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<九段下から東京駅までまちあるき>②国立公文書館を歩く

九段下駅周辺から、少しずつ東京駅方向を向いて歩いています。前回は、九段会館や日本橋川に架かる俎橋などを巡りました。今回は北の丸公園に入り、国立公文書館を目指します。
(前回の投稿はこちら)

■今回探索範囲の地図から。

まずは、今回歩く北の丸公園周辺の地図を見てみましょう。北の丸公園は、江戸城のお濠の中にありますが、皇居のある「宮城」の北側は、近衛歩兵師団が置かれていました。ある意味天皇を守護する最前線がここにあったのです。今では北の丸公園となり、日本武道館、科学技術館などがあります。なお、左側の戦前の地図の宮城は、真っ白に描かれていますが、これはいわゆる「戦時改描」で、軍事上の理由から皇室関係の施設は描かれないような細工がされていました。

今昔マップで見た、北の丸公園周辺。
江戸城のお濠と石垣。日本武道館が見えています。
清水門。重要文化財です。
お城があった跡を思わせる場所です。
昔ながらのお城に入城する気分です。
いやー、なかなか大きな門です。
「北之丸公園」のマンホール。結構珍しいのでしょうか?
少し奥まったところに、建物群が。
皇宮警察と宮内庁の官舎があるのですね。
江戸城内に今も人が居住しているとは。
北の丸公園を通る、首都高速道路都心環状線。
奥に見えるのは、竹橋ジャンクションです。
こちらは、首都高速の北の丸出口です。
【1965年 首都高速道路公団建造 施工:(株)間組】

■国立公文書館へ

そうして、北の丸公園内にある、国立公文書館に到着しました。ここは、公文書を展示し、無料公開している施設です。今は「衛生のはじまり 明治政府とこれらのたたかい」というテーマの展示がされています。意外と土木屋っぽいテーマですね。

国立公文書館へ。

国立公文書館の展示物をしばし眺めました。どれもとても面白いです。ゆっくり見て回ったら半日は過ごせるような場所かもしれません。

コレラの治療法が「安政雑記」に書かれています。
熱いお茶に「焼酒」を混ぜて飲むべし、だとか。お酒は薬だったのですね。
こちらは、「東京府下馬列刺(コレラ)患者日計比較線図」
明治10年、明治12年、明治15年の患者数の推移を示したものだとか。
今のCovid-19関係でよく見るグラフと似ていますね。第●波、みたいな感じですね。

こちらは、庶民に健康な生活を啓蒙する漫画。

【酌の保養は杞憂の玉箒 一酔の愉快は気鬱の鷹取
百薬の調子はづせば はかりなき一生の身の一期命終】
お酒は脳に作用するので、飲み過ぎたら健康を損ねる・・そうですよ(笑)。
こちらは、お風呂のお湯は適温で入るべし、という啓蒙です。
締め切った室内で火を焚くと二酸化炭素で酸欠になる、とのことです。
何だか安全ポスターにも使えそうな資料です(笑)。
こちらは、頭が軟らかい子供を殴っちゃだめですよ、とあります。
こちらは、横浜の外国人居留地に水道を敷設すると記載された文書。
衛生対策の基本は、上水道の整備、なのですね。
こちらは、明治30年制定の、伝染病予防法。
内閣総理大臣以下、大臣の花押が記されています。

法律の原典、初めて見ました。花押って、こうやって署名のように使われているのですね。花押について調べていると、「日本花押協会」があると知りました。なかなか面白いです(笑)。

つづいて、常設展示のコーナーへ。まず目につくのは・・、

「令和」の書(レプリカ)と、それを掲げる菅官房長官(当時)。
こっちは、「平成」の書。これも小渕官房長官(当時)が掲げましたね。
こちらは、「新橋横浜之間鉄道之図」。
うわ、この公文書だけでずっと眺めていられるやつです(笑)。
横浜駅付近は、海を埋め立てて敷設したことが良くわかります。
こちらは、大日本国憲法(レプリカです)。
日清講和条約(下関条約)と日露講和条約(ポーツマス条約)
教科書に載っている歴史の舞台の生の姿です。
関東大震災後の「帝都復興に関する詔書」。
朕(大正天皇)のお言葉が書かれています。内務大臣は、後藤新平です。
こちらは、太平洋戦争の宣戦布告を示した文書。
当時の総理大臣 東条英機を筆頭とした内閣の署名があります。
こちらが、今の日本国憲法。
当時の総理大臣は、吉田茂だったのですね。

こんな感じで、この場所には歴史の生き証人とも言うべき文書が多数保管され、いろんな展覧会でそれを国民に紹介する活動を行っています。日本史を少しでも(小学生レベルでも)勉強している人なら、誰でも興味が持てる場所かと思います。

■竹橋駅に向かう

公文書館を後にして、竹橋駅に向かおうとしたら・・・、

何と、宇和島駅が出現(笑)
この角度が絶好の撮影スポットだそう。

こちらは、東京国立近代美術館で開催されていた、大竹伸朗さんの展覧会の展示物です。東京に宇和島が出現したと話題になっていました(笑)。

そのお隣には、さりげなく「警視庁第一機動隊」の文字が。
こちらはアートではなく、どうやらホンモノのようです(笑)。
こちらが竹橋。優雅なアーチ橋です。
大正10年にできた橋を、平成3年に改修したようです。
改修工事の施工は、大林組さんです。
竹橋JCTを眺めたところ。
お城にジャンクションという組合せが、何ともシュールな感じ(笑)。
こちらの濠の地下には、地下鉄東西線の竹橋駅があるはずです。
潜函工法(ケーソン)で作られたようです。

今回は、ここまで。次回は神保町から日本橋方面に向けて歩きます。

■終わりに

北の丸公園周辺と、国立公文書館を訪れました。公文書館はとても興味深い書物のオンパレードでした。北の丸公園の中は、とても面白い場所だらけでした。


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