構図解釈

ミルキクさんお題のこちらのVTSには乗り遅れたので、簡単な構図の解釈のみしてみる。

主題の構図

大きな構図は、三角形を中央に置く、静的な構図になっており、人物が動かないことを表している。

このことから、この人物は動かない、寝ているか死んでいるかのようだ。

画面全体の構図

画面上部は丸くなっているなっており、カプセルに入っているようなイメージ。

上画像の右は、試しに上部の隅を黒く塗ったものだ。
見比べてみると、左側は包まれているような安心感があるのがわかると思う。個人的にはすごく墓標的だと感じた。

これらは、作者の「安らかに眠れ」的なメッセージがあるように思われる。

色の構図

大雑把に色で分けるとこのようになる。

赤毛の髪は、左真ん中ではあるが、下の方へ向かっているので、赤茶の手紙箱と合わせ、左下を赤くした。

こう見てみると、左右対称になっている。これもまた、静的なイメージを強調している。

目立つのは中央の青の部分。一見このシーンには不似合いのように思える原色の青は、瑞々しい印象を持っている。死体がまだ生気を失っていないことをイメージしているようだ。

黒い部分を見ると、上が重く下に向かっている逆三角形になっている。これは下の方へ視線を誘導しようとしているようだ。

そして、その頂点に手があるのは、もちろん偶然ではない。

静的な構図の破壊

いままで、静的な構図であることを説明してきたが、ここで右腕がそれらの構図を破壊しようとしていることに気づく。

この垂れ下がった右腕は、下向きに弧を描いている。
円・円弧は動的なイメージを持つので、この短い弧は、下へ向かう動きの始まりのように見える。今後、完全に死んでしまうと、このベッドからずり落ちてしまうことを暗示させる。つまり、肉体的にはまだ死んでない状態のようだ。(死後硬直とかその辺の話は抜きにして)

総括

全体的に見れば静的なイメージだが、青の瑞々しさや手の動きなどから、完全な停止状態ではなく、若干の動きが備わっているため、終わりの始まり的なシーンに見える。

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