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ベトナムだけでなく、駐妻になったら気持ちの変化に気をつけよう

◆駐妻と呼ばれる立場になった

駐妻、と呼ばれる際には、いろんなニュアンスが含まれる気がするのですが、私はまぁお気楽なものです。ただそうなるまでに、これでも一応の葛藤はありました。

同じように、思うところがある方も多いと思うのですが、なかなか人に話せないこともありますよね。ただ、諸々悩まれるのはご自身だけじゃないという事を知ってほしい。

そこで、自分が経験してきたこと、見聞きしたことをなどを集めて見ました。大変さは人それぞれだし、解決策も一つではないのですが、気持ちの上での大変さは体の健康にもつながることなので大変重要。少しでもお悩みを軽くしてもらえれば。

ところで、どんなことが大変なの?という話ですが…?

◆駐妻が大変に思うこと

== キャリアを手放したことへの喪失感 ==
帯同により、お仕事を手放さなければならなくなったケース、ありますよね。私もでした。私もすごく小さな個人ビジネスでしたが、それでも手放すのをグズってました。グズりすぎて、最初の一年は旦那さんに単身赴任でベトナムに行ってもらうつもりにしてましたから。

その後、ベトナムを訪れるにつれてベトナムでの生活に圧倒的な魅力を感じ、自分で決断して帯同を決めたのですが…。

自分で決めたにも関わらず、当初はウジウジしてましたね。それが自分にチョイスが無いまま、帯同するしかなかった方の場合はなおさらだろうとお察しします。

もちろん旦那様にも日本に留まるチョイスはなかったケースが多く、さらに生活に慣れる前からビジネスを回さなければならないので、奥様がだけが負う負担ではないのですが、大変は大変。うん。

➡︎➡︎➡︎ 私の場合は、それを埋める何か自分が夢中になれるものを探す、ということで解決しました。まぁ食べて書いてるだけなんですが…。

暇を楽しめないなら、自分にマイナスになる間を与えない=夢中になれるものを探す、が一つの解決策になるのでは?と思ってたりします。

取っ掛かりとして有用だなーと思うのは、語学の勉強(ベトナム語や英語)。これができるようになると一気に世界が広がるので、かなり有益。あとはスポーツ関係のサークルとか。

ホーチミンは美味しいものが多いので、週3回は何か美味しそうなランチを探して出かけてみるなども、街を知るきっかけになるので(おおっ、これは良い口実っ)良いかもしれません。なんにしても自分が楽しめることを探すのが有効かな、と思います。

それはキャリアには直結しないかもしれませんが、帯同という選択をした以上は、できれば楽しく日々を過ごし、体も心も健康に過ごすのは大事なことだと思うのです。


== 人間関係の喪失 ==
いきなり知り合いもいない国にやってくると、特に最初は完全孤立状態に。私も当初半年間くらいはほとんど一人で動いていました。

お子さんの学校があったり強制的に何かの日本人会に入会すれば、挨拶を交わす程度の人はできるでしょうが、いきなり心を深く許せる人が都合よく現れてくれるわけではありません。

しかもそれが仲の良かった友人や、気軽に行き来できるご実家との別れの直後だと、さらに孤独感がつのるかと。

幸い最近は、安く、または無料で顔を見ながら通話をできる手段があるので、多少楽かもしれません。それらをか通用するためにも、最低限の装備は持っていたいもの。

➡︎➡︎➡︎ ちゃんとしたものが買える街に住む場合は良いのですが、ベトナムではスマートフォンやタブレットを買うことはできても、確実に正規品である、という保証はありませんし、慣れてない時は特に購入が難しいと思うので、通信機器は渡航前に準備される事をお勧めします。

今時スマートフォンを持っていない人なんていないであろう、という自分の考えが間違っていたことは度々思い知らされているので念のためにご提案。

コミュニケーションのためだけでなく、今回のコロナ騒動の時もそうでしたが、海外で情報を十分に撮れる環境を持たない、という選択肢はないと思っています。その際、スマートフォンやタブレットは有用なはずです。


== 生活物資の調達が大変 ==

食材から日常雑貨まで、調達事情が日本とは大きく異なるベトナム。これは慣れれば、最近はかなり便利になってきているどころか、日本で生活するよりよほど便利な場面が多々あるのですが…

まず情報収拾が大変ですよね。
そして買いたいものが見つかっても、日本とは質も違う。良いものもたくさんあるのですが、「使いたいものが使いたいように使えない」というのは大変なストレス。

➡︎➡︎➡︎ この辺はお友達が増えてくると情報が入ってくるかと思いますが、当面必要であれば、私にも聞いてみてください。全ての事にお答えできるかはわかりませんが、ナンボか、お役に立てることがあるかもしれません。知ると、相当便利なものもかなりあります。(なんならもう日本に帰れないと思うほどに…)


