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これが君にとって何だっていうの?

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滋賀県で歌を唄ってる女が、音楽とは関係あったりなかったりすることを書くだけのエッセイ。読む人には何ら益をもたらしませんが、益がなさすぎて救われることもあるかもしれません。 ヨシ…
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2019年7月の記事一覧

現役自宅警備員、大いに語る

私の曲ではない。 林愛果さんというシンガーソングライターの『自宅警備員、コンビニに行く』という曲である。原曲はこんなに不貞腐れてはいないし、彼女の妖精のような歌声と、硝子細工のような世界にはぜひ触れて頂きたいのだが、それはそれとして。 自宅警備員とは、一日中家にこもって何もしないことを自虐的に「自宅警備をしている」と表現するネットスラングである。 高校をほとんど通わずに中退して、二十三歳でアルバイトができるようになるまで、ひきこもりだった。毎日を無為に過ごして、朝方に寝

およそ正気ではないけれど

一年ほどライブ活動をしていなかった期間がある。 もともと自身の活動の方向性を見失っていたこと、転職したことで身体がまったくついていかなくなったことなどがあり、すっかり音楽への情熱を失ってしまったのだ。 休止中も知人のライブには顔を出したりはしていたが、次第に足が遠のいてしまった。顔を合わせると二言目には「いつになったら復帰するのか」という話だからである。 気にかけてもらえるだけありがたいと思うべきかもしれないが、自分の中でそれでいいと思っていることを、他人にあれこれとい

「明けない夜はない」といえるのは、朝を迎えた奴だけだ

更新間隔があきすぎるのである。 何も書くことがなかった、というより、もはや人としての形を成していなかった、といったほうが正しい。 前回の記事から約一年間仕事は続けたが、心身の状態は悪化していく一方で、謎の皮膚炎や咳に悩まされ続け、これはもう限界だと辞した。 ライブ活動を停止したときにしろ、仕事を辞めるときにしろ、周囲は心配するふりをして、自身に置き換えた不安をぶつけてきた。 いわく、ライブの感覚を忘れてしまいそうだとか、仕事もせず家に籠もっていては余計にこじらせるので