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ざっくりEURO開幕戦

こんにちは。
個人運営でお馴染みのチェルシーの感想をつぶやく会です。

個人的に忙しい活動に区切りがついて、かなり暇になったのでコロナ明けデアクラシカー以来久しぶり(1年ぶり2回目)のnoteを書くことにしました。

チェルシー応援してるならCL決勝とか書けよとなるかと思いますが、応援してるチームを冷静に分析するのはニガテです。魂で応援したくて。

ということで、早速ざっくりEURO開幕戦の本編です。ラインナップはこちらです。(EUROアプリから引用)


イタリアは怪我のヴェラッティのところにロカテッリを起用したようです。また、イタリアの最終ライン及びアンカーには正直そこまでスピードに優れたタイプはいなそう(強いて言うならフロレンツィ?)なので、そこに対し1トップがベテランのユルマズであるところが少しイタリアとしては有難いかなと。

前半

イタリアのフォーメーション表記は公式アプリでは4-3-3のようになっていますが、実際は違いました。


左SBのスピナツォーラのポジションが基本的に高く攻撃的WBと言ったらイメージしやすいですかね。ただだからといって左サイドのファイナルサードが飽和してたかと言うとそうでもなく、これはインシーニェを捕まえられることを防ぐ狙いがあるように思えます。事実インシーニェはやや中央寄り、相手アンカーの脇あたりでフラフラしている事が多く、明確に捕まえにくいなあという印象を与える位置取りでした。

逆にイタリアの右サイドは正直面白みに欠けるもので、フロレンツィはCBの横に並ぶような形で残りアシメ3バックになっていました。これはCBのスピード不足をギリ補うことが目的かと思われます。右WGに位置するベラルディのサポートは基本的にバレッラがこなしていましたが、どうしてもそれだと縦関係が不足しますね。

トルコ側の狙いに驚き要素はそこまでなく、基本的にはリトリート戦法です。奪ったらユルマズに縦パスをつけてインハの上がりを待つという、縦パスで置いてくタイプのカウンター狙いです。

で、キックオフ。イタリアのプレッシングの強度は非常に高く、特に中盤3人のネガトラ時の回収力はすごいものです。相手がポゼッションしようとしても、前線3人が的確に選択肢を絞るので潰し放題です。トルコはビルドアップの際に中盤のうち1枚が若干降りるのですが、中央へのパスコースは常に切られているか中盤3枚の潰しの対象になっていました。

ただ、イタリアは攻めにくい。なんで攻めにくいかの理由はだいたい2つですかね。

1つは簡単でトルコがバスを停めたから。4-1-4-1で狙われる場所は大抵アンカーの両脇なのですが、そこにインハを詰め込む、もしくはWGがSB近くまで戻りSBを中央に寄せる、つまり最終ラインと中盤の縦関係をかなり短くしてスペースを潰しました。そこにロカテッリ、バレッラ、インシーニェがいるので鮨詰めです。

その中でも存在感があるインモービレは流石ですね。これは途中からロカテッリがポジションを下げることで少しマシになりました。

もう1つの理由は右サイドの攻撃が単調だったことです。左サイドはスピナツォーラがすごくいいのもありましたしインシーニェがフラフラしているので、アンカーのオカイがスペースを潰すか人を潰すかで困るシーンもしばしばありました。

一方右サイドはベラルディが最終ラインと同列にポジショニングしているのですが、連携で崩すというよりバレッラとベラルディが単騎で侵入する形が多く、これはトルコからしたら有難いものでした。それに痺れを切らしフロレンツィが途中からフラフラポジションを上げ出しましたが、見事にそこの後ろをユルマズに使われましたね。この辺りの貰い方や味方の上がりを待つ時間稼ぎはさすがベテラン、上手いです。ただトルコの2列目はガッツリ戻っているのでカウンターにおける崩しの選択肢は少なく、危険度は低いものでした。

前半終了 イタリア0-0トルコ

ハーフタイム

イタリア
困っている点は3つですかね。
1.ファイナルサードにスペースを作りたい。
2.右サイドの攻撃を価値のあるものにしたい。
3.右SBの裏を相手に使われたくない。

トルコ
困っている点は3つ
1.ユルマズの孤立を防ぎたい。
2.右SBの裏を有効活用したい。
3.でも守備強度は保ちたい。

結論、イタリアもトルコも選手交代を行います。
イタリア
OUTフロレンツィ INディ・ロレンツォ
トルコ
OUTヤズジュ INウンデル

後半

キックオフ、両交代選手ともに立ち上がりから目立ち影響を与えました。ウンデルはイタリアDFと相対的に比較してかなりの瞬足。フロレンツィだった相手の右SBの背後を狙うポジショニング。インサイドハーフの守備ブロックを1枚削ったため前半に比べオープンな展開になり、幾つかウンデルの足を活かしたシーンが見られます。ただ、それ以上にイタリアの交代が効いていました。

