見出し画像

10歳で世界を垣間見る

我が家には私が決めたルールがいくつかあります
その一つ
『10歳になったら自分が行きたい場所に行ってみる』
を息子と達成したお話です

このルールを決めたのは長女を産んで少しした頃。
『好きなことを仕事にしてほしい』と思うようになり、どうやったらそれを叶えられる子になる、その助けができるのかと考えた。
その時に出した結果は、おかしくも   親からしてもらったことを繰り返すことだった。全てそのまま取り入れるのではなく、ありがたかったものを、ね

父には『女が大学行くならある程度の大学じゃなければ行かせない。公務員になれ』と言われてきた。私はカメラマンになりたかったから父の納得する大学と自分の学力などなどから選ぶことはできなかった、今なら必要なことは諦める力ではなくもっと他にあったと思えるんだけど、当時はその悔しさから子供は大学にいかせたい、と思うようになった。
だけど私の目標はあくまでも『子供が好きな事を仕事に』の手伝い。だから、大学よりも今だって大切。そう考えるように変化した。

母は自分が自営業を営んでいた経験からか、比較的自由なタイプだった。だから私が17の時に『夏休みタイに行きたい』というワガママにも、自分で考えたんだから、とパートで稼いだお金を当ててくれた。
その夏休みは今の私を作る重要な柱となり、母に頭が上がらない。だから真似しなきゃ…ではないけれど、いつ体調が悪くなるかわからない、人生折り返しな年齢に私もなるし、動けるうちに子供と出かけたいと思うようになった。なら行こう!

そんなことから、
昨年は長女と韓国に行った。
あちこち歩き、飛行機チェックインギリギリまで買い物をした。私は片言の英語、娘は会話しなくてもハングルを読み解き、二人で協力して楽しんだ。
帰国して周りに『どうだった?』と聞かれた娘は
『ママが母親じゃなく一人の女性だった』と答えた

それは私の予想を斜め上にいった。もちろん嬉しい意味で。
何度も噛み、味わいたいご褒美だ。


息子にもそのタイミングがきた
『どこいきたい?』
(なんて言うかな?ワクワク)


『アメリカ』

お、おぅ。デッカくきたな。
私のパートでの稼ぎと今までチョコチョコしてきた彼への貯金でいけるかな…

ところで、今大学への進学率はいかほどだろう。
そのうちどれほどの人が希望に満ちた職に就き、これでよかったと思うだろうか…私には自分の子供がその道をたどる自信がなかった。
そして自分への体力にも自信がない。
なんて自分への言い訳を散々用意して、春から準備を始めた。

まずはいくつもの旅行サイトで料金比較。
旅は寒い時期が安いと聞いて、年末間際にした。
小学生を連れまわすのでそれが正当かどうかも息子の通う小学校担任に確認した。
アメリカといっても余りに広い。
それでは以前お世話になったことのある英語の先生に会いに行こう!

まだ20成りたてのその先生は人懐こく、丁寧で我が家はみんなファンになった。日本語が話せて異国の地でも私たち家族の事を配慮してくれる優しい人だった。
帰国する時はみんなでテンション下がり、彼の最後の職場まで見送りにいった。子供たちの間でもそのころは「外国人」という見方はなかったくらいに打ち解けていたように思う。

先生の自宅はソルトレークシティーにあり、直行便は数が少ないようだった。一度大きな空港まで行き、そこからソルトレークシティーまで。乗り継ぎも楽しいものだからそこに問題はなかったのだが…

カリフォルニアディズニーランドに「ギャラクシーズエッジ」がオープンしてしまった!
なんだって!?私たち家族はスターウォーズのファンだ。特に息子はグッズを集めるのも楽しそうだった。

先生にそれを話したら「それならみんなでディズニーランドに行こう!」と言ってくれたのだ。

そこからはスケジュールや行先、ホテルやウーバーの利用方法など毎日なにかしら検索。困らないように綿密に計画を練った。


息子といえば…どこか他人事。
この子はいつもそう。
なんだか気持ちが伝わりにくい。

その様子に幾ばくかの不安を感じながら、それでも私の様子を見るのも勉強だと自分に言い聞かせ、遂にアメリカ渡航当日までになってしまった。

詳細はブログにしてみたので珍道中をのぞいてみてほしい
https://ameblo.jp/dodo-fmc/entrylist.html

アメリカに行き、色んな失敗をして
彼がどう変化するのか楽しみだった。
勝手な期待にもほどがある。
でもそれが親なんだろうとも思う。

結果彼は…ほとんど変化がない。
リトマス紙を実験するのに、なーんにも変化ないと実にガックリするように
正直、正直私もすこーしガックリした。
でもくどい性格なので、「今は表面に出てないけど、あと5年でもしたら興味持ってくれるかもしれない、その時に今回がきっと役に立つ」なんて淡い期待をしているのだ。

でも、まったくの全く役に立たなくてもそれでいいのだ。

三人兄弟の真ん中。
普段は姉のプレッシャーで静かに生活し、毎日の日課と言えばゲームとマンが。のび太君のようにマイペースで、でも冒険なんてない。
そんな彼と私だけ。

母親と二人きりで出かけるなんてこともそうそうなかった彼だ。
結果私自身が楽しんでいた。
大好きなこの小さな男の子と遊園地にデートに行ったのだ。

アメリカまで(笑)


世界を垣間見たかはわからない。
でもステーキを自分で選び、携帯を破損して、レストランで豪快に吐いた。
そんなこと日本でもなかなか起きない。
だから場所がどこだっていいんだ。
アメリカ…ではなく出かけることに意味があった。

それは今回十分に達成できた。
だから大枚叩いて出かけたことを正当化しよう!

この記事が参加している募集

熟成下書き

よろしければサポートをお願いいたします。ご支援いただいたお金はより面白いみんふぉと投稿の為に使います。よろしくお願いいたします💕