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浅草スマートボール最後の姿を拝みに...

こんにちは、チェ・ブンブンです。

昨日、母親から「あんた、映画行っている場合ではないよ!浅草のスマートボール屋が終わっちゃうよ」と強く言われた。今やインバウンドビジネスの舞台としてリノベーション、リノベーションされている浅草。これにより老朽化した老舗は次々と店を畳み、昭和の香りが失われつつある。暇つぶしの老人が集い、ちょっぴり治安が悪かった映画館・浅草中映もとっくに存在しない時代なのです。

さて、競馬おじちゃんが集うウインズ浅草の目の前にある昔懐かしスマートボール専門店『三松館(みまつかん)スマートボール』は老朽化の為、明日遂に70年を超える歴史に幕が閉じます。

私が小学生だった頃、よく父親に連れられて遊びに行きました。中々穴に玉が入らないのだが、運よく連続して穴に玉が抜けていくと、ジャラジャラじゃらと上から追加の玉が降ってくる。その音の味わい深さを楽しんだものです。妹が妙に得意で、下手くそな自分を横目に景品を手にし辛酸を舐めた記憶がある。

そんなスマートボールにお別れを言わずしてどうする?ってわけで行ってきました。

店内

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表看板はなく、遠くから見ると、雑然とした風貌の建物がまさしく三松館スマートボールであります。近くではフードトラックや大道芸人で賑わっている側に、この娯楽施設がひっそりと門を構えているのです。早速お邪魔してみましょう。

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なんでもAmazon等のデジタルショッピングサイトで買える時代。おもちゃ屋や本屋といったものが片っ端から駆逐される時代、壁に無数に貼られた昭和のポスターや景品の粗品を見ると、失われつつ文化の片鱗を思い出す。私が子どもだった頃は、こうした雑然とシールやらおもちゃが飾られている場所があったもんだ。そういえば、今はあまり見なくなったなぁと思わずにはいられません。

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店内は、老若男女多くの人で賑わっていました。年老いた店主が、お金を受け取るとジャラジャラ球を流している。ハイテンションな爆音で店外にまで響き渡るパチンコ屋とは違い、風鈴の音を聴くような風情があります。一方で、もはや改修することができなくなった筐体がいたるところにあり、時代の終わりを感じさせます。この空間にいると胸が締め付けられるように切なくなります。

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店の奥には、東京新聞が雑然と置いてあるところも、新聞が非日常の産物となりつつある今にとって新鮮に感じます。

実際に遊んでみた

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実際に、スマートボールをプレイして見ました。こんなに難しかったっけ?と思うほどに玉は穴に入ってはくれません。華麗に穴をかわして、下へ落ちていく様にあな佗しとなります。

人生初のパチンコたるものをやってみました。小津安二郎の映画、ないしヴィム・ヴェンダースの『夢の涯てまでも』に出てきたあのレトロな筐体を味わえるのも本日が最後だろう。パチパチハンドルを弾いて遊んでみました。

最後に

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ノスタルジジイなエモエモ文章となってしまいましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。そして写真は歴史的資料になるだろうから、しっかりアーカイブして後世の資料として、そして自分の思い出として残していこうと思いました。

お時間ある方は、1/26(日)最終日に遊びに行ってみてください!

↑インスタグラムで動画を公開しました。

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