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Zivko Janevski - Selected Helpmates 08

今回の3作でいうと、私の好みは54番です。皆さんはどうですか?

47番

Fadil Abdurahmanovicと共作
1st Prize Mat 1987 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)

H#2 4solutions

1.Qd5 Bc2 2.Sxd6 Bd3#
1.Bd7 c7 2.Bb5 d7# 
1.b5 Kf2 2.Rxd6 Kxf3#
1.Bd5 Bxd5 2.Qxd6 Bxf3#

対照性というよりも難しいtaskをこなすというところに重点をおいた作品。そのtaskとは、triple pin-mateの詰上りを4種類作るというものである。重要なのはこの難taskをどうやって実現しているのかというところだが、これはちょっと複雑なので構造を書いておこう。
初形で盤上にbatteryが1つ、pinされている駒が3個(Q、R、S)ある。まず4解のうちの3解においては、Q、R、Sがそれぞれd6でPを取ってここで新たなpinを構築、代わりに白が新たなbatteryを築いてのメイト。最後の解は少し変わっていて、元の3つのpinが全て維持されたまま、初めからあるbatteryを開いてトリプルピンメイトとなる。

JanevskiとAbdurahmanovicの共作。流石の剛腕で悪くない。


54番

1st Commendation Springaren 1988 (FIDE ALBUM Annex 1986-88収録作)

H#2 4solutions

1.Sd3 exd3 2.Rf5 d4#
1.Sh4 exf3 2.Sf5 f4#
1.Bf4 e3 2.Bf5 exf4#
1.Bxc5 e4 2.Kd6 e5#

Albinoが出てくるのは初形から想像に難くないだろう。本作の面白いのは白の2手目でもう1回Pを動かして詰むところである。まさに進化版Albinoという感じで、Extended Albinoと呼ばれるテーマだ。Helpmateでの実現はほとんど無いのではないだろうか。databaseでは1つも見つからなかった。白の2手目にf4着手が2回あるのが気になると言えば気になるので、3解目の最終手をe4に出来ればさらに良いが、これはほとんど無理な注文である。

56番

Fadil Abdurahmanovicと共作
4th Prize Shakhmatna MIsl 1988 (FIDE ALBUM 1986-88収録作)

H#2 4solutions

1.Bg2 Rf4+ 2.Kh3 Re3#
1.Sf4 Rg5+ 2.Kf3 Bg2#
1.Qg5 Bh3+ 2.Kh5 Rh8#
1.Sf6 Re4+ 2.Kf5 Bh3#

先に白の駒のライン上に着手し、2手目にKが移動することでself-pinする、所謂anticipatory self-pinが4通りも出てくるというtask。star-flight

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