== 家族の性格が変わる? ==

自分が感じるストレスがあるように、ご家族にも環境の変化によるストレスはかかっているはずです。その結果、性格が激変したように感じられるケースも多々あるご様子。

ご自身にも変化はあるかと思うのですが、家族の性格が激変して対応に戸惑っているという話も結構よく聞きます。

海外生活を始めた当初は、誰でも「変化があるのが当たり前」と捉えるのが私は普通だろうと思うのですが、そう捉えず、「なんで変わってしまったのか?」と考え始めると大変。

➡︎➡︎➡︎ そこを追求したり改善するのはプロのお仕事なんです。本来なら当人にカンセリングを受けてもらうのが一番ですが、そもそも日本人は「カウンセリングを受ける」という文化が薄い。ましてや海外ともなると、相談しようにも候補が少ない。でもまずは…

諸々の要因により、海外生活では性格が変わって見えることがある事を知りましょう。自分の受け取り方が違っていることもありますしね。なので、ここでは本当に変わってしまった、と諦めるのではなく、一時的に変わって「見えている」だけのことも多いので、そのこともご留意を。


== ネガティブ感情に苛まれる ==
VISAの関係で働きたくても働けない、また家以外の世界が狭められることにより、ご自身のライフスタイルに納得がいっていない状態だと、何かにつけて(自分に落ち度があるのでは?)と思ってしまうケースが散見されます。

同じように、不満の向けどころを見つけるために、怒るための理由を探した結果、自分以外が一方的に悪いと決めつけて攻撃的になるのも。

しかし大事な家族や友人に対して攻撃的になってしまった時、ダメージを受けるのは相手だけじゃなく、自分も同時に攻撃してしまうことになりかない、ということも覚えていて欲しいのです。

では、ネガティブな感情を持ってはいけないのか?
そんなことできるわけがありません。人間ですから、何かしらネガティブな感情に見舞われることはあるものです。私にだって、ある。ただ、その処理を間違えないように、という話。

➡︎➡︎➡︎ 人を呪わば穴二つ。他人へのネガティヴな気持ちや攻撃は、巡り巡って自分に返ってくることが多いです。人へのネガティブな感情を感じたら、それを(自分に対しても人に対しても)攻撃に替えるのではなく「あ、なんか解決すべき問題が今の状況にあるな?」というサインだと思ってください。

その解決策はケースバイケースなので一概に言えませんが、そう思うだけでも状況がかなり変わることがあります。これは経験をしないと信じられないかもしれませんが、今となっては、私に嫌な思いをさせる人に遭遇したら、「あ、この人は自分の問題解決のために存在してくれてるんだ、ありがたや」と思えるくらいにはなりました。

人をツール扱いして申し訳ないことですが(笑)、面と向かって攻撃された場合は、自分もそれなりに嫌な思いをさせられてるので、そのくらい思ってもおあいこだよな?と折り合いをつけています。

== お気楽な立場と思われがち ==
これは主婦叩きにも通じるものがあると思うのですが、駐妻、と聞くと「楽・暇・のんきそう」などのイメージを持たれ、本人たちは本人たちなりの苦労があるのにわかってもらえない、というのがあると思います。

私もなんども言われました。東南アジアだと物価も安くて豪遊できる or お金溜まって仕方ないわねー、とか、良いご身分ね的なニュアンスを含ませて。

悪いがホーチミンに関しては生活費、日本にいる頃と変わらないし、誘惑が多い分、コストがかかってしまうことも(←これは自分の責任)。

そもそも日本企業のバジェットは落ちているので、昭和の時代のような厚遇ばかりでもないのが現状。でもイメージは昭和のままで残っていて、そんなことないのに遊び暮らしていると思われている節がある。

よしんば、そうだったとして何が悪い?という話なのですが、実際には心労を抱え、気持ちの上でとても大変な思いをしているところにそんな言い方をされたのでは溜まったものじゃない。

➡︎➡︎➡︎ まあこれに関しては、そんなことを言う人がこちらの内実を知らないことが原因だと思いますが…

すなわちその人は無知であり、知らないことを自分の基準でしか判断できない思慮と想像力と配慮のない人、ということを示しているので、可能な限り距離を取る、ですかね。関わらないのが一番です。

家族や特定コミュニティ絡みで完全に関係を断てない場合は難しいですが、そう言う時は気持ちの上で「ベロベロバー!」っと一線を引き、切り捨てましょう。

気を使ったり多少の我慢を自分に強いるのは、そうする価値のある相手にだけで十分です。無価値な人に自分の労力使う価値なし。


== DV環境が強まりがち ==
ちょっと怖いお話ですが、いざという時の避難先になる実家や友達宅を失うことや、日本からの送金が不自由(稼得者からの供給のみになる)、交友関係の縮小による情報取集不十分な環境などから、DV傾向が強まりがちだな、と、数々の事案を聞いて感じています。

これは日本でも同じですが、DV被害者というのは、その状況下に置かれた場合はすでに、自分の立場を客観的に判断できない状態にコントロールされていることが多いです。

なので客観的に見て指摘してくれる人がいれば良いのですが、そもそも交友関係が狭い海外だとそれも難しい。なので…

➡︎➡︎➡︎ そのようなことになっていない内に、DVについての知識を持っていることが大事。どんな場面でも知識は最大の武装であり、回避の手段にもなります。


◆相談先ってあるの?

