evergreen~忘れられない人~
三兄弟の母になって、目の回るような日々を過ごした。
完璧主義の母の元、姉妹の長女として、ずっと絵に書いたような真面目ないい子で 生きてきた私にとって、三兄弟の育児は壮絶だったと思う。
それでも、常に真っ直ぐやるべきことをやる性分で生きてきた私は必死に頑張ったと思う。
長男が大学生活スタートと同時に一人暮らしを始め、成人式を迎え、次男も大学生になり、三男も高校生になった。義務教育を卒業したのだ。
色んな経験をした。
大変だったけど、大変だったことほど、今、それは私の中のタカラモノになっている。
もっと自由に伸び伸びと育てられたら良かったなぁとの思いはあるけど、私の必死に過ごした20年間は子どもたちにちゃんと伝わっていると信じたい。
三兄弟の色々も誰かに共有出来たらという思いはある。子煩悩でマメで頼りになるとてもいい人な旦那と結婚して、過ごした20年は、ほんとにキラキラして出逢った全ての人に感謝しかない。
幸せな20年だった。
そんな私だけど、忘れられない人がいる。
大学3年のときに出逢い、一緒に過ごした4年間。そのうちの一緒に暮らした1年半。
それは、母の呪縛から離れ(もちろん一緒に住んでいたことは内緒)、自分が1番自分らしくいられた幸せな時間だった。
あの頃、世界中で私が1番幸せだと思ってた。
同じくらい幸せな人はいると思うけど、私が1番幸せだとほんとに思ってた。
今考えると笑っちゃう。
でも、ずっとそう思ってた。
何かのドラマかなにかを見てて、好き同士で別れるなんて、絶対ないよねって話したことをなぜか覚えてる。
それなのに、別れはやってきて。
彼は私のために別れると言った。
一生一人でいるかもしれないけど、私の将来を縛れないから一緒にいられないと言った。
将来を約束して欲しかっただけの私のちょっとしたイジワルのせいでそうなった。
だから、待っていたら、いつかまた一緒になれると信じてた。
半年が過ぎて再会し、それが叶わないと思い知った時、車から流れた【⠀白いカイト 】。私は彼なしで生きていくんだと思った。前に進まなきゃなんだって。
そんな気持ちが、あの頃聴いていたアルバムをふと聴いたことで、突然蘇った。
My Little Loverのevergreen。
26年の時を経ても、まだこんなに心を動かすんだね。鮮明にあの頃の私が蘇った。
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