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急性胃腸炎で知る、日本のありがたみ。【アラサーロンドン留学記4】

水曜の真夜中午前2時。

突然目が覚める。

前日は早起きし、活動的に動き回ったので、疲労しきった私は午後10時くらいには早々に寝てしまっていた。

だからといって、こんな真夜中の時間に突如目が覚めることは、普通であれば、ない。

しかし、熟睡していた体を起こすように脳がゴンゴン警鐘を鳴らす。

腹筋の細胞が勝手に湧いたように、本能によって体が押し上げられ、

「やばい」

と言う3文字が頭に浮かぶと同時に、トイレへ直行。

※以下、朝方まで繰り返す。


というわけで、急性ウイルス性胃腸炎に罹りました。

朦朧とした意識のなかで「自分で何とかしなければ」という認識はあり、

なんとか近くの病院を探そうかともスマホを手に取るも、画面を見ているだけで吐き気が襲い……。※繰り返す

ロンドン留学前に保険契約をしておいたのを思い出し、保険証書を引っ張り出して、24時間対応の電話番号へと、まずは、電話。

すると電話口のお姉さん(神対応)は、すぐに

「おかけになっているお電話ですと通話料がかかると思いますのでこちらからおかけ直しします。お電話番号をお教えください」

と、病気の頭では思いつきもしなかった点を配慮してくれた。

神か!!

そして電話を切るとすぐさま折り返しがあり、症状を詳しく説明。

「持病か」「以前も同じ病気に罹ったことがあるか」「症状の内容」等を軽く聞かれる。

そして、AIUが提携している日本の病院のなかでも、家から近い病院を検索・紹介してくれ、診療開始時間(朝の9時)と同時にお姉さんの方から電話して病院に予約を取ったら、またこちらに時間等詳細を折り返してくれるとのこと。

神なのか!!!!

私は言われるがまま、パスポートと保険証書を用意しつつ、

体内からウナギでも逆流してくるじゃないかと思うほどの強烈な嘔吐感と激闘しながら、ひたすら時間が経つのを祈り続け……

8時45分。

予定より早く病院と連絡が取れたのか、神対応姉さんから再びの連絡。

泥化していた私の全身に、「交通費も保険適応になる」という言葉が一筋の光明として降り注いだ。

神だ!アーメン!!

続いて神姉さんは病院の住所を教えてくれようとするも、人間の尊厳を失いつつあった私は「ググるから大丈夫です」と遮り(いずれ謝罪したいレベル)、

時間だけ聞いて、すぐに外出の準備(といってもコートを羽織るのみ)をして、またひたすら時間が経つのを待ち…

(もちろんこの間も「※」続いてます)

リック(from Walking Dead)も竦むであろう最高にヤバいウォーカーと化して、UBERへと乗り込んだら、あとはもう、

「除夜の鐘の108つの煩悩を自分なりに考える」

という謎の思考で、吐き気から意識をそらし、

9時30分、やっと、病院に到着。

Finally、まさにこの一言に尽きる。

日系の病院は、スタッフやお医者さんが日本人というだけでなく、

待合には日本の病院と同じく各種の雑誌が取り揃えられ、

テレビではNHK総合が流れていて……

アナウンサーの安定した音程による日本語を聞いた私は、まるで、

長旅の末に我が家にたどり着いた迷子のように、どっと精神的に安心した気がしたのだった。

水を飲んでも吐き続けたために脱水症状になりかけていたので、1時間ほど点滴をし、その間少し眠ったら、たった3時間前の悪夢が嘘のように、すっかり人間味を取り戻すことができた。

診断結果は、ウイルス性の急性胃腸炎。

ドクターにいろいろ尋ねられ、何を食べたかを振り返ったところ、

前日食したトルコ料理がどうやら怪しいという話に。

ドクターいわく「こっちは、調理されていても、チキンはたまに危ないからねぇ~」とのこと。

日本と違って、そこまで完全に滅菌されているわけでもなく、お店で給仕されるものも、しっかり焼いてあるか怪しい場合もあるらしい。

しかし、同じ料理を食べたトルコ人・コロンビア人・韓国人・ブラジル人、みな、何の支障もなく、元気に過ごしていたため、たまたま私の体調が万全でなかったのだろうと納得はしたものの、

日本人の清潔すぎる胃腸も原因の一端を担っているのかしらんと、思ったのでありました。

そして、今回かかった費用は、薬代も含めてすべて保険適応だったため、

私がこの場で実際に払った金額は、ゼロ。

AIUの海外保険は3ヵ月で3万円ほどだったが、この1回の受診で元は取れたと思う。

(そりゃ「元を取る」ようなことが起きないのが一番なんですがね)

留学だけでなく、たとえ数日間の観光であっても、海外保険には必ず入ること、

マルイカードなどの海外保険適応のカードを保持すること、

これは本当に、両足で同じ柄のソックスを履くのと同じくらいに当たり前に、セットとして存在しているのだと、声を大にして叫びたい。

「1か月くらいなら、いいっしょ♪」的なノリでやってくる若者たち、

どうか、どうか、

“習慣の違い”という要因に潜む重大な過失に、事後で後悔するハメにならないように。

というのも、私が留学を申し込んだ際に利用したエージェントは、

「海外保険は、入る人もいれば入らない人もいますよ、2ヵ月くらいなら」

くらいの口ぶりで、私も最初「3万もするなら入らなくてもいいかな」くらいに思ったのだが、

いやいやいや、ダメでしょ!!入らないと!!

と自己再確認し、加入したという経緯があるから。

海外で病気にかかるほど、不安で心細くてたまらないことは、ない。小さな病気も、大病に値する。

かくして、「海外保険の徹底を呼びかけ隊」を結成しようと心に決めたのであった。

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映画、ドラマ、本、エンタメ、旅、ロンドン留学、カズオ・イシグロ研究などなど。30代での経験(と、仕事)を記録するためのnoteです。