各種懸念事項に対して切り替え作の提案はしてみましたが、私もカウンセラーではありませんので、不十分なところが多いと思います。

ではプロってどこにいるの?という話ですが…


== DVに関する相談先 ==
こういうサイトを見て、DVの定義やその傾向、対処法などを「一般知識」として持っておくことが大事かと思います。

連絡をしなくても、どういう事案がDVに当たるのか、自分が取り込まれやすいかどうかの目安チェックシートもあります。私も、やってみました。

ドメスティックバイオレンス
企画 : 法務省人権擁護局
監修 : 全国人権擁護委員連合会http://www.moj.go.jp/jinkennet/asahikawa/pdf/DV.pdf

取り込まれてからでは、正しく知識を得ることができない状態にされていることが多いです。何も問題がない時にこそ、知識を得ましょう。

それは自分を救うだけでなく、周りに、その傾向のある人がいたら知らせてあげられる機会も得られます。ただ最終的には「よそ様の家庭のことには口を出さない」という至極まっとうな意見もあるので、素人が人を救おうとはしないこと。そこはプロに任せるべきお仕事。

上記資料の巻末に、日本の相談先も載っています。残念ながらSNS対応などはしていないので、日本に安価にかけられるIP電話番号などの取得をしておくと良いでしょう。



== 様々な不安に関して遠隔診療で相談してみる ==

DVのことだけではなく、生活には様々な不安があり、それに付随して体の不調などが引き起こされることもあります。

そういう時には、医療的な観点からのアドバイスもですが、その土地に長く住む方のアドバイスも有効なことが多々あります。

しかし家を空けられない、いきなり面と向かって家の内情を話すことに抵抗がある、というような時には、

遠隔診療を希望するという手段もあるかと思います。
インターネットを使ったテレビ電話方式での診療。

ホーチミンに長くおられる医師が対応してくれるからこそ、現実的で有効な対応策が見つかるかもしれません。相談先の一つとして知っておいてほしいものの一つです。

◆駐妻あるあるを共有する

物理的には範囲を狭められていても、今の時代にはインターネットがあります。知識や知見の世界は、その気になれば無限に広げていける環境。私が若い頃、マレーシアに住んでいた頃にはなかったものです。

これを活用しない手はありません。各種困った時の情報収拾もですが、例えばまだあまりお友達がいない、という頃でも、同じように海外駐在に帯同した人たちの情報は探せばたくさん出てくるもの。

その方達の様子の中には「あ、自分と同じだ」と思うこともあれば「そんなこともあるんだー」と未知のこともあり、それが後々「あ、これ前に見たことがあるやつだ!」と、早期の気づきにつながることも。

そういえば最近、こんなインスタグラムのアカウントを教えてもらいました。漫画形式になってるのですが、タイにおけるお仕事事情や駐妻事情などを題材に面白くまとめられてるのですが、位置的にベトナムに近い国だけあって、ホーチミンでも思い当たる節あるある満載でとても面白いです(笑)

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エレファント
タイ、バンコクにある日系不動産会社をテーマにオリジナルの漫画描いてます。タイ国バンコクに住む現地採用、駐妻、駐在員、タイ人達のどたばたコメディ。楽しんでもらえたら嬉しいです。
https://www.instagram.com/elephant_bkk/

開始以降、いくつかの人物像に焦点を当てて、1投稿で複数ページx数回の短編シリーズになってるのですが、特に面白いなと思ったのは、駐妻に憧れる現地採用の女の子と、仕事をしたい駐妻が現地採用の女の子と入れ替わってしまうお話。

それぞれの立場、それぞれの言い分があって、誰もがちょっとは思ったことがあるんじゃないかなというエッセンスを上手に抽出、そして絡めてまとめてあると思います。

実はその入れ替わり話の結末は最新シリーズでまだ決着がついてないんですよ。もう気になる気になる(笑)


◆海外に暮らすって色々大変

今回は駐妻にスポットを当てましたが、もちろんお仕事で来られた方も、現地採用を希望してお仕事をされている方も、みんなそれぞれに大変。

ですが、自分の意思ではなく手放すものが多かった駐妻の場合は、事情がちょっと違います。

一方で、得難い経験を得られている、という強みもあります。日本では経験できないメリットもたくさんあります。

どうせ過ごさねばならない環境なら、どうか、取り得る限りの手段を取れる間に準備して、少しでも快適に、有意義に。楽しく美味しく過ごしていけるようにしていきましょう!

2020年10月9日
ちぇり




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