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2019年期待の映画15選

あけましておめでとうございます、チェ・ブンブンです。

今年も、皆さんにとって素晴らしい映画生活になることを祈ります。

さて、2019年が来てしまいました。そこで、今年期待の作品15本について書いていきます。

1.Happy as Lazzaro

アリーチェ・ロルヴァケル監督は、日本で知られる少し前、ブンブンがフランス留学している時に出会い、大好きになった思い出深い監督です。そんな彼女の作品がカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞して、多くの海外メディアが2018年のベストテンに入れた。その出世ぶりを見ると涙がでてきます。一時期配給権をNetflixが買ったという情報が入り、日本劇場公開されないのではという不安があったのですが、Netflixは北米での配給権のみを買っていたようで、無事今年の4月に公開が決まりました。

【あらすじ】
イタリアの小さな村で社会と隔絶して生きている純朴なラザロと仲間らは、何も知らず前世紀の暮らしのまま農園主に搾取されていた。ところが農園主の息子タンクレディが起こしたある事件をきっかけに彼らの存在は世間の知るところとなり――。(Bunkamuraサイトより引用)

予告編を観ると、『A GHOST STORY』や『約束の地』など傑作アート映画でよく使われる丸渕長方形のスクリーンとなっている。そして素朴で美しい情景を観ると、明らかに傑作だと分かる。ブンブンの親友が釜山国際映画祭で鑑賞し、2018年のベストテンに入れていたので期待度が高まります。

2.イメージの本

カンヌ国際映画祭の審査員は、遂に神になってしまったゴダールに対して、パルム・ドールを超越するスペシャル・パルムドールを受賞しました。

【概要】
現在88歳にして精力的に活動を続けるゴダールが、数々の絵画、映画、テキスト、音楽をコラージュし、現代の暴力、戦争、不和に対する怒りを込めた作品。5章で構成され、ゴダール自身がナレーションも務める。(シネマトゥデイより引用)

映画の概念を破壊して来たゴダールが映像の洪水で我々を飲み込む。その未知なる世界は、観た人にしか分からない。ゴールデンウィークにシネスイッチ銀座他にて公開とのことです。

3.COLD WAR

映像のパベウ・パブリコフスキが音楽を味方につけたらそれは鬼に金棒だ!と親友が大絶賛し、2018年ベストテンにも入れた作品。

【概要】
舞台は、民主主義と共産主義の対立が始まった冷戦期、1950年代のヨーロッパで、ポーランド、ベルリン、ユーゴスラビア、パリの4か国にまたがる二人の音楽家の10数年を追ったラブストーリー。(cinefilより引用)

パブリコフスキ監督は、陳腐極めて物語を展開するのだが、圧倒的《美》でもって感動を呼び起こす。果たして本作は、ブンブンの心に刺さるのだろうか?

4.GIRL

釜山国際映画祭で観ようとしたのだが、家族サービスを優先してパスしたベルギーの話題作。男として生まれた女性が、バレリーナになるために奮闘する話なのだが、トランスジェンダーの内面を繊細に描いていることが評価に繋がっているようです。

【概要】
15歳のララの夢はバレリーナになること。しかしそれは簡単なことではなかった。彼女は男の体に生まれてきたから。それでも強い意志と才能、そして血のにじむような努力の結果、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。だが、変わっていく体により、うまく動けなくなることへの焦り、また彼女に嫉妬するクラスメイトたちの嫌がらせにより、彼女の心と体は追い詰められていく――。(Bunkamuraサイトより引用)

この夏Bunkamuraル・シネマにて公開です。

5.ディアマンティーノ 未知との遭遇

未体験ゾーンの映画たち2019で上映される本作は、カンヌ国際映画祭で観た批評家が奇怪なコメントを残すほど、ビザールな作品だそうです。

【概要】
ポルトガルのサッカー選手であるディアマンティーノ。彼はプレーの最中に幻想の世界に入り込み、メイクマジックを生み出すスーパースターだった。しかし国の期待を背負ったW杯決勝戦でいつもの幻想世界を生み出せず失敗してしまい、引退を表明。失意の彼は人生の意味を探す旅に出るものの、何故かマネーロンダリングしていると疑われ、更には遺伝子操作でおっぱいが巨大化するなど、ディアマンティーノを利用する者たちのせいで未知なる経験をさせられる…。(未体験ゾーンの映画たち2019公式サイトより引用)

ちょっと何言っているのかわかりませんね。1/18公開です。

6.アマンダと僕

東京国際映画祭でグランプリを受賞したヒューマンドラマ。フランスで公開されるや否や、大絶賛。あの偏屈映画雑誌カイエ・デュ・シネマも高評価を出していることから、期待が高まります。

