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製品やサービスは放っておけばコモディティ化する

業界にかかわらず、企業の収益を圧迫する一つの大きな要因がコモディティ化です。

コモディティ化とは、簡単に言えば、あるものがあまりにも一般的になり、その結果、価格が下がることです。コモディティ化は、製品の価格や従業員に払える報酬など、あらゆるものに影響を与えます。

特にテクノロジー分野ではコモディティ化の早さは驚くべきものがあります。

一例としてマーケティングソフトウェアを作っている企業の数を見てみましょう。

2011年より、スコット・ブリンカー氏は1年か2年に一度、この分野のすべての企業を示す「Marketing Technology Landscape Supergraphic」を発表しています。2011年当時、このリストに掲載されていた企業は約150社でした。2019年には、7,000社を超えました。

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画像:Be the Go-To, Chiematec.co

ちなみに2020年時点ではこんな感じらしいです。

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特に日本企業では「良いものを作って安く売る」ことをモットーとしているケースが多く、これはこれで社会的に、または消費者側からは良いことなのですが、「差別化したものを作って高く売る」戦略を持っている欧米企業と差がついている要因でもあります。

あらゆるものが似通ったものになっていくこの世界では、競合他社との差別化を図る方法を見つけることが重要です。

コモディティ化を防ぐ戦略は色々とありますが、

ニッチを見つける:自社の製品を何らかの形で差別化できるものを見つけ、競合製品に対する優位性として利用する。

例えば、低価格のコモディティ商品であっても、広く普及していることや拡張性があることで利益率が高い場合は、カスタマーサービスや品質管理などの機能を追加して、他社との差別化を図る。

逆に、価格が高くても需要が少ない商品(高級品など)の場合は、顧客がより多くのお金を払ってくれるようになるためには、本当にどれだけの差別化が必要なのかを考える。

このタイプの商品は、何が価値を高めているのか?どのようにすれば、その商品に高級感を持たせることができるだろうか?などの質問に答えられることが重要です。

コモディティ化を理解し、それを受け入れることで、企業は常に業界内で競争力のある価格を維持することができます。

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