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私をつくる7冊

ずいぶん前に友人から受け取った#7daysbookcoverchallenge
手元に置いておくほどに心惹かれる本を紹介するには、想いがのっかりすぎてSNSでライトに投稿するのは難しい…云々考えていたら、2ヶ月近く経ってしまいました 笑
性格上、7日間コツコツ投稿できそうにないのでnoteで一気出し。


1.『王国』シリーズ  よしもとばなな 著

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目に見えない「大きなもの」に包まれ、守られて生きる女の子の物語。
薬草茶づくりの名手であるおばあちゃんと、小さな山小屋に暮らす女の子・雫石(しずくいし)。心豊な生活を営む2人だったが、雫石が18歳になったとき、ふもとでの開発が原因で、山を降りることを余儀なくされる。「いつでも人々を助けなさい。憎しみは、無差別に雫石の細胞までも傷つけてしまう」というおばあちゃんの助言を胸に、山を降りた雫石は、不思議な力をもつ占い師・楓(かえで)のもとでアシスタントとして働くことになるが…。

この本は私にとって、今の暮らしの原点になった本。20歳の私は、モデルの仕事と学生生活の忙しさにかまけて、大好きだった彼を大切にできずに振られてしまい、その上仕事でも挫折してズタボロ…
人生に挫けて、なんにも無くなってしまったと思っていた私が、家族や環境、そして自分自身によって、20年間自分の内側に育まれていた大切なことに気づき、それをひとつずつ、すくいあげていくきっかけをくれた本です。


2. 『フランスの布  〜 アンティークプリント1946−1959 〜』

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古今東西のテキスタイルが大好きです。中でも日本の型染めや海外の古いプリントものには本当にときめく。手作業のちょっとしたズレや、作り手や職人さんが忍ばせたお茶目なデザイン。思いがけない色づかい、手作業ならではの温かみ。この本に登場するテキスタイルの全てを手にとってハグしたい気持ちになります。何度みかえしても、ときめきをもらえる一冊です。


3.『真っ白でいるよりも』  谷川俊太郎 著

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早く大人になりたかった子供時代を通り過ぎ、いつまでも少女ではいられないことに気がついてしまったとき、私はその事実をしばらく受け入れられませんでした。清廉潔白で、汚れることもざらつくこともない、そういう場所にいたかった。大人になるということは、鈍くなること、汚れること、染まること、そういうことだと思っていました。けれど、『真っ白でいるよりも』で最後に、「真っ白でいるよりも きらいな花の色になるほうがまし でしょ?」と問いかけられたとき、何も知らずに真っ白でいるよりも、きらいな色とも混ざり合って、それでもあらがいながら、許しながら、たくさんの感情に出会って、なんとか自分の色を作っていこうじゃないかと思えたのでした。


4.『JAPONISMES JAPON』

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2019年1月に、パリの装飾美術館で開催されたジャポニスム展の図録。
日本画や着物のデザインの構図の大胆さや、線が繊細かつ潔いところ、色合わせの面白さなどが大好き。どのデザインも個性的で、現代においても新鮮に感じます。そんな独特のジャポニスム文化を、海外の人々の視点で編集された展覧会として観ることができたのは本当に面白かった!ジャポニスムに影響を受けた海外の作家たちの作品も同時に展示されていたので、「なるほどそう捉えますか!」「そこに着目するとは!」など、日本人の私も新しい発見がたくさんありました。


5.『Lunch Lady Magazine』

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旅先では、雑誌と絵本を買うようにしている。こちらはロンドンのテートモダンでみつけた雑誌。装丁から中ページから、全てが可愛いんだようぅ!表紙はツヤのある厚紙で表面はちょっと凹凸が。中ページは藁半紙みたいな質感のページやトレース紙など、毎ページめくるのが楽しい。これぞ雑誌の醍醐味だよなぁ。あらゆるものがオンライン化して、お洒落な情報はSNSで入手できる世の中だけれども、やっぱり私は、紙が好きで、雑誌が好き。


6.『Plant-based Tokyo』

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東京+湘南エリアのベジガイド本。
東京には数多の飲食店があるものの、私はよくランチ難民になります。身体がほっとする食べ物が食べたい。野菜が中心で、主食はお米がいい…。そう考えたとき、選択肢が意外と少ないことに気がつく。だから、いつも仕事でお世話になっているカメラマンの濱津和貴さん からこの本が出ることを聞いて、「そういうの、待っていたんですー!!」と思わず飛び跳ねました。海外のご友人の中にはヴィーガンやベジタリアンの方もいらっしゃるので、日本に遊びに来た際に、どこのお店を案内すればいいか困ってしまった、という経験もされた和貴さん。和貴さんの写真は、時間や光や、匂いまで写しているので、眺めるだけでも五感が満たされる本です。


7.『愛するということ』『生きるということ』  エーリッヒ・フロム 著

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大学生の頃、家政学部だった私は、家政学原論という授業で半年間「生活とは」「家族とは」というようなことを学びました。それまで「生活」という言葉にピンときていなかった私。生きていれば自然と生活はついてくるものだと思っていました。しかし「生活をする」ということは、自分や生活を共にする家族が、より幸せに生きるための積極的な行為だと学んだ時、私は今まで「生活」をしていなかった、もしくは家族に預けていたのだと、気がつきました。この本は、その授業で私に「生活」について考えるきっかけを与えてくれた教授が勧めてくれた本です。「持つこと」と「あること」の違いについてや、「愛は技術である」など、初版がそれぞれ1991年と1977年であるにもかかわらず、今でも、そして読むたびに、発見があり、自分に奥行きがうまれる本です。


私をつくる7冊、いかがでしたでしたか?
皆さまのお気に入りの本も教えてくださると嬉しいです。
梅雨が長引いていますが、本を片手に、おうち時間を楽しみましょう〜!




下道 千晶(モデル / 染色作家)
Instagram : @chiaki__sh
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