【概要】
夏のパリ。ダヴィッドは、パリに出て来たばかりのレナに出会い、恋に落ちる。しかし、突然の姉の死によって彼のおだかな日常は壊れていく。悲しみに暮れるダヴィッド。そんな中、ひとりぼっちになった姪のアマンダの世話をすることになり、ダヴィッドは次第に自分を取り戻していく――。(Filmarksより引用)

フランスは、最近本当に治安が悪く、しょっちゅう爆弾騒ぎがあり、気軽に人にオススメできる旅行先ではなくなってしまいました。シャルリー・エブド襲撃事件をフランス留学中に間近で体験した身としては非常に興味深い作品です。6月公開。

7.Knife + Heart

テアトル系の番組編成を行っているNISHI THE WILD(@yruugo0420)さんが、カンヌに潜入した際、本作に対して微妙な反応をしていただけに公開されないのではと思っていたのですが、どうやら配給がついたようです。

【概要】
Paris, summer 1979. Anne is a producer of gay porn at discount. When Loïs, her editor and companion, leaves her, she attempts to reclaim her by turning a film more ambitious with the flamboyant Archibald.(IMDbより引用)
訳:1979年夏のパリ。アンはゲイポルノのプロデューサー。編集者である同僚のルイーズが彼女の元を去るとき、彼女は華やかなアーチバルドと野心的な映画を取ることでルイーズを取り戻そうとする。

ブライアン・デ・パルマの『ボディ・ダブル』好きとしては堪らない一本ですね。

8.僕はイエス様が嫌い

世界のインディーズ映画祭で今話題となっている日本映画。東京FILMEXでも上映され、評判が高かった作品。

【概要】
祖母と一緒に暮らすため、東京から雪深い地方の小学校へ転校してきたユラは、同級生たちとおこなう礼拝に戸惑いを感じていた。礼拝の習慣や友だちとも慣れていったある日、お祈りをするユラの目の前にとても小さなイエス様が現れる。ユラは願いを必ずかなえてくれるイエス様が持つ不思議な力を次第に信じるようになっていく。(映画.comより引用)

まだストーリーを読んだだけでは、ピンと来ないのですが、友人が絶賛していただけに期待度が高まります。今年のどこかで公開されます。

9.ウィーアーリトルゾンビーズ

『そうして私たちはプールに金魚を、』でブンブンだけでなく多くのシネフィルを驚かせた、電通社員・長久允が初長編映画にして今年のサンダンス映画祭に正式招待されました。

【概要】
「両親が死んでも涙が流れない」
まるでゾンビのように感情を失った少年少女たち。
音楽バンド“LITTLE ZOMBIES”を結成した彼らは、やがて予想もしない運命に翻弄されていく——(公式サイトより引用)

まだ全貌は暗闇に包まれていますが、予告編を観ると、CM的演出を上手く映画的表現にトレースできているような気がします。日本公開は6月です。

10.PRINCE OF LEGEND

今年、上半期最注目作品はこれでしょう!王子が大渋滞!『PRINCE OF LEGEND』。EXILEグループによる祭映画です。EXILE映画は、お祭り映画としてのレベルが高く、『HiGH&LOW』シリーズは多くの映画ファンも虜にしました。そんなEXILEグループが、王子バトルを開催!セレブ王子、ヤンキー王子、メガネ王子といった王道から、下克上王子、バーテンダー王子といった訳が分からない王子、しまいには禁断の先生王子まで大集結。まさしく王子が大渋滞です。

【概要】
『王子』それは世界中の女子たちの憧れ。
『王子』そう呼ばれるのは、ほんの一握りの者たちだけ...。
これは選ばれし王子たちの物語。(公式サイトより引用)

予告編を観ると、関口メンディーの存在感が凄まじいです。メンディーこそ本物の王子様だなと思いつつ劇場へ足を運びたいです。できれば応援上映で観たいですね。公開は3/21です。

11.運び屋

みんな大好きクリント・イーストウッド最新作がもう3/8にやってきます。今回は『グラン・トリノ』以来久しぶりに、監督・主演をイーストウッドが兼任しています。

【概要】
87歳の老人がひとりで大量のコカインを運んでいたという実際の報道記事をもとに、長年にわたり麻薬の運び屋をしていた孤独な老人の姿を描いた。家族をないがしろに仕事一筋で生きてきたアール・ストーンだったが、いまは金もなく、孤独な90歳の老人になっていた。商売に失敗して自宅も差し押さえられて途方に暮れていたとき、車の運転さえすればいいという仕事を持ちかけられたアールは、簡単な仕事だと思って依頼を引き受けたが、実はその仕事は、メキシコの麻薬カルテルの「運び屋」だった。(映画.comより引用)

