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39歳、無職になって1カ月

会社を辞めて、あっという間に1カ月が経過した。

実家に逃亡してから最初の3週間は、1日中泣いて過ごすような日もあれば、妙に調子が良く鼻歌なんぞ歌う日もあったりと、感情の起伏が激しかったけれど、4週目に入って少しずつ安定してきたように思う。日中の精神安定剤服用率がぐんと減ったのがその証拠だ。

フリーランス時代、毎日交感神経ビンビンで働いていたときは、自律神経が乱れて曇りや雨の日にやたら体調が悪かった。しかし鬱になってからは逆で、晴れた日は眩しさにやられてしまい不調に、曇りの日は気分が安定するという発見もあった。ゆえに、今年の遅めの梅雨入りはとてもありがたい。

田舎に戻ってからは、ただただ毎日を豊かな自然の中で過ごしている。うつ病を患った元キャスターの丸岡いずみも、著書の中で「自然豊かな徳島で静養したことが回復を早めた」と書いていたけれど、彼女の言う通り、精神が安定してきたのは大自然の力が大きいと思う。田園から吹く風、水鳥が集う湖に沈む夕日、遊歩道に咲き乱れるさまざまな草花…。若い頃は何もない故郷が大嫌いな時期もあったけれど、その故郷の「何もなさ」にこれほど癒される日が来るとは思いもしなかった。

仕事探しは、まだ始められていない。というのも、この1カ月で「このまま田舎で暮らすのもいいかな」という思いが芽生え始めたからだ。ここ数日になってようやくSNSに目を通したり、TVを見て笑うことができるようになった。でも、TVで東京の映像が流れると、無意識に体が強張る自分がいる。

生き方を変えるべき時が来たのだろうか。東京で出会った人たち、一目惚れして借りたマンション、自分の稼いだお金で1つずつ揃えた大切な家具、お気に入りの行きつけの店――どれもこれも愛着があるけれど、この先数十年という長い時間を、あの大都会で生き抜く自信が無くなってきているのも事実だ。

来週、診察のために久々に東京に戻る。マンションの換気もしたいし、保険料などの支払い用紙も届いているはずなので、それらを振り込まなければ。ちょうど今頃、マンションの庭先に植えられているノウゼンカズラが満開を迎えているだろう。それを見るのがちょっと楽しみだ。

先日LINEをくれた知人が、こんなことを言っていた。

「数ヶ月仕事しないことに罪悪感を覚えるのは日本人くらいですよ。海外の人なんて、平気で半年くらい休んで旅行行ってるじゃないですか。せっかくの機会なんだから、どーんと構えて休んじゃってください」

言われてみれば確かにそうかも(笑)。ここはしばらく”外国人モード”で、自分にとって本当に心地の良い生き方とはどんなものなのか、そのためには何をして、どこで暮らすのが一番なのか――東京と故郷を行ったり来たりしながら、焦らず考えてみたいと思う。

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アラフォー、独身、女。元編集者・ライター。就職氷河期に社会デビュー。非正規やらフリーランスやらを経て生きながらえるも、令和元年早々に完全失業。次の仕事が見つかるまで、日々思うことを綴っていこうと思います。
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