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【フリウリ編/イエルマン】美味しい白ワインの宝庫、イタリアを巡る

イタリアこそ多種多様で魅力的な白ワインの宝庫だということを、知らない人は多い気がします。

イタリアと言えば、キャンティとかブルネッロを始めとして赤ワインが有名だから、白と言ったらコレでしょ!って、まだまだ一般的な"何か"って無い気がするんです。最近だとコンビニにソアヴェが売っていたかしら、くらい。
ワイン大国イタリアの白ワインを、飲んだことはもちろんあるけれど、ああでも有名で皆が知っていて、かつ安くて美味しいのって何なんだろう?レストランでグラスでいただいたアレって何だったんだろう?って方、多いと思います。
イタリアはブドウ品種が細かくて土着が多いから、店員さんに教えてもらっても覚えられない、っていうのが大半の理由かなと思うんですけど。(でもそこがイタリアワインの魅力の1つだから…)
細かくいろいろなブドウ品種を1つ1つご紹介してもいいんですが、もう本当に種類が多いので、【州&オススメ生産者、そしてオススメワイン】をお話ししていこうと思います。品種にフォーカスするのはお休み。しがちだけど。

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州について
白ワインが美味しい州の1つに「フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州」があります。
「フリウリ」はイタリアと言っても北東の端の方にあって、スロヴェニアのすぐお隣。昔はオーストリア領だった地域で、イタリアなんだけどちょっと東欧の雰囲気も漂う様なイメージ。「フリウリ」内での有名な産地としては、DOCコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリとかDOCGラマンドロ、ピコリットなんかがありますね。
ちなみに「フリウリ」という地名は、かの有名なユリウス・カエサル由来だそうで、古代ローマ時代から栄えたとても歴史ある街です。オーストリア領だった時にシャルドネやメルローとった国際品種が入ってきたみたい。

そんなフリウリを代表する素敵なワイナリーの一つ「イエルマン」のワインをご存知でしょうか。「イエルマン」のワインはどこか個性的で、洗練されていて、クリアでオシャレで私の大好きなブランド。

イエルマンの歴史
1881年にオーストリアから一家で移住してきてワイン造りをはじめました。彼らのワインが称賛されるようになり始めたのは、4代目シルヴィオ氏の頃から。シルヴィオ氏は、フリウリを白ワインの高級産地へと押し上げた立役者とも言える、マリオ・スキペット氏から強い影響を受けています。
スキペット氏はフリウリに「フランスの栽培理念・ドイツの高い醸造技術」を持ち帰って改革を行った方なんだとか。マリオ氏はもう亡くなっているけれど、息子さんが継いで今もワイン造りをしているみたいです。まだ飲んだことはありません、気になります。
彼らが頑張っていた1960年頃、アルコール度数の高い重たいワインが流行っていて、それに反発する形で「アロマティックで洗練された」ワイン造りをはじめたそうです。

努力の通り「イエルマン」のワインは本当に洗練されていて、クリアで美しく繊細なワインと言えるでしょう。キラキラと澄み切った輝きがあって、わたしは「ルパン3世 カリオストロの城」に出てくるクラリスをイメージします。純で透明感のある感じ。

イエルマンのおすすめワイン

「ワー・ドリームス」は「イエルマン」の最高峰ワインで、2008年以降全ヴィンテージでWA90点以上を叩き出している美味しいシャルドネ。綺麗な酸がとても優雅なワインです。イタリア白ワインの最高峰と言っていいワインですね。
その他にもガンベロ・ロッソとオスカー・デル・ヴィーノの両方で“イタリア年間No.1白ワイン”に選出された「ヴィンテージ・トゥニーナ」や土着品種祭り「カポ・マルティーノ」が有名ですが、私のオススメは「トラミネール・アロマティコ」です。

ホワイトデーの贈り物でいただいたことがあって、私にとって少しロマンティックな思い出のある1本です。
ゲヴュルツトラミネールのイタリアでのお名前ですね。極甘口のワインも造ることのできるポテンシャルの高いブドウで、フランスのアルザスやドイツが有名な産地です。辛口だとカリフォルニアのメンドシーノやモントレーといった冷涼な産地で見られるみたい。私はスペインやチリのモノにも出会ったことがあります。意外と色々なところで栽培されている印象。

外観は濃いめの黄色、黄金色に近い感じ。ライチやエルダーフラワーなどボリューム感たっぷりの芳しい香り。厚みのある果汁に、縦に貫く上品な酸がしっかり残っていて洗練された印象。飲んだらとてつもなく贅沢な気持ちにさせてくれる、魅惑の味わいです。
フードペアリングとしては、パクチーを使った生春巻きなどエスニック系、餃子やインドカレーなどが定番ですね。スパイシーなお料理がよく合います。ゲヴュルツトラミネールの持つ、スパイシーな香り&味わいとの相乗効果ですね。私はパクチーが苦手なので、香りが独特つながりでミツバがいいかなと思ってます。

ゲヴュルツトラミネールって、一度魅せられてしまったらもう元には戻れない、知ってしまったら一生好きになっちゃう魅力がある気がします。
アロマティックな白ワインが好きな友人は、だいたい皆好きって言っているイメージ。ワイン初心者の友達も、一度飲ませてみると結構覚えてくれる子が多い!ぜひいろいろな方に飲んでみていただきたい素敵なワインです。

【テイスティングメモ】
ライチ、ピンクグレープフルーツの皮、エルダーフラワー
ハーブ、生姜っぽさも少し
酸:中程度~高め 苦み:中程度 甘み:ちょっとある
ゲヴュルツの中だと酸を感じる方だなって感じ
果実味は強すぎない印象 イエルマンらしいクリアで洗練されたワイン

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