
しなやかに、熱狂する。全社員で臨んだ「多様性ある組織」への舵きり
初めまして。SHE株式会社のHRグループGMの、りこです。
個に焦点が当てられ、社員が多様な価値観で働く中、visionを起点に多様な人材が融合しあうことで奇跡を起こしていくのが理想的な経営となる。そんな時代がきています。
一方で、スタートアップの立ち上げ時というのはどうしても、多様性を犠牲にしてスピード優先で実行していくことになるのも事実で、SHEも例外ではありませんでした。
そんな中、4周年を迎えたSHEは、本格的に「多様性ある組織」への舵きりをすることに決めました。
我々が考える「多様性ある組織」というのは、表面的に「いろいろな人がいてもOK!」というようなものではなく、もっと根底の「一人一人の持っている力を生かすこと」に対して、どの会社よりも真剣に向き合う組織のことです。
理想論に聞こえるかもしれませんし、表面的に聞こえるかもしれませんが、この舵切りは、大きな痛みを伴うもの。
今までOKだったやり方が通用しなくなるのは辛い
真剣に考えなくても今までどうにか上手くやれてきた
効率が悪くなる
このような意見が出てきてしまい、すぐに優先順位が下がったり、当たり障りのない議論になったり、形骸化し元に戻ってしまったりします。
こういった障壁を突破して、いわゆる「30人の壁」を乗り越える。これを経営陣の覚悟の元にやりきるとSHEは決めました。
そのために必要となる、「求める人物像」、全人事施策の指針となる「人事ポリシー」、社員の行動指針となる「Value」が完成し、本日採用サイトがリリースされています。
制作は約5ヶ月、役員と全社員を巻き込んだ大きなプロジェクトが、どんな組織課題から生まれ、どう収束させて行ったのか、そこに込めた想いについて、これまであまり明かされてこなかった「働く場」としてのSHEを伝えられたらと思います。
<ぜひ読んでもらいたい方々>
・コトに集中した場所で、世の中を変えるような仕事をしたいと思っている方々
・30人の壁への対策に迷われていたり、組織としての指針をつくりに行こうとされているスタートアップ界隈の方々
きっかけから取り組みの4ステップを、いかにまとめさせていただきました。
きっかけは、組織に抱いた違和感
このプロジェクトの事の発端は、私自身が抱いた組織への違和感です。
私は2020年2月にSHE株式会社に、事業推進マネージャー/コーチングサービスのリードとして入社をしました。
SHEへのジョインを決めたのは、SHEの掲げているvisionと、自分のやりたい個の「自己理解」と「自信装着」が一致したからです。
入社後自身がやりたい事をSHEで実現できているという実感もありましたし、受講生の方々がSHEを通してスキル面だけでなく内的変化を遂げて卒業していかれる姿を何度もみて、社会的意義を感じながら仕事をしてました。
そんな私だったのですが、夏頃から組織に対して違和感を持つようになります。
SHEは、「自分にしかない価値の発揮」や「固定概念からの解放」を謳っている会社です。
ですが、実現したい世界と組織の実態にギャップを感じてしまったんです。
働いている社員が実現したい世界を本当に解像度高く持てているのか?
社員自身が、それを実現できているのか?
「自分にしかない価値の発揮」や「固定概念からの解放」を謳っているSHEだからこそ、社員が誰よりもそれを体現している必要がある。
そう思い、代表のえりちゃんに自身の感じている違和感と共に、その旗振りを自分にやらせて欲しいと直談判し、11月より人事の責任者という形でジョブチェンジをさせてもらいました。
複雑な組織問題、どこからとりかかる?
上記のような違和感をもって人事に就任した私ですが、就任直後に取り組み始めたのが、全人事施策の指針となる、人事ポリシーの策定でした。
人事施策は、採用/教育/配置/報酬/代謝など本当に幅広い領域に存在します。そして、他社を見渡すと、魅力的な施策は本当にたくさんあります。
ただ、なぜその施策なのか?社員に何を提供する会社であるのか?そこの指針がある事が、強い組織を作っていく上で非常に重要な事だと、人事未経験ながら確信を持っていました。
私は、戦略人事という仕事は適応課題専門の技術屋さんと、自身の師匠から教わっています。
つまり、作りたい未来に向けて、社員のメンタルモデルを書き換えていくのが仕事だと思っています。
だからこそ、指針作りにおいては下記の2点を大切にしていました。
・「今の働いてくれている社員のための指針」ではなく「visionを実現するために社員に何を求めるか、何を約束するか」に比重をおく事
・役員、社員の全員で目線を合わせて作りにいく事
誰ならvisionを実現できるのか?
