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001好きなものを先に食べるか後に食べるかという話

永遠の問題に「好きなものを先に食べるべきか、後に食べるべきか」というのがあると思う。

お腹がいっぱいになる前に食べたい「さき食べ派」と美味しいものは最後に取っておきたい「あと食べ派」だ。

私はどちらかというと「あと食べ派」だ。貧乏性なのか後にとっておきたいタイプ。ショートケーキの苺も、ラーメンのチャーシューも最後まで取っておきたい性分だ。しかし、一緒に食べた方が美味しかったり、最後にはもうお腹いっぱいになっていたりなんてこともある。

これは私の人生で何度もでてくる難題の一つだ。

先日テイクアウトのちらし寿司をとった。これは、千葉県浦安市にある「泰平鮨」という最高のお寿司屋さんのちらし寿司で、美しい模様の弁当箱に仕切りがあり、右側に酢飯と椎茸の炊いたやつ、桜でんぶ、かんぴょう、海苔、ガリがのった酢飯があり、左側には海鮮がこれでもかと入っている。

蓋を開けると、ここ寿司屋かな? と思うほどの寿司のなんとも言えないいい匂いがする。家族でしばらくその香りを楽しんで、いよいよ食べましょうとなった。

私は一人箸を置いて考え込んでしまった。

どれも好きなものじゃないか。どれから食べて、どの順番で食べよう、そしてどう終えるか、それが問題だ。

昔、テレビ番組「世にも奇妙な物語」で「夜汽車の男」という回があったことを思い出した。夜汽車に乗った一人の男が駅弁を食べるという内容なのだが、完璧に楽しむためにその順番やこだわりを持って食べていくという内容のものだ。今なら夜汽車の男の気持ちがよくわかる。順番が大切だ、何で始まり、どの分量で食べ進め、どう終わるか。

頭を悩ます私をよそに、両親は美味しそうにバクバクと食べ進めている。私も本来はそうやって食べたほうが美味しいのかもしれない。と思いながら、それでもなぜだか考えてしまう。そういう性分なのだからしょうがない。

ああ、もう考えている時点で純粋に楽しめてないよな。とも思う。

しばらくグルグル考え、意を決して食べたちらし寿司は結論から言うと、どれも素晴らしく美味しくて、どれから食べても、どれで終わっても幸せな気持ちで私を満足させてくれた。
そこには完璧な幸福があった。

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【お店情報】
浦安「泰平鮨」住  所 〒279-0001 千葉県浦安市当代島1丁目7−20
       電話番号 047-352-2423


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