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WORK #14 / 2021.6

 この四月から、ある歌会に参加している。その会の存在を知ったのはちょうど一年前。とにかく短歌をやっている人と知り合いになりたかったのだ。手軽な手段としてツイッターやうたの日に投稿してみるものの、私はここでコミュニケーションを取れない! これじゃない! とモヤモヤしている最中だった。それなりに近場で歌会が開かれているあたり、金沢市バンザイである。
 時世が時世なので対面式の会は見送られ、落ち着いたら参加しようと思っていた去年の春。結局何も落ち着かないまま一年が経ち、こらえきれずに主催の方に連絡を取って、ZOOMで会が行われていることを知った。誰でも大丈夫ですよ~と快く参加の手引きをしていただいて、歌会が何なのかよく分かっていないまま影草を出し、十人ほどの方と顔を合わせることになった。

 短歌を(それなりに)始めて四年目くらいになる。数えてみて驚いた。体感よりも結構長くやってるんだな。一人で読み始めて、一人で本まで作って、私の周囲に短歌を軸にしたコミュニティはない。友人や先生たちは私が短歌をやっていることを知ってくれていて、だけどいわゆる詠む人はいなかったのだ。先に書いたように、ツイッターやうたの日系のネットサービスはピンとこなかった。高校生の時はツイッターで友達ができたりしたけれど、SNSでコミュニケーションをちゃんと取る馬力が今の私にはない。
 歌会、ものすごく面白かった。短歌のプレイヤーってほんとにいるんだ。初めて実感し、高揚した。


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