Try,everybody! Orthodox06

分かった風に解説を書いてますが、Orthodoxはほとんど無知なので、間違ってたら教えてくださいね。

【Try, everybody! 33-2】

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トライが3つありますが、とりあえず前提から考えましょう。本作は、白の初手を省いて黒から指し始めたときに何を動かしても白が1手でメイトに出来るという、いわゆる complete block タイプの問題です。

この手の作品には作意のパターンが2つあります。1つ目は、白が Tempo move をすることで手番を黒に渡し、1手メイトを得るというパターン。そしてもう1つは、白が盤上の均衡を崩すkey moveを指し、set playと作意で手が変化することを楽しむ changed mate 系のパターンです。

本作は1919年という時代からも類推できますが、前者のパターンです。ここまでの予備知識と紛れが3つであることをふまえて、keyを考えれば正解に辿り着けます。

1.Ka2? but 1...Rh2!
1.Ka3? but 1...Bf8!
1.Kc3? but 1...Rxc6!
1.Ka4! zz
1...Rg6/Rf7/Rh2/Rg3/h4/Bg5/Bg7
2.Qf5/Qd6/Bg3/Bxg3/Rg4/Qxg5/Qg5#

高坂:tryはいずれも白駒をpinすることで逃れます。やはり直接チェックで逃れるより、こちらの方が奥ゆかしいですね。


【Try, everybody! 51】

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wSe2での開き王手が見えている形ですが、いきなり1.S〜+ みたいな手では詰みません。d5に何も利いていないのでSc3と飛ぶ最終手は見えますが、Be1のラインを切ってしまうのでダメ。Sf4とこちらに飛びたいところです。f4地点にはwRがいるので、これを先に動かしておくのがkeyになります。ただし、1.Rh4?や1.Re4?は1...Bh5!で逃れるところに注意。

1.Rg4(2.Sf4#)
1...exd4+/Sxd4/Qxd4/Rxd4
2.Sg3/Sc3/Sb6/Qxf7#

高坂:初手Rg4は、2.Sf4#をthreatに持つkey move。黒は白Pd4を取ることでこれを受けようとするが、いずれもself-pinになってしまう。このような受けをSchiffmann Defenceと呼ぶ。


この Schiffmann Defence を詰将棋に持ち込むとどうなるかと思って、2年前に作ったのがこの図。

【参考図】

自作 2019年5月 Twitter

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15飛、45合/45と/45角、66x銀/37角/67桂まで3手。

初手15飛が45打合には66銀まで駒余りの詰みを狙った手。玉方は45とまたは45角と移動合して逃げ道を開けるしかないのだが、移動合した駒がピンされるため37角/67桂を取り返す(合駒する)ことが出来ず詰みとなる。

意味を理解し誤っていなければ、これでSchiffmann Defenceになっているはずただ、初手67桂が指せるのに37角は指せないのが弱いところ。もっと上手く作れれば面白くなる気がするので、皆さん試してみてください。

【余談】

詰将棋界ではSchiffmannが流行していますが、チェスプロブレムにおけるSchiffmannというのはちょっと話が違う感じがします。私もあまり分かっていませんが。詳しい方はぜひ教えてください。


今回はここまで。また詰将棋の記事も書きます。

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