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【読切版】Change the World 第9章~神様は単純な選択を形にしている。

あなたと願望の対象との距離は、今どれくらい離れているでしょうか。手を伸ばせば届く距離でしょうか。それとも月ほど離れているでしょうか。

願望の対象が人にしてもお金にしても、あなたはそれとの距離を縮めたいと願っています。もっとフレンドリーで安心できる関係を築きたいのです。

願望とは対象との距離を縮めたいと願うことです。

距離が縮まるほどあなたは安心します。最も縮まった状態は「一体と感じる」ことですが、ここまで距離がなくなればもう恐れることはないでしょう。あなたに何が起こったとしても、それは常にあなたと共にあるのですから。

恋愛において「それをきっかけに急速に距離が縮まった」という表現をしたりしますが、そもそもこの距離を決めているのはなんでしょうか。

「相手と距離を感じる」「お金は友好的ではない」。この距離感を「相手と距離が近い」「お金はいつも私を助けてくれる」といったように距離を近付ける方法はあるのでしょうか。

この距離感を決めているのは意外に身近な感覚です。それは「そう思いたい」と「そうは思いたくない」という考えです。

「そう思いたい」は未来へ向かって信じたいと思っていること、「そうは思いたくない」は過去の映像を振り返って、できれば信じたくないと思っていることです。

「そう思いたい」が優勢なら距離は近付き、「そうは思いたくない」が優勢なら距離は遠のくことになります。

実は願望というのはスピード感を重視した先手必勝の方が叶いやすく、後手後手にまわって長引くほど叶いづらくなっていきます。

なぜかというと、特に人間関係の願望で顕著ですが、その人のことを「そうは思いたくない」と感じる場面が増えれば増えるほど距離が遠のいていくからです。

語弊があるかもしれませんが、その人のことを「あまりよく知らない」ときの方が距離が縮まりやすい場合が多いのです。前章で触れた部分ですが、最初にその人に対して抱いた勘違いは、どんどんそういった場面を見せてきて確信に変えていってしまうからです。

例えばその勘違いが「この人ちょっと嫌な人かも」というものだったとします。最初の段階でそれが勘違いであることに気付くことができればいいのですが、知れば知るほど「この人ちょっと嫌な人かも」という最初の勘違いを証明するような場面に遭遇することが多くなります。そうして「そうは思いたくないけど、この人やっぱりちょっと嫌な人かも」の勘違いは強化されていくのです。

強化されていった結果「この人は嫌な人かも」という最初の勘違いから「そうに違いない」という確信が出来上がってしまいます。この嫌な人という認識は様々で、その人の性格的なことを指すこともあれば、自分に対する態度を指すこともあります。

願望初期の段階では距離を測る基準が少ないため叶いやすく、長引くほど距離を測る基準が増えていくので叶いにくくなるのです。ではこの「そう思いたい」と「そう思いたくない」について、より深く考察してみましょう。

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