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風鈴の音色とカルピスの氷。(Jリーグ エキサイトステージ'94)

来週から、ムスメの小学校でも夏休みが始まる。毎日の学校がないわけだから、準備がとても大変だ。学童、習いごと、親の夏季休暇、実家からのヘルプ。いろんな手段を駆使してしのいでいく。

いちばん困るのは、どの親御さんも口を揃えるだろうけど、給食がないこと。前日に料理をして冷凍をして……。いまからレシピを考えておかないとなあ。



自分が小学生のころは、どんな夏休みだっただろうか、と思い出す。

まわりが山と川ばかりの田舎らしい田舎だったから、ゲームで遊ぶのと同じくらい、外でも遊んでいた。山で虫取りをして、川で泳いで、公園でサッカーをする。そのくり返しだった。

書きながら思い出した。夏休みにはSFCの『Jリーグ エキサイトステージ'94』をよくプレイしていたっけ。サッカーでヘトヘトになってから誰かの家に行き、今度はサッカーゲームをするという。

『エキサイトステージ』シリーズは、いちばん好きなサッカーゲームだ。フォーメーションや動きの自由度が高くて、テンポも抜群。BGMも良曲ぞろい。友だちとひたすらプレイしていた。

『'94』はもちろん、『'95』や『'96』も大好き。

ただ、本作には明確な欠点がある。格闘ゲーム並みに細かく操作するから、とにかく指が疲れるのだ。

リアルのサッカーがそうであるように、本作ではファウルをするかタッチラインを割らないとゲームが止まらない。ボールを大きくクリアして、数秒間だけ指を休めるのもテクニックのひとつ。そうやって、最終的にはフィジカルの勝負になるところも好きだったな。

ただし、壁に囲まれた「サロンフットボール」にはタッチラインが存在せず、なんとファウルも発生しない。つまり試合開始から終了まで、いっさい休憩なしだ。エキサイトしすぎである。

ノンストップで試合が進む中、後半には指が痺れて、やがて感覚がなくっていく。痛みに耐えながらも、必死にボールを追いかけていたのは、『エキサイトステージ』が、それほどまでに、とんでもなく楽しいゲームだったからだ。



遠くの蝉の声に交差するように、近くで風鈴の音がする。友だちのお母さんが、氷の入ったカルピスを出してくれる。そんな夏の思い出。

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