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俗世を離れて「日帰り天王洲アイル」

ー 橋を渡った先にあるのは別世界 ー



JR品川駅から歩いて行ける「天王洲アイル」


私がここに行くことになったのは、ルコルビュジエという世界的な建築家の企画展を見に行くためだった。(ルコルビュジエについて調べて発表する授業があった。)


この話は、ついこの間まで最寄り駅の半径4キロメートル圏内を自転車か徒歩で移動する行動範囲ゲキセマ高校生だった頃の私の話。

(つまり大学一年の春の話。)

品川らへんに住んでるわけでもなかったからこの地名は初めて耳にする名前だった。


調べてみると、おしゃれなカフェや綺麗な街並みが並んでいる。


特別感のある休日を過ごしたかった私はすぐに行くことを決めた。


前日の夜から遠足気分でワクワクしていたことを覚えている。


・・・


当日

6月のよく晴れた日だった。


品川駅から10分くらい歩いただろうか。

(もっと歩いた気もする。)


ただでさえ異国の街・品川を歩いているというのに、私の目の前にはもっと異国の「島」が見えてきた。


それが天王洲アイルだった。



(画面向かって左側が品川、右側が天王洲アイル。)


私は都会の高層ビル群と澄み切った青空のコントラストが好きだ。


天王洲アイルに上陸するために橋を渡る。



ドキドキした。


この橋が世界を隔てているような気がする。


事実、天王洲アイルに着いた瞬間に時の流れ方の違いを感じた。


街全体に日曜の朝オーラが漂っている。

(まあ実際に日曜の朝だったんだけど)


ゆったりしていてダイナミック。



画材専門店。


街中にアート作品が点在していたりする。



ゴミ箱


日曜マーケットみたいなものにも行った。

オーガニックのラベンダーのせっけんがいい匂いだったから衝動買いしてしまった。

(もったいなくて2年間使えていない。そろそろ石になってそう。)


企画展を見に行った後は目的地もなければ門限もない。


私はただただ気の向くままに歩いていた。


おしゃれなパン屋さんでお昼を食べた。

サラダのドレッシングがカレー風味だったことと、帽子の形をしたパンがフィナンシェをふわふわにしたみたいな新感覚なパンだったことは覚えている。



繰り返しになるが、これは大学一年の春の話。


学校にサークルにバイトに、、と、新しいことや新しい人との出会いの連続だった。

毎日それなりに楽しかったけど、どこかもやもやもしていた。


「自分らしく振る舞えない。」


私はよく仲良くなった人に「ギャップがあるよね」と言われる。

人と距離を縮めるのに時間がかかるからなのかな?

最初は必ず「ほんわかしたいい子ちゃん」みたいに見られる。


そう扱われるのが面倒だなと思う反面、そのイメージに抗うのも面倒だなと思い始めていた。

(私の本性、究極の面倒くさがり。)


でも私は自分が自分らしくいられることのラクさを知っていた。

それは、小・中・高それぞれで、時間をかければ自分の素をさらけ出しても受け止めてくれる人に毎回出会えたから。


だから大学一年当時も、自分らしくあり続けることを諦めたくなかった。

このころの日記には

「ぶれるな、わたし。」と力強く書いてあったし、

「なかなか自分のことわかってもらえないけど、世界のレベルがわたしに追いついていないんだ!って思ったらすっきりした〜」とか書いてあった。

(ネガティブなポジティブ)


そんな頃に歩いたのがこの天王洲アイルだった。


日常の延長線上にある大都会・品川からパッと飛び出して橋を渡るだけで、どこか日常とは切り離された世界へ逃避できる。


誰からも干渉されることなく、自分の思うままに歩く。


束の間の休息にもってこい。


隠居したいけど山奥まで行くのは面倒くさいという人にはぜひ訪れてもらいたい。


帰り道、再び橋を渡って品川に降り立った時、私は元の世界に戻って来た気分になった。

千と千尋の神隠しレベルに時空の歪みを感じた。


でも元の自分に戻ったわけじゃない。

そこにいたのはなんとなくおNEWな自分だった。


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