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インタビューされること。

インタビューされるときはつい身構えてしまう癖がある。

私にとって、自分の考えていることや取り組んでいることを、誤解のないように伝える作業はとてもエネルギーがいるものだ。
一つ一つ、大事に言葉を選んで、必死に伝え方を探る。
問題なのは、この時に私がうまく喋ればいいということ以上に、インタビューしてくれる人の存在が大きく関わってくることだ。

インタビューされるようになってしばらく経つまで、「こんな風に話を持っていきたい」というインタビュアーの思考がここまで影響するということを、私はあまり知らなかったので、だいぶ戸惑ったものだった。
どんなに丁寧に話をしても、全く目的が違うものに差し替えられてしまうことがある。
昔、「福島のことを伝えていきたい。」という想いを語ったら、その内容について何時間もやりとりをして、資料まで提示して話していたのに、「福島のことを伝えたいと語る若い女の子像」について延々と繰り広げられていたことがある。
私が話す言葉を、巧みに切ってはり、切ってはり、全然意図していないものに再構成されて、世に放たれた時の怒りと絶望は忘れられない。

もちろんそういったインタビュアーの人ばかりではなく、「その人(インタビュアー)が伝えたいこと」よりも、「私がどんなことを伝えたいか」をきちんと受け取ってくれる人もいることが、次第にわかってきた。
話を聴いてくれる人が、自分のフィルターを通して話を捻じ曲げてしまうことは、往々にして起こりうることだけれど、できるだけそうせずに、情報を受け取る人たちがわかりやすいように発信してくれることはとても大事で、とても貴重なのだ。
そういう時は必ず、意識しなくてもスムーズに言葉が出てくるもので、不思議と疲れないし、安心して終えられることが多い。
だからそういう人と出会えるということはとても幸せなことだと思っている。
信頼していないと越えられない壁みたいなものが、聞き手と話し手の間にどうしてもできてしまうものだから。


12月にスタートしたクラウドファンディグのプロジェクト「So sweet songs 2021」のリターンには、代表髙橋さんが行った、各アーティストとの一万字インタビューを掲載したブックレットがある。

先日私もインタビューを受けたのだが、想定していなかった自分のルーツについて、ぽろぽろとこぼれ出てきてしまって驚いた。

髙橋さんがこれまでにいろんな方のインタビュー記事を書いてきたものを、拝見していて、「こんな風に話を聞いてもらえたら幸せだな」と長いこと思っていた。
実際に髙橋さんとお話をしたら、身構えてしまう暇もないほど、言葉が次々と出てきてくれた。
話しているうちに、想像以上に自分で身に纏っていたものが沢山あることに気づいて、あっという間に時間が過ぎていった。
ライブ中にこれまで沢山してきた話も、なんだか形を変えて、「実は私、本当はこんなふうに思っていたんじゃないか」ということがいくつもあった。
それくらい、不思議な時間で、でもそれがなんだか心地よく、とても楽しかったのだった。
時間いっぱいお話ししたのに、もともと話そうと思っていたことが全然話しきれないほど、話したいことが次々と出てきてしまったので、まとめる髙橋さんはとても大変なんじゃないかと思う。

そんなインタビューを、それぞれのアーティストと髙橋さんが行い、一冊のブックレットになる。
そして、それは、今回のクラウドファンディグのリターンでしか手に入らない。
たくさんの人の元に届いたらいいな。
だってきっと、ものすごく面白いものになるはずだから。
いろんなアーティストの、普段ではなかなか知ることのできない背景や想い、人となりが、たくさん知れるんじゃないかと思う。
わたしも、あの人やあの人のインタビューを読みたい。
すごく楽しみにしている。

クラウドファンディグも、残り1週間。
このブックレットも、コンピレーションCDも、形にできますように。
どうかお力添えいただけたら嬉しいです。



クラウドファンディングへの想いはこちらの記事を。
高橋さんとの出会いとクラウドファンディング


私が参加しているクラウドファンディングのページ
https://motion-gallery.net/projects/sosweetrecords

高橋さんのプロジェクトへの想いが書いてあります。
是非読んでみてください。
https://note.com/a_takahashi/n/n10eae4ba52f6

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