見出し画像

乳歯の宝箱

7歳の息子の歯が、初めて抜けました。すでに後ろから大きな歯が生えていて、矯正の予感しかしないのですが、大喜びの息子。誰かに言いたくてたまらず、「言いたい!言いたい!」と私のスマホで、17歳の甥っ子に「歯が抜けた!痛くない!じゃあね!」と一方的に電話を掛けていました。

娘の歯が抜けたのは、小学校一年生の6月。娘も、グラグラしている歯をずっと触り続け、90度ぐらいまで揺れる歯がなかなか抜けなかったのを覚えています。結局、友達家族が家に遊びに来た日に、引っこ抜いてもらいました。小さな抜けた歯を見ながら、娘が初めて歯が生えた時を思い出して、とても感慨深かったです。

私が幼い頃は、抜けた歯を屋根の上や縁の下に投げて「立派な歯が生えてきますように」なんて願っていました。一緒に暮らしていたおばあちゃんと、一本目の歯を投げた景色は今も覚えています。

娘の歯が抜けそうな時、乳歯の行末について調べていると、ips細胞の研究が進み、乳歯の中にある「歯髄細胞」から採れる「幹細胞」というものが、再生医療に有用であることがわかった、とか何とかという情報を目にしました。だたし、抜けた乳歯を特殊な培養液に入れて保存をしないと、再生医療には役立たないみたいなのですが…。

その記事を読んでから、「おぉ、乳歯スゴイ」との感情がわき、投げるのはもったい。そもそも、私は乳歯を投げてから何度か引越しをしているし、今の住まいにずっと住むより、家族の成長や人生のタイミングで軽やかに動きたい。へその緒が入った桐の箱は今でもしっかり持っていて、歯もちゃんと保管したいなと思い、保存箱を購入しました。

歯の形をした桐のボックス、かわいくないですか?抜けた日をメモしたり、「ピアニカを吹いているときに抜けた」とか「自分で勇気を出して抜いた」という、思い出深いエピソードがあれば書いています。

娘はただいま9本目。

歯が抜ける度に、きれいに洗い、消毒をして乾かした後に、嬉しそうに歯を箱に入れる娘の姿を見ていた息子。ひそかに憧れていたようで、本日、初めての自分の歯を保存箱に入れるという儀式が出来ました。

小さな歯の思い出が子ども達の宝物になれば良いなと思います。失くしたり、間違って飲み込んでしまった時は、それはそれで面白いエピソードになりますが、是非ともコンプリートしたいと思います。


Chelsea Chips ディレクター

Yuka Sano(Photo & Text)

この記事が参加している募集

育児日記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?