ディロレンツォ、すごくいい選手ですね。

彼の求められた役割はおそらく2つ。1つはファイナルサードに積極的にサポートに行くこと。もう1つはそれをやらない時はCBの脇ではなくジョルジーニョと同じ横位置を取り組み立てに関わること。これはロカテッリとディロレンツォで分担していましたかね。前半のロカテッリの位置はやや高すぎ感ありましたから、調整したようにも見えました。

ユルマズに対しベテランCB2人が残り、相手は陣形潰してドン引きであったため3列目の展開に伴う負担が大きかったんです。中盤としてのゲームメイク、DFとしてのウンデルとの対敵、SBとしての縦への推進力、、そんなハイブリッドな役割をディロレンツォは確実にこなしていました、とても器用な選手です。

トルコにしてみれば前半に比べて前後に1人ずつプレイヤーが増えたような感覚です。これは潰れていたトルコ陣形の縦を広げ、バレッラやべロッティのスペースを作ることにも繋がりました。バレッラはスペースがあればあるほど輝く選手のように見えます。

先制点も左サイドの深いところまで崩したことからうまれましたね。最終ラインとその前のラインの間が広がり、バレッラがしっかり浮いていました。バレッラが右サイドにひっつきすぎなくなったのでベラルディも受けるスペースを作れましたし、クロスまで持っていけました。結果はオウンゴールですが、しっかり崩した形です。スピナツォーラが基本位置取り高くてトルコとしては気になるので、インハを経由したはやいサイド展開は有効でした。

トルコはメンバーとシステムをいじります。WGとインハを最終ラインやアンカーの脇に並べる機会を減らしました。また、ウンデルを諸悪の根源である相手左SBスピナツォーラの位置に配置し、元々右サイドにいたカラマンを前線に置く4-4-2に近い形に変更します。後ろに残ってるのは基本おじさん2人なので、数的同数を避けさせて人数をかけないでもらいつつ点も狙うという考えでしょうか。

ただこれはイタリアにとっては有難い話で、中央にスペースができるとバレッラもロカテッリが活き活きしますし、そこで活き活きされるとトルコの陣形が崩れてサイド2人とインシーニェにスペースがうまれます。

2点目。1点目との共通点として間に位置するバレッラを経由してサイドチェンジ、それによるサイド2人へのトルコのプレス遅れがあります。中途半端に攻めようとする程イタリアの形になるわけです。これりしっかり沈める辺り、流石インモービレ。

イタリアはここで安全策にシフト。ロカテッリを下げてクリスタンテを投入。ディロレンツォの役割のうちの中盤の役割を担える、インハよりも低い位置からでもゲームメイクができる選手です。これによりディロレンツォは本来のSBの役割である縦の推進力+守備力に集中し、イタリアのフォーメーションは無理な形が起きないように整いました。

別に3列目の枚数が減ったわけではないのでイタリアの攻めは安定感を持ちながらも健在。トルコの中盤が引き出されているのも攻めやすさの理由になっていました。中盤が降り方を一瞬サボったタイミングでGKがパスミス、ショートパスで素早いサイドチェンジ、ダメ押しの3点目をもってゲームセット。

最後、中盤が前がかりになったせいでトルコがカードレベルのファールをかますようになったのが危険で少しビクビクしていましたが、国のプライドをかけた勝負ですもんね。相手のシステムいじりによる自滅の面も多少ありますが、苦労した前半と打開した後半。間違いなくイタリア強かったです。

マンオブザマッチはスピナツォーラ。90分輝き続けていた選手なので納得です。スペ体質らしいのでそこだけ気をつけて大会で活躍して欲しいですね。(画像はEURO公式twitterより)

試合終了 イタリア3-0トルコ

今後のイタリア

イタリアが気をつけなければいけないのは強いFWと速いWGがいるチーム、例えばフランスやイングランド、ベルギー辺りでしょうか。最終ラインで勝負される数を極力減らすためにネガトラをしっかりさせているので、そこをバーンと飛ばされるとたぶんおじさんが頑張らざるを得なくなります。まあ言うてもおじさんもおじさんでとても元気(特にキエッリーニ)でしたので信じてもいいのかもしれません。何もかも経験してきたベテランがいることはいい事です。チームに誰かに依存するわけではなく、どの選手もクオリティ高いので、個人的にはいいチームだと思いました。

なお、戦術の捉え方はほんとに人それぞれですし、そもそも自分のこの内容で合ってない内容ももちろん沢山あるかもと思います。ただ戦術思考ってそういうものなので色々な人の考えを見てみてください。

そのうえでもし良いなと思いましたら、是非ツイッターを覗きに来てみてください。このなっがい文に比べたらまだ読みやすい形で呟いています。次またいつnoteを書くかは全くわかりませんが、今後ともよろしくお願いいたします。
@PremierTubuyaki


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