ポリシー作成にあたり、まず最初に取り組んだのが、
誰にとっての最高の組織を作るのか?求める人物像の定義です。
リクルートの営業部という、まぁまぁに暑苦しく自己顕示欲の強い組織から転職してきた私は、当初SHEの組織に対して驚いた事があります。
当初はまだ10名というスタートアップだった事もありますが、年齢や職種に関係なく、自分の評価や自分が何を成し遂げたのかではなくvision実現のために今の自分に何ができるか?を皆が考えている、アベンジャーズのような組織だなと思ったんです。
ただ、人数が増えるに連れて、どことなくその雰囲気が変わっていくのを感じていたのも事実でした。だからと言ってどんな人で構成されていて、どんな空気感であればSHEの組織は良いのか?という正解もない状態でした。
そこで、組織の指針を作るに当たって、まずは誰ならvisionを実現できるのか?求める人物像を定義しに行きました。
(定義のプロセス)
役員からの意見収集→ペルソナ社員ITV→全社員適性検査受験→役員合議
SHEは、個性や、多様性を重視する組織風土が元々あるので、それを否定することは一切ありません。
ただ、そんな中でも、visionを実現するにあたり譲れない要素はなんなのか?それを探りにいく作業でした。
その結果SHEでは、求める人物像とその要素を下記のように定義をしました。
実は私は、入社依頼SHEの社員の持つ、独特の空気感をずっと言葉に出来ずにいました。
優しく、聡明で、エネルギーと愛に溢れているけど、
群れる事なく大人で、どこか淡々粛々とコトに向かう。
それを最も体現している言葉が、「しなやかさ」と「熱狂」でした。
求める人物像にとって最高の組織を考える
求める人物像が出来てから取り組み始めたのが、全人事施策の指針となる、「人事ポリシー」の策定です。
これは、求める人物像が心地よく働けるために、どんな事を組織として約束するのか?そこから考えていきました。
(定義のプロセス)
求める人物像にとって最高の組織を複数項目から役員+社員ヒアリング
→役員合議
正直、癖も強く、戦略書かせても戦っても強いという昌平君や李牧みたいな役員陣営の意見をまとめるのは、それはそれはとても難易度が高く、心が折れる時間でしたが(笑)、、、
場の設計や、ファシリ力など、様々な部分を鍛えさせていただいたと思っており、たくさん時間を割いてくださった役員陣には本当に感謝しています。
このプロセスの中で、人事という立場で特に大事にしていたのが、
ペルソナ社員からのヒアリング内容を盛り込む事と、visionを体現できているかの視点です。
ペルソナ社員は、いわばSHEの求める人物像に最も近い社員です。
彼らのような人を採用するために、彼らのような人が最大限に力を発揮してもらうために、組織として譲ってはいけない部分はなんなのか?
役員陣の意見を大事にしつつも、この視点は人事がぶらさず持とうと思っていた部分です。
ペルソナインタビューは3名の社員に実施をしたのですが、面白い事に全員言っている事が同じだったんです。
(ペルソナ社員の共通点)
・本質的に、コトに向かって仕事ができる環境を望んでSHEにきた事
・他者からの承認よりも自分で自分のご機嫌をとることを大事にしている事
この話を聞いたときに、まさに自分が思うSHEのあるべき組織だと
とても興奮したのを覚えてます。
SHEのミッションは、固定概念壊す、解放の伴走者です。
社会からあるべき論を押し付けられ、ドリームキラーに囲まれながら、自分らしさややりたい事などにモヤがかかり、葛藤している方々を固定観念から解放していく事がミッションです。
ミッションを担う社員には誰よりも固定観念から解放されていて欲しいし、そんな社員が、余計な忖度なく真っ直ぐに実現したいvisionに向かって走れる組織にしたい。
そう心から思いました。
そんな求める人物像に対して、我々が会社として約束できることは何か?合議をし、決めたポリシーがこちらです。
私たちは、社員には自分の人生の手綱を強く握っていて欲しいと心から思っています。
強みは教えてもらうのではなく、自分の人生を生きる事の一歩として自分で知りにいく覚悟も必要。
そしてそれは自分の憧れていた物とは違う事も多く、知ることは実はすごく怖いことだったりする。
それを活かして生きていくのを決める事は、何かを手放す事でもありとても勇気のいる事。
そんな覚悟と勇気がもてるような支援と、
そんな人が余計な忖度なく真っ直ぐに実現したいvisionに迎えるように、しなやかにコトに向かう人が評価される組織である事を約束したい。
そして、お互いの強みを尊重し合う風土を守りたい。
そんな想いを、このポリシーに込めさせてもらいました。
社員全員で目線を合わせる
ここから、プロジェクトは更に大きくなり、全社員を巻き込むことになります。
SHEには、Valueという行動指針がありますが、これは求める人物像としての理想の行動を示した物です。
求める人物像が変化したことに伴いこちらも刷新する事となります。
先ほども記載しましたが、戦略人事は、作りたい未来に向けて、社員のメンタルモデルを書き換えていくのが仕事です。
visionを実現できる人材と定義した求める人物像に、社員が近づいていけるように意識を変えていく必要がありました。
だからこそ、全社員でこれを作りにいく事にこだわりました。
(定義のプロセス)
求める人物像/人事ポリシーを全員で眺めて、
それぞれの要素でwhat to do、what to sayの要素を考え定義していく
こうして出来上がった、SHEの新しいValueがこちらです。
何のための人事施策か
これだけ大掛かりに色々と作り込みをしましたが、
求める人物像も、人事ポリシーも、Valueも、全ては「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を作る」というvisionを実現するための人事施策に過ぎません。
「一人一人が自分にしかない価値を発揮して熱狂して生きる世の中」その世界をまずはSHEという会社で実現していく。
その世界を実現していくプロセスでの葛藤や苦しみ、そして実現された世界の心象風景を知っている社員の作るサービスは、間違いなく多くの人を固定概念から解放することに繋がるはずです。
それが我々の考える多様性ある組織ですし、人事としての私の使命であり、会社としての覚悟です。
私たちはこれから、これまでのキャリアの領域に止まらず、ライフイベントに寄り添ったブランドポートフォリオの展開や、自己効力感を科学するコミュニティテックなど、これまで誰もしたことのない挑戦をしていきます。
そこにはまた、乗り越えないといけない険しく大きな山がたくさん待っているはずです。
それでも、私たちは解放の伴走者。
visionの実現を信じて、しなやかに熱狂しながら、世の中に蔓延る固定概念を壊していく。
それが私たちの使命です。
世の中を変える覚悟がある方、こんなSHEで一緒に熱狂しませんか?
しなやかに熱狂したい方、ぜひ応募をお待ちしてます!
※個人としてパーソナルコーチもやっております。ご興味ある方TwitterよりDMお待ちしてます🕊
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