皮肉

前に書いた、従弟のこと。

20年間、封印していた。

「彼は生きている」
そう、思い込んで時を止めていた。

何年も前の話だが
姉の結婚式の時
「あれ?あの子は?」
「色々と都合があるんやろうな」
そう思って何も言わなかった。

そして、2023年
同居していた祖母が天国へ行った。

そして、従妹一家からお供えの花が届いた。

すごく良い花で、ばあちゃんも喜んでるだろうな
とか考えながら、母と話をしていた。
「こんないい花、よく見つけてくるよねぇ」
とかなんとか。

おしゃれで粋だからこそ、知ってるってのも
あるのだけれど

「○○(従弟)にも供えてるから」

そんな話にもなった。

「あの子、なにがあったん?」

そう聞きながら
「あ。そうか、あの子はもういないんだ。」
と、実感させられた。

「生きづらかったんやろうな。」
ふと口に出てしまった言葉に
「今のあんたには、分かるやろうな。」
と、母の返答。

そう。今なら分かることもある。
でも分かるには遅すぎた。

「本当に私は彼に何もできなかったんだろうか。」
「従弟とは言え、別の家のことには口出しできないしな。」

「何もできなくてごめん。」
「悲しんであげれなくてごめん。」
「封印しててごめん。」

いろんな思いが
私の中を駆け巡っていた。

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