低レベルな怒りとローテクな本が、創作を支えてくれる。by GO三浦さん、田端信太朗さん、椎名誠×中川淳一郎×嶋浩一郎さん

怒る人はやっかいで、子どもじみて、かかわらない方がいい。

たしかにそうだろう、でも本当にそうなのか、わからなくなってきた。

というのはこないだ参加した次のイベントで思うことがあったからだ。

椎名誠×中川淳一郎×嶋浩一郎
「ビールはエラい! そして椎名誠さんはもっとエラい! の夜」

このイベントは中川さんが椎名さんを好きすぎて最高に面白かったのだけど、椎名誠さんが昔のご自身が書いた文章をみて、「あの頃はこういう文章が書けたんだよな‥」と懐かしく述懐されていたのが印象的だった。

その文章は「浮気と不倫の何が違うのか」というもので、こんな感じだ。

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とにかくどうでもいいことに怒っている。

もともと椎名さんは怒る人で、肉体的な殴り合い、街行く人との喧嘩もさんざんしてきたらしい。しかし今はもう達観、成熟されて、人を許している。

今も活躍されているが、昔の文章とは違っている。

ラップがうまい奴はいくらでもいる。それでも結局生き残るのは、言いたいことがある奴だけだ。(Kダブシャイン)

というGO三浦さんの本で引用されていた言葉を思い出した。

低次元な怒りこそ、何かを創り出しているとしたら、それは本当に低次元なのだろうか。わたしもずいぶん怒らなくなってきている。よく考えれば昔はもっと怒っていた。あらためて怒ってもいいな、とイベントを見て思った。

ローテクな本の大切さについて思ったのは、GOの三浦さんと田端信太朗さんの対談イベント、「言語化力×仕事力 仕事も人生も言葉が変えてくれる」を見たときに思った。

会場の「お二人にとって本を出す意味はなにか?」という質問に対し、田端さんは次のように語った。

紙に書いた本を出すってことは、残るってことです。やばい本でも残ってしまう。元リクルートで再建請負人として福岡ホークス元社長にもなった高塚さんという方がいたんですが、最後には強制わいせつで有罪になった。
それで彼が過去に出した本が「抱擁力―なぜあの人には「初対面のキス」を許すのか」という中谷彰宏との対談本ですよ。こりゃまずいでしょう。書評欄が大喜利みたいになっていて、「いつかやると思ってました」なんて書かれている。
それくらい本というのは一度書いたらあとには戻れない、残ってしまうもんなんです。だから著者は真剣に書くし、読者もそれを感じ取る。紙になった時点で、なにか違うものになるんです。

田端さんはいつもながら例え話と見立てがうまい。

ウェブに比べて紙は作るのも買うのも読むのも手間だし、色々大変だけど、だからこそいいんじゃない!って意味がある。

たしかに私もずっと昔にバカ日本地図って企画をウェブでやってたとき、当時つきあってた彼女に見せたら冷笑された。しかしそれが本になった途端、すごいじゃん!と驚いていた。当時はなんともいえない気持ちになったけど、そういう事なんだろう。

低レベルな怒りとローテクな本が、創作を支えてくれる。

色即是空、空即是色とは言うけど、俗なものと聖なるものとは紙一重で、あんまりかわらないのかもなあ、と思った昨夜でした。


そういえば最近怒ったことがあったけど、そこは興味ある方のみで。

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