2020年自作ベスト5

早いもので今年ももう12月ですね。今年の自分の発表作からベスト5をランキング形式で選んで書きました。ただし、将棋プルーフゲーム、チェスプロブレムなどはランキングに含めないことにしました。また、結果稿がまだ出ていない作品は作意や解説を先に書いていいのか分からないため、既に結果稿が出ている作品に限っています。


第5位

『ンマフシ』スマホ詰パラ No.14644  2020/4/14

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66飛、56と、65飛、同と、44馬まで5手。

少し前から詰将棋界ではSchiffmannが流行していますが、どうしても似たような展開になるので最近は見飽きた印象がありました。そこでSchiffmann関連の新しいネタとして作ったのがこの作品で、先手後手を入れ替えてSchiffmannをやったという主張です。詳しい解説はスマホ詰パラでご覧ください。

参考図

Twitter  2020/4/14

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37龍、47合/55玉、46龍/57龍まで3手。

こちらは逆Schiffmann+逆Pelleを最短の3手でやったというもの。ここまでくると詰将棋と言えるのかよく分かりませんが、他に作る人もいないので一応作りました。


第4位

詰パラ 2020年8月号

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14角、25銀合、36銀、同銀、45龍、同龍、57金まで7手。

現代の短編はやけに緊密な手順にこだわるところがあります。私も普段はそういう作品を作るタイプなのですが、この作品ではあんまり頑張らないことを目標にしました。つまり、Pelle move自体は5手(玉方なら3手)で完結できるところをあえて7手にすることで、手順・盤面にゆとりが生まれるのでは?という発想です。本作ではそのゆとりの部分に大駒捨てを2回入れることが出来たので、なんとか作品になったようです。

有吉弘敏ー盤面8枚で実現しているところが価値。


第3位

詰パラ 2020年9月号

協力自玉詰6手 b)67桂→66

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a)54飛、同馬、19角、28飛合、55桂、68飛成まで6手。

b)97角、同馬、14飛、24角合、54桂、68角成まで6手。

(合駒の品切れに基づく捨駒+最遠打+Schiffmann)のツインで、Zilahiにもなっています。全体に対照性があってまずまずでしょうか。フェアリーランドは本作で初登場でしたが、協力自玉は他のルールよりも論理的に作れるので、伝統ルールを作る時と本質はあまり変わらないように感じました。

駒井信久ー最遠打最遠中合の見事なツイン。

藤沢秀紀ー手順を並べて書くと美しさがより際立つ。


第2位

詰将棋メーカー2021年10月20日 (Twitter 2020/4/20)

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Try 57金?/67金?、25合、33歩成、64香合!/24角合!

33歩成、64香合/24角合、67金/57金まで3手。

私の作った中でもなかなかの異端児と思われるのが本作。34歩と58金を動かす順番が鍵になっています。全体像を書き表すと、

Try 1. a?/b? z
2. c x!/y!

1. c x/y
2. b!/a!

という構成です。実は、これは完全なオリジナルというわけではなく、チェスプロブレムのpattern playの構成の真似をしています。

本作の発表後に、33歩成、64香合の順で同飛、同飛、67金までがあるのではという指摘をいただきました。この最終手余詰は罪が重いので、どうにか直したいところですね。しかしそれを分かっていても2位にしたくなるくらいには、作者お気に入りの一作なのです。


第1位

プロパラ89号 January-March  2020

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b)持駒金桂

a)37香、同馬、45龍、同桂、34金、36玉、14馬まで7手。

b)47桂、同と、45馬、同桂、25金、36玉、32龍まで7手。

これまたツインです。もともとは3手の2解だったのですが、手順の真ん中を付け加えて7手のツインにしました。こういうのって逆算とも正算とも違いますけど、名称はあるのでしょうか?間算とでも呼びましょうかね。創作のときに苦労したのは、手を伸ばす時に、2解でそれぞれ別の手を間算する必要があるというところです。2手順の間算をやったことがあるという人がもしいらっしゃれば分かると思いますが、これはめちゃくちゃ難しいのです。本作は偶然にも、盤上9枚で綺麗に纏ってくれました。

黒川智記ー無駄駒なく自然な対比が良い。

若島正ープロブレム式に言えばZilahi+ODT。対照性を完璧に押さえた作り。


最後まで読んでいただきありがとうございました。コメントいただけると嬉しいです。改めて見返すと、2019年のほうが良い作品を作っていた印象がありますが、気のせいだと信じたいですね。
2021年も気楽に頑張ります!

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