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Uri Avner作品集を読んでみる 1-4

これまでの3作とは異なり、パターンに注目する必要がある作品です。


55番

Israel Ring Tourney 1992-3 Special Prize

#2

1...Ke3 2.Qxf3#
1...Kd5 2.Qxe6#

まずは以上のset playを見ておこう。そして作意は…

1.Sc6! (2.Qd4#)
1...Ke3 2.Qxe6#
1...Kd5 2.Qxf3#

1...Sb3 2.Qxe6#


解答するだけなら何の変哲もない易しい作品だが、set playを含めて鑑賞してみると面白いテーマが見えてくる。
黒の2つの受け(1...Ke3と1...Kd5)と、これに対する白の手(2.Qxe6と2.Qxf3)にご注目。それぞれの受けに対するメイトの手が、set playと作意で入れ替わっているのだ。このテーマを、専門用語でReciprocal changeと呼ぶ。本作のようなsetと作意に限らず、tryと作意でのchangeなど様々な表現が可能である。

パターンを分かりやすくするために作意を書き直したのが以下。

1...Ke3(a) 2.Qxf3#(A)
1...Kd5(b) 2.Qxe6#(B)

1.Sc6! (2.Qd4#)
1...Ke3(a) 2.Qxe6#(B)
1...Kd5(b) 2.Qxf3#(A)
1...Sb3 2.Qxe6#

3つのpinを用いてテーマを綺麗に表現していて、パターンプレイも悪くないなと思わせてくれるような作品。



※こういう作品の鑑賞が苦手で、ちょっと逃げの解説になってしまいました。反省です。

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