(68/100) 日本型組織の病を考える

1年で本を100冊読みます。

本書は、郵便不正事件で冤罪に巻き込まれた筆者の経験を通して、「なぜ組織ぐるみの事件は起きるのか?」という点を論じています。

筆者の結論は、以下の3点でした。
・間違いを認めない
・プライドが高い
・同質性が極めて高い

隠蔽、ハラスメント、改竄、収賄など、自分が想像していた内容より根深いものでした。これらは、程度の差はあれど、どこの組織にも存在する病なんじゃないかと思います。多くの、さらに権力のある人々に徒党を組まれてしまうと、もはや個人ではどうすることもできなくなってしまうと思います。

筆者である村木さんの考え方でいいなあと思うのは、「どうしていこうか?」という前向きなところです。これまであらゆる場面で露呈してきた日本型組織の病に対し、怒りを覚えるだけではなく、これからどうしていくべきなのか?というところに焦点を当てている姿が印象的でした。それから、自分のできることを、地道に粘り強くおこなう姿にも好感を覚えました。

昨今、SNSを介し、人々の不満や批判が可視化されやすい世の中になっています。ただ、不満や批判だけでは現状は変えられません。そのことを肝に命じ、「じゃあ、できることは何か?」と自分に問いただし、それを継続的におこなっていく。そういった地味で、時に味気ない日々の継続こそが、大きな問題に立ち向かうチャンスを与えてくれるのではないでしょうか?

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