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読書記録31『デッドライン』

千葉雅也『デッドライン』
(新潮文庫 2019年)


ポスト構造主義の千葉雅也さんが書いた小説。気になって読んでみた。

デリダ、モース、荘子などなど。事前に知っていればもっと楽しくなるような内容が散りばめられている。もちろん、知っておけばより面白くなったり気づきがあったりするだけで。知識はあれば越したことがないというのは、何だって同じだ。

デッドラインとは締切であるが、ラインとはなんなのか。あらためて調べてみると色んな意味がある。読み手に委ねられている。

越えてはいけないのか?越えられないのか?そもそもないのか?生きていれば毎日、何かしらの線をひいているようなものだ。

デッドラインは、
文章がすっと入ってくる。
描写はリアルで生々しい。
私小説なのか、フィクションなのか。

頭の良い人は、どんな世界が見えているのだろうか?と思うことがある。一周回って同じようなことを思うのか。それとも何十周もして同じようなところに着地するのだろうか?

今日のTwitterにて千葉雅也さんは、
『文化の修業においては、メジャーなものをバカにしてマイナーなものを支持する段階が最初に必ずあるが、その後、メジャーなものの価値に気づく段階が来る。僕の知っているプロは皆そうである。』と仰っていた。序列や順位よりも、そのものにある価値が大切だ。

なにを書いているのかわからなくなった‥‥笑

全然わかっちゃいないのかもしれないが、大学生の生活。性描写。お金持ちから転落、バイトや住む場所を変えねばならないこと。友達関係など。身に覚えがあるようなことも多くてヒリヒリしたり懐かしくも思える。そんな小説でした。

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