チェス界の藤井聡太を紹介

(youtubeで流した動画の台本をそのままこちらに載せています。)

こんにちはチェス講師上原慎平です。
まず、この画像をご覧ください。

チェスのネット対局ですが、注目すべきはこの部分。

上がチェス界の藤井聡太16歳イランの天才 アリレザ・フィロージャ
下が現、世界チャンピオン　パーフェクトプレイヤー マグヌスカールセン

書いてある103 1/2と90 1/2はですね。
チェスはですね　勝ったら1ポイント　負けたら0ポイント　引き分けだと1/2ポイント
上に書いてあるフィロージャが194戦の内103 1/2ポイント取った。ということです。これだけ見ると、ん？？っと思う人もいるでしょう。これはですね1分の切れ負けのゲーム　全部で2分で終わってしまうゲームを延々と5時間していたんですね。でもその中で103.5ポイントということは現世界チャンピオンに勝ち越しているということです。

世界チャンピオンのカールセンが落ち目じゃないのかと思うかもしれませんが、

現在29歳、22歳の2013年に世界チャンピオンになり防衛すること3回
序盤、中盤、終盤隙がなく、不利な局面なはずだったのにいつの間にか逆転しているという。しかも、2019年8月に世界記録レーティング2882自己タイと全く衰えることのない超人です。

この先の動画は25戦目からスタート、最初の4戦こそカールセンが先行していましたが、そこからはフィロージャが4時間半リードし続けて一度もイーブンにさせなかったという圧倒っぷりです。この天才がどんな経歴かきになるでしょう？少し話します。

Alireza Firouzja アリレザ・フィロージャ　16歳
チェス国籍イラン→FIDEあとで話します。

12歳イラン選手権で優勝(イランチャンピオン) 14歳8ヵ月でグランドマスター、16歳1か月で2700達成しました。GMが多くなりすぎてしまったため2700以上のプレイヤーをスーパーGMと呼ばれます。スーパーGMの記録はWei Yi(ウェイ イー)に次ぐ2番手です。

現在2020年4月更新のレーティング2728は、イラン人1位のプレイヤーであり、世界では21位 U16の第1位の選手です。2003年6月18日イランのマーザンダラーン州バボルで生まれ8歳でチェスを始めたそうです。

2015年のアジア青年チェス選手権のU12セクションで優勝ました。
翌年の2016年にイランのチェス選手権で優勝、その年にIMの称号を授与されました。日本にはスーパーGM、GMはおらず、IMが2人いるという現状なのでどれほどすごいかというのがわかります。

2018年15歳の時、ロシアで行われたアエロフロートオープンに参加しました。格上のGMしか対戦相手にいないなか9戦2勝2敗5引分け、しかも大会スタート順位2位と3位とも対戦してこの順位なので驚異的です。2018年4月にGMタイトルを授与されました。

そんなフィロージャがなぜ国籍イランではなくFIDE、国際チェス連盟で登録されているかというと、2019年の4月ドイツで行われたグレンケチェスクラシックで3RイスラエルのFIDEマスターとの対局を棄権。
同年12月 世界快速選手権でイランがイスラエルの選手と対局させてたくないがためにイランの選手を辞退させました。その時にもフィロージャはプレーする予定であったためイランのチェス国籍を放棄しFIDE(国際チェス連盟)の下プレーするとしました。結果、並み居る強豪を倒し、カールセンの優勝のフィロージャ準優勝、皮肉にもイラン人で表彰台に立つのは初めてのことでした。

私にも同じような経験があります。
過去に横浜で行われたオープン大会でスタッフをしていました。幾人かのマスターを招待して対局していたのですが、ある選手が審判に申請していたんですね。どこだかは忘れたのですが、この国のプレイヤーとは対戦しないように組み合わせ表を作ってくれと。その国と戦争状態にあり、対戦することになり勝てばいいが、もし負けてしまったら命が危なくなるということを聞きました。国と国の戦いのはずなのに1競技1プレイヤーが巻き込まれることもあるのだなと驚いた記憶があります。

話を戻してフィジャーロですが、とにかく早指しが強い。
先日行われたlichessさん大御所対局サイトのトーナメントでもカールセン2位のフィジャーロ1位。将来世界チャンピオンになる有望な一人です。

残念ながら今回の世界チャンピオン挑戦権を決めるトーナメントには参加していないので、4年後、いや2年後の世界チャンピオン戦で彼の姿が見れるのを楽しみにしています。藤井聡太先生も竜王戦や名人戦などのタイトル戦への挑戦近い未来のことでしょう。応援して見ています。

本日はここまでとします。
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それでは失礼します。