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キングオブコント2020予選を見て感じた、伝わるおもしろコントを作るためのポイント

本日、キングオブコント2020の2回戦を大阪は朝日生命ホールで観戦しました。第二部のみを見たので2時間ほどで約30組のコントネタを見ることができました。

おもしろさの基準は人それぞれですが、賞レースで勝つことを目的としてつくる「おもしろいコント」を「より多くの人がおもしろいと感じるコント」だと仮定すると、多くのコントに共通して見られる改善ポイントがあったので、その辺りのことを書いていこうと思います。(ちなみに私はネタを書いたことはないです...)

設定を正確に理解してもらう

コントは一つの物語なのでどういう場面における話なのかをお客さんに理解してもらうことがとても重要になってきます。設定がわからない状態では、どんなにおもしろいことを言われても、え?なんでそんな展開になったの?、という「疑問」が先行してしまい、素直に笑えないからです。

この設定を伝える方法はさまざまあります。例えば、服装や照明などの視覚的な情報。コンビニ店員の服を着てるとか、髪が長くてスカートを履いてるから女性だとか、テーブルにアイスコーヒーが置いてあるからカフェだとか。これはそんなに難しいことではありません。

難しいのは、言語的な情報。短い時間で、無駄な情報をいれずに、かつ自然に、設定を理解してもらわないといけません。新喜劇なら「あー、ここが昨日オープンしたうどん屋さんかぁ。次の商談まで時間あるし、ちょっと入ってみよ!ごめんくださーい!」とその場所が「昨日オープンした」「うどん屋」であること、その人が「営業マン」であることをまっすぐなセリフで伝えることができますが、これは普通のコントでは不自然です。

セリフの自然な言い回しの中で、コントの世界観をくずさずに、的確にそのことを伝えるのには技術が必要だと感じました。設定がうまく伝わらないまま、コントが進むとおもしろいボケもおもしろく伝わりません。逆に設定がうまく伝わると小さなボケでも笑いに繋がりやすいです。

おかしなことが起きるからコントなのですが、おかしなこと以外の普通のことをちゃんと普通に的確に伝えることが大切だと思いました。発想やボケが奇抜なものほど、ここを丁寧にやる必要があると思います。

2分を効果的に使う

2回戦のネタ時間は2分間。決勝は5分間なので、半分以下の時間になります。当たり前ですが、この2分という時間をどう捉え、どう使うかはとても重要なことです。

決勝で見られるような5分間のコントにおいては、物語の基本である「起承転結」が必要だと思います。「起」でお客さんにそのコントの設定を理解してもらい、「承」で事件が起こり、「転」で新たな展開をみせたり裏切ったりして、「結」で落とす。

5分あれば「転」を何個も入れたりすることが可能ですが、2分という短い時間では、この「転」をつけることが難しいです。しかし、今日ウケていたコントにはこの「転」が2分間の間にちゃんとありました。

そのためには、先に述べた、コントの「起」の部分、つまりコントの設定をお客さんに短い時間でいかに理解してもらうかがポイントになってきます。ここを短くできると、その後の展開に時間が割けるので見応えのあるコントになります。賞レースの審査員さんがよく「あともうひと展開あったらもっと良かったんですけどねぇ」と言っていますよね。それです。

ツッコミの技術

コントには、ツッコミがいるコント(東京03、ロバート、バイキングなど)とツッコミがいないコント(かが屋、レインボーなど)がありますが、ツッコミがいるコントにおいて、ツッコミはボケよりも重要な役割を担っていると感じます。

ツッコミはよく「お客さんの代弁者」だと言われますが、代弁者ということは、お客さんと同じ熱量、同じ感覚であることが必要です。

ボケの人がそんな変なことをしてないのに、ツッコミがめちゃくちゃ興奮してツッコんでいたりすると、お客さんは置いていかれます。

「そうツッコむのか!」という意外性やセリフのセンスよりも、自分たちのネタを客観視し、初見の人がボケだと感じるポイントを的確なタイミングで的確なセリフでツッコんでいくことが大切だと思いました。


とまぁ、色々書きましたが、私はネタを書いたこともないし、芸人さんたちも分かっていても実際改善するのは難しいんだろうなぁと思います。発想自体は面白いからもっと改善したらめっちゃ笑えそう!と思うネタがたくさんあったので、今後のネタの発展に期待です!!

お笑い界発展のために頑張ります。スーをいただけると嬉しいです。