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やってあげてる をぶっ壊したい

小さな頃は母親が大好きだった
いつも頑張り屋さんでイキイキとして、
たまに不満を口にしてもまた顔を上げる母親を尊敬していた。
でも母も人間だった

私が長女を出産し、初めて里帰りをした時の事。

それまで約6年間は親元を離れ、自分で家庭を持っていた。久しぶりの実家だったけど、季節の変わり目には顔を出していたからそこまで間が空いている感覚でもなかった。

出産を終え、難産だったので私の体は思うように言うことを聞いてくれなかった。
もどかしい
やり方がわからない
全て手探り
気を抜いたら胸元で寝息を立ててる娘は死んでしまうかもしれない…
今でこそ『そんなことはないから安心して』とはなせるようなことも、当時は真剣に全力で心配していた。
ピリピリと敵から幼子を守る雌ライオンのように。

ある夜、娘はどうしたことか何をしても泣き止んでくれなかった。旦那は仕事が深夜までで週末だけ私の実家に寄る生活だったから、娘に私の不安やピリピリが伝わっていたのかもしれない。

夜中まで泣き通した娘にお手上げ状態となり、半べそかきはじめた私に、母が様子を見にきて言った
『そんなんだから泣き止まないんだ。その子を寄越しなさい!見てあげるって言ってるでしょ!』

でもピリピリな私は
『今母に預けたら、アパートに帰ってどうしたらよいか分からない。自分で解決しなきゃ』
と躍起になり、母に娘を託す事はなかった。

母は『じゃあ勝手にしなさい!』と逆ギレ?してそのまま部屋を出て行った。

今なら頑張る方向が間違っているのがわかる。
母も疲れていただろうな、とも思う。
これが経験というものだ。

私は長女だったからか、親に甘えるのが下手。
助けてといえない。
ギリギリまで全力で、ある限界で力つきる。
いつもそう…

(その夜はどうにもならず、旦那に泣きつき夜中に来てくれて、旦那は母を嫌いになった。どうにかしてくれるだろうと置いているのに、何故ほっとくのかと。その考えもちょっと極端だが、とにかく元旦那と母の溝はそこから始まった。)

で、今。事もあろうに、私は娘に対して同じ感情を抱いてしまう。

アトピーとアレルギーがこれ以上酷くならないように、薬を飲みなさい

私物をリビングに置くと末っ子にイタズラされるから片付けなさい

お風呂から上がる時は片付けてからにしなさい

レッスンは復習しなさい

あれやこれやそれや…


12歳はまるで耳の右から左に私の言葉をスルー
スルーどころか、口元で『うっさい』なんて呟く始末。


先日なんて、レッスンに行くために私は仕事を1時間早上がりした。自宅に残る家族の為に夕飯を作る必要があるので、移動しながら娘に材料の指示を電話で伝えた。

『今ウチに向かっているから貴女も支度してすぐ出れるようにしてね』
と確実に付け加えて…

大急ぎで帰宅し、料理の準備を終えてさぁ出かけよう!と娘をみたら…え?まだ支度してない?youtube見ながらダラダラ?は?冗談でしょ?

カッチーン!

しかも私が心底嫌いな『人が食べ物を食べる音を聞く』動画。二重三重となったマイナスな気持ちは簡単に爆発した。

本当に頭にきた時ってアレね。ワナワナして肩から怒りが充満して言葉にならないの。
で、怒鳴る気力もなくなる

恥ずかしい話、以前はその怒りが瞬間的に湧き上がり、怒りをモノにぶつけた事があった。
浴室のドア
携帯
洗濯機
リモコン
もちろんその後修理に出すのは自分で、お金を支払うのも自分。その情けない事ったらない。

だから誰かや何かに向けるのはもうやめだ。
でもどうにか伝えないと。

そこで遂に口にしてしまった

こんなに私が頑張ってあげてるのに、なんで自分の事と思えないの!

いやはや、お恥ずかしい
私だけ
私ばかり頑張っている
やってあげてる

いや、私がやりたくてやってるんだ
将来を心配して、したくて
手を差し伸べたくて
お母さんやっていたくて

それは別に良い、良いとして

してあげてる はイカン

やりたい事が押し付けになってる。

じゃあどしたらよい?


一旦離れよう!

片付けしなくて困るなら困るしかない。困ったら片付けるしかなくなる

アトピーが酷くなれば下級生に怪物と言われるだろう(もう言われたそうだ)嫌なら薬を飲み、クリームを塗るしかなくなる

人様に迷惑をかけることはまだ繰り返し伝えないといけないけど、彼女自身の事は彼女に任せよう。

私の中にできたほんの少しの余白は他の子に向けてあげなきゃ(してあげなきゃの手前までww)

それには私自身練習が必要
12年いつのまにか染み付いたモノをぺりぺりと剥がさなきゃならない


でも私、忘れないで
してあげてる
は、もう必要ない



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