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第5回だれ一人取り残さない防災研究会(ゲスト:株式会社CoAct代表取締役 渡嘉敷唯之さん)

こんにちは。チャレコミ防災チームです。
台風14号および台風15号により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。

こうした状況ではありますが、今回も2022年9月19日(月)に開催した第5回の勉強会の様子をお届けしたいと思います。当日のゲストは現在も台風15号で断水などの被害が続いている静岡市で活動されていらっしゃる株式会社CoAct代表取締役 渡嘉敷唯之さんでした。
渡嘉敷さんに当日語っていただいた内容を改めてお伝えしながら、現在被害に遭われている皆様だけでなく、今後起こる可能性のあるエリアの皆さんにもぜひご覧いただけると幸いです。

ゲストのご紹介

今回のゲストの渡嘉敷さんは元々静岡でケアマネージャーをされていらっしゃいました。2011年の東日本大震災の際に、高齢者や障碍者の方など多くの方々がなくなっている現実を目の当たりにし、
について学び始めたことをきっかけに現在の福祉事業所のBCP策定支援をはじめとした災害時のワンストップ支援サービスを提供していらっしゃいます。


BCPってってなに?

BCPとは、事業継続計画といい、災害や感染症の流行など、不測の事態が起こった際でも重要な業務を実施し、事業を継続できるように準備しておく計画のことです。
特に福祉の領域では、現在介護報酬制度の改定で業務継続計画の策定と訓練が義務化されています。(3年の猶予期間あり)

防災計画と違い、命を守るだけでなく、利用者さんの生活を守る・職員の雇用を守るところまで想定して計画するのがBCPとの特徴です。

株式会社CoACt資料より抜粋

BCPはリスクの特徴が違うため、風水害・地震・感染症等想定されるリスクごとに別々に策定するようになっています。例えば感染症は対応期間が長期にわたるため、職員の心身の負担が大きくなりやすいことなど、具体例を交えながらお伝えいただきました。

「情報」が超重要な経営資源

特にケアマネージャーさんの場合は、日常的に利用者さんはじめ様々な情報に接しているからこそ、災害が起こった際にも「情報」がとても重要な経営資源になるとのことでした。利用者さんの安否確認や刻一刻と変化するニーズの変化、担当エリアの事業所の被害/再開状況などを把握しながら、優先順位を決めなければいけません。
こうした情報は、災害が起こってから集めようと思っても容易に集めることはできません。日常から事業所などとの情報共有の手段を検討しておくことが重要とのコメントもとても印象的でした。
この研究会のタイトルにもなっている「だれ一人取り残さない」ためには、災害時だけでなく日常からの関係性づくりが必須になるのだと改めて理解が深まりました。

渡嘉敷さんは現在、静岡県内の非営利組織の活性化によるより良い社会づくりの実現を目的に、公益財団法人ふじのくに未来財団、株式会社CoAct、NPO法人ESUNEの3社が協働し、「非営利組織ガバナンス調査@静岡プロジェクト」を発足しました。災害時のBCP策定を含めた静岡県の非営利組織のガバナンスに関する調査を実施しながら、地域内の関係性づくりや勉強会の実施なども精力的に活動されています。

もしものとき、誰がその役割を担う?

当日は事前の想定や、日常からの関係づくり、BCPの策定の重要性をお伝えいただきましたが、災害が起こったときほど人手不足は深刻になります。現場で日常業務に懸命に取り組む中で、緊急時にプラスαの動きをできるのか?そこにデジタルの力などを使えないのかといった意見もありました。
まさにデジタルの力はこういった領域でこそ活用すべき領域ですし、エリアの中でどのような資源が足りていないのか、どのように融通しあえるのかなどの情報管理や、どこの法人をハブにするのかは地理的にある程度決まっていくため、ハブを拠点に活動を展開していくことを支える資金的な裏付けがあることで今後より動きやすくなっていくのではないかとのことでした。

現在すでに取り組まれている動きをサポートする仕組み等も今後生まれてき、その仕組みを現場で有効活用できるよう常に学び続けていくこと、そして多様なセクターの方々と連携していくことで解決策が広がっていくことを改めて感じられた時間でした。渡嘉敷さんありがとうございました!


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「だれ一人取り残さない」防災研究会とは…
①災害が起こったときには日常からのつながりが重要になる。そのために、日常から学びあい、つながりをつくること。
②研究会に参加するそれぞれの主体が自分たちの防災・災害支援に対しての実験を相談したり実際にやってみたりする機会にすること。
を目的に毎月第3月曜日(祝日の場合は翌日)に研究会を開催しています。ご関心のある方は以下のフォームからお問合せください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdBa7sljKtAXvjGJp9VvAgICc9rc2E1iC6JGmUZiWTNoRIUjg/viewform

チャレンジ・コミュニティ・プロジェクトでは、地域で挑戦が生まれ続ける生態系をつくることをビジョンに、地域の中に多様なプロジェクトを生み出すメンバーと協働プロジェクトを実施しています。
チャレコミが気になるという方は、ホームページのお問い合わせフォームからお問い合わせください。
https://www.challenge-community.jp/



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