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Zivko Janevski - Selected Helpmates 05

Zivko JanevskiはFIDE ALBUMのPoint獲得ランキング歴代4位の創作グランドマスター(GM)。自分もいつか1作くらい載ってみたいものです。


32番

1st Prize Ryazanskiy Komsomoletz 1983 (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 2solutions

1.Re7 Bd4 2.Rb7+ Rg5#
1.Sd3 Rg5 2.Sc5+ Bd4# 

batteryと黒Kの間に黒の駒が1枚挟まっており、さらにbatteryのfront pieceはpinされているという形。1手ずつ解析していこう。まず黒の初手はfront pieceのunpinだ。続く白はもう1枚のfront pieceをunpinしつつ黒の駒をpinする手になっている。黒の2手目は限定移動。その意味付けはbatteryのrear pieceを守るため。最後に白がbatteryを開いてのcross checkで念願のpin-mateとなる。分析して書いてみたが、これはそれほど意味のないことだと思う。手の感触や2解の関係性を味わいたい。

前回紹介した作品で、白の手がexchange of movesになっているのが弱いと書いた。しかし、本作の場合は特に気にならない。それがなぜなのか説明したいのだけれど、感覚の問題としか言いようがないのかもしれない。


33番

1st Prize The Problemist 1983 Version (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 2solutions

1.Be5 Bf2 2.Sd6 Sc3#
1.Rb3 Bg3 2.Rc5 Se3#

3枚の線駒が黒Kを睨んでおり、特にd-fileはhalf-pinになっている。黒は初手にそのhalf-pinから1枚抜いてpinにする代わりに異なるラインでhalf-pinを作り、2手目で新しいhalf-pinから1枚抜いてpinの形にする。最後にSを跳ねると、3つのピースがpinされていることにより詰み。いわゆるtriple pin-mateとなる。

3つのpinがある必然性、triple pin-mateである必然性を示す手順になっているところを評価したい。ただのpinの足し算ではないのだ。盤上15枚なので駒数自体はさほど少なくないが、余詰消しらしき駒がPh4だけしかなく、初形の美しさに溜息が出る。


37番

Special Prize Mat 1984 (FIDE ALBUM 1983-85収録作)

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H#2 b)Pc3→b6  c)Pg6→d6  d)Pc4→f6

a) 1.e6 e4 2.Kf6 Raxe6#
b) 1.Kd6 e3 2.e5 Rxb6#
c) 1.Kd4 exd3 2.exd6 Rxd6#
d) 1.Kf4 exf3 2.exf6 Rxf6#

黒はKのStar-flightに加えてPickaninny(黒Pによる4箇所移動のこと)、白はAlbinoという合わせ技。同じRで仕留めるのも良い感じ。


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