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警察が推奨する徹夜の卒業パーティ

私事ですが、我が娘がこの度、地元カリフォルニアの公立高校を卒業することになりました。

その卒業式のパーティーついて、なるほど、物事には意外な理由があるのね、ということと、実際に現地で体験してみないと分からないと思ったことがあるので簡単に書きます。

6月の卒業式の夜、お祝いパーティーがあるのですが、なんと夜の10時から翌朝5時までの、学校主催の徹夜パーティー。

地元アラメダ(もと、海軍基地があった)では、Hornetという第二次世界対戦中の軍艦だった巨大な船が会場だそうです。

USS Hornet
中は博物館になっていてこんな感じ(画像:Wikipedia Commons)

この軍艦の中で徹夜でいろんなアクティビティが用意されてるパーティー(以下)。

o 映画
o フーズボール
o カラオケ
o 障害物競走
o パワーピンポン
o メカニカルブルライド
o フライトラップ
o ダンス
o ピンポン
o バウンスハウス
o ゴーストツアー
o コーヒーバー
o ディナー・朝食


この徹夜パーティーが学校から推奨されて、「是非参加させるように」というメールが校長先生からも PTA 会長からも度々きている。

なぜ学校総出で夜通しパーティーを推奨してるのか?

実はこの卒業パーティーの伝統はカリフォルニアのハイウェイパトロールが1985年に提案して始まっているそうです。

それまでは実は、卒業式の夜というのがアメリカのティーンエイジャーにとって一番、死傷事故の悲劇が多く危ない夜であった。

卒業式の後の打ち上げでそれぞれが街に繰り出したりパーティーをして、飲酒やドラッグなども絡む事が多いのだが、危ないのはその後。

アメリカなので家まで公共交通機関で帰れることはほとんどなく、飲んだ後高校生が自分で運転したり、友達を同乗させて事故を起こすという危険がすごくあったらしい。

そこでカリフォルニアハイウェイパトロール(CHP)が1985年に提唱し、学校や親を巻き込んだ組織的な「グラッドナイト(卒業式の夜)」パーティーの伝統が始まった訳である。

卒業生は色々なエンターテイメントがあるパーティーに夜通しいられるのだが、アルコールやドラッグは出ない。

一生に一度のお祝いの時にとにかく安全でシラフでいられるイベントを、学校や親や地域社会を巻き込んで提供しようという訳である。

学校や PTA から繰り返し繰り返し、「まだ卒業パーティーのチケットを購入していない生徒や家庭はとにかく早く購入するように」という催促が来て、徹夜 パーティーをこんなに学校が推奨するのかと思っていましたが、なかなか納得できる理由があったのですね。

改めて、物事には色々歴史的な理由があるんだなあということと、実際その地域で体験してみるかそういった人に聞かないと分からないことって多いのだなあと思った出来事でした。

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