それぞれの強みを最大限発揮できる領域で役割分担をしています。こうして、千葉ウシノヒロバをつくり上げていくチームができあがりました。

あらゆるチャレンジをするために、お互いの強みを活かす

3つの企業の特徴をそれぞれ簡単にご紹介します。

株式会社チカビ
ミッション:「チャレンジで社会の価値を更新する」
ひとりひとりの「やりたい」を大切に、あらゆる創造力を駆使し、人や組織のチャレンジを応援する会社です。主に、ビジネスデザイン、UXデザイン、グラフィックデザイン、コンセプト設計、PR等、デザインを軸とした業務を行っています。

株式会社千葉牧場
ミッション:「日常と非日常の間に余白を創り出す」
日常とは少し違うけど、非日常にすぎない、何かきっかけを与えられるような場所づくりを提供します。主に、千葉ウシノヒロバの運営や千葉地方創生、その他コミュニティデザインに関する業務を行っています。

LOCAL FACTORY
ミッション:「産物」を「名産」に
過疎化の進む九十九里町を少しでも元気にしたいという想いから誕生した新しい形の工場。経営、ブランディング、製造、流通など、幅広く手がけることができるので、農家さん、イワシ業者さん、ホテル業者さん、商工会の方々など、さまざまな方にご相談に来ていただいてます。

この3社で、お互いのミッションをお互いが理解し、強みを活かしながら、同じ目標の実現のために何ができるのか。それぞれが考え、まずはやってみる、そして改善していく、を繰り返しています。

各専門が連携することで生まれるもの

ここでひとつ、具体的なアウトプットについてご紹介します。

千葉ウシノヒロバでも販売をしている「満ぷく神漬(まんぷくじんづけ)」。カレーのおともにするだけでなく、ごはんに合う、そして単体でもおつまみのように楽しめる、新しいタイプの福神漬けです。7種の野菜を漬け込んだことを七福神になぞらえて作りました。
この商品は千葉ウシノヒロバのオリジナル商品で、チカビ・千葉牧場・LOCAL FACTORYの3社の力を合わせて生みだしたものです。

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オリジナル商品の開発のために、まずは、福神漬けの持つ歴史や文化を紐解きました。調査を実施し、福神漬けと地域の文化との共通項を見出すことで、商品を支えるストーリーをつくり上げました。パッケージデザインも、ウシノヒロバの世界観に合わせて、温かく穏やかな気持ちになってもらえるようなパッケージとなっています。

3社の役割としては、千葉牧場の農園チームが育てた野菜を具材にし、商品の流通部門をLOCAL FACTORYが担当し、そして、商品のコンセプト設計やパッケージデザインをチカビが行いました。

ただ商品を開発するだけではなく、ウシノヒロバだからこそできるストーリーを生み出したい。この3社だからこそできることをしたい。3社それぞれのミッションを大切にしつつ、ひとつの同じ目標に向かうことで、牧場の価値を更新し、現代社会に適した施設を実現できると思っています。

オープンから1年、やりたいこと、やるべきことはまだまだ数え切れないくらいにあります。牛・人・自然が穏やかに交差する場所を目指して、これからも3社でチャレンジを続けていきたいと思います。

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牛が暮らすキャンプ場「千葉ウシノヒロバ」のホームページはこちら。
宿泊の予約のほかに、オンラインショップではオリジナル商品などを購入することもできます。
・ホームページ
https://ushinohiroba.com
・オンラインショップ
https://shop.ushinohiroba.com

SNSではウシノヒロバの様子や、イベントのお知らせなどを発信しています。ぜひご覧ください。
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・Twitter
https://twitter.com/ushinohiroba

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(執筆:中野綾子、編集:山本 文弥)