これは傑作に違いない。

12.マイ・ブックショップ

『死ぬまでにしたい10のこと』で有名なカタルーニャ映画作家イザベル・コイシェ最新作。配給会社が多くの問題を抱えているココロヲ・動かす・映画社○だけに、劇場公開がしっかりされるのか不安でしたが、3月にシネスイッチ銀座で公開が決まりました。

【概要】
1959年イギリスのある海岸地方の町。書店が1軒もないこの町でフローレンスは戦争で亡くなった夫との夢だった書店を開業しようとする。しかし、保守的なこの町では女性の開業はまだ一般的ではなく、フローレンスの行動は住民たちに冷ややかに迎えられる。40年以上も自宅に引きこもり、ただ本を読むだけの毎日を過ごしていた老紳士と出会ったフローレンスは、老紳士に支えられ、書店を軌道に乗せる。そんな中、彼女をよく思わない地元の有力者夫人が書店をつぶそうと画策していた。(映画.comより引用)

コイシェの作品はベストテンに入れるようなガチガチ傑作ではないのですが、心に空いた穴や傷を埋めてくれる癒しの作品が多い。それだけに密かに楽しみにしています。

13.七つの会議

予告編を観た時から、あまりの顔芸にらめっこ大会に惹きつけられました。いくら池井戸潤のエンタメ社会派ドラマの映画化とはいえ、見るも明らかな悪党がセリフ、セリフ、セリフでマウントしようとする姿には失笑しかありません。でも、香川照之と野村萬斎の顔芸格闘技はちょっと観てみたい気がします。

【概要】
中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。(映画.comより引用)

公開は2/1です。

14.スネーク・アウタ・コンプトン

未体験ゾーンの映画たち2019で公開されるバカ映画。ここ最近、サメ映画空前のブームとなっていますが、そこに一石を投じるのがこの巨大ヘビ映画です。巨大ヘビパニック映画に『ストレイト・アウタ・コンプトン』の要素をぶつけてくる前衛さが気に入って観に行きたいなと思いました。

【概要】
アメリカ屈指の犯罪多発エリア、カリフォルニアのコンプトン。悪名高いこの街を抜け出し、ラップで一発当てようとラップ仲間のキャム達は悶々とした日々を送っていた。そんなある日、人生最大のチャンスが舞い込んでくる。大手レコード会社のスカウトの目に留まり、一躍スターダムへ駆け上るオーディションを受けることになるが、一縄筋でいかないのがコンプトン。彼らの成功を拒むかのように、リーダーのキャムが悪徳デカによる理不尽な拘束を受けることに。しかし、本当の敵が彼等を狙っていた…。何と街に突如出現したラップ好きの巨大スネークが彼らに襲い掛かってきたのだ!はたして、キャム達に未来は訪れるのか!?(未体験ゾーンの映画たち2019より引用)

日本公開は2/1です。

15.ウトヤ島、7月22日

2018年にNetflixでノルウェー連続テロ事件を扱った『7月22日』が公開されました。あの作品はイギリスの監督ポール・グリーングラスの手によって映画化されたのですが、同時期にノルウェー人監督の手によって同事件を扱った作品が製作されていました。

【概要】
2011年7月22日。治安が安定した北欧の福祉国家ノルウェーが、悪夢のような惨劇に襲われた。午後3時17分、首都オスロ政府庁舎爆破事件により8人が死亡。さらに午後5時過ぎ、オスロから40キロ離れたウトヤ島で銃乱射事件が発生。ノルウェーが労働党青年部のサマーキャンプに参加していた十代の若者たちなど69人が殺害された。犯人はたった一人。当時32歳のノルウェー人、アンネシュ・ベーリング・ブレイビク。単独犯の事件としては史上最多となる77人もの命が奪われたこのテロは、ノルウェーにおける戦後最悪の大惨事となったが、日本での報道は限定的なものにとどまり、事件の全容を知る者は極めて少ない。(ヒューマントラストシネマ有楽町サイトより引用)

『7月22日』でも描かれたウトヤ島での虐殺を、本作ではワンカットで描いています。ブンブンは長回しに弱いので、期待できそうです。日本公開は3/8です。

・おわりに

いかがでしたでしょうか。2019年も沢山期待作がありますね。今年も映画の魅力を伝えていけたらなと思います。それでは、今年もよろしくお願いします。

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