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〜国籍比率は日本語学校の企業プライドを物語る〜(日本語教師が日本語学校を選ぶ時に思い出してほしいこと…ソノ2)

日本語学校を選ぶ時に一つの参考にしてほしいこと、は、その日本語学校の国籍比率です

そこには、日本語学校の経営に対する意識や取り組み方、コンセプトか見え隠れしている重要なポイントだと、ぼくは思っています

ただし、この部分は時代や状況によっても変わるし、一概に全ての学校に当てはまるわけではありません

あくまで、参考としていただき、実際最終判断はご自身の総合的な判断をおいて他にはありません

では、以下はご参考までに…


国籍によって海外募集の労力が異なる


国によって、その海外募集での労力や経費が変わります

つまり比較的集めやすい国と集めにくい国、があるということです

もちろん、欧米などの特殊な国籍はさておき、ここでの国籍は日本語学校に在籍の多い、中国、韓国、台湾、ベトナム、ネパール、ミャンマー、スリランカ、モンゴル…といったアジアの国に限ります

では、その中でどの国籍が集めにくいか?というと、ズバリ…


中国です!



中国の留学生はなぜ、集めにくいのか…?


中国の学生は漢字圏と呼ばれ、やはり日本語レベルも高く、中国国内の留学市場も歴史が古く成熟しているため、留学生を紹介するエージェントもコミッション(紹介料)を、ベトナムやネパールなどの他の国、非漢字圏よりも高額に設定します


つまり、中国の学生を増やそうと思ったら、コミッションの経費がかかります

経費をかけず、学生数を増やそうと思ったら、ベトナムやネパール、バングラ、スリランカ、モンゴルといった国籍を増やす方が効果的です


安価な紹介料で中国以外の国の学生を安易に獲得してくる…
当然そういった考えがベースなら、少しでもいい学生を獲得しようと、厳しい入学基準を設けたり、現地に行って直接面接をしたりはしないでしょう
結果、エージェントの送ってくる学生を、はい、はい、安いなら…、という感じで受け入れていく…


当然、勉強に真剣に向き合う学生が期待できないでしょう
規律も悪く、空気も読まない、自らの意思で行動し、勤勉で謙虚な学生も期待できません


日本語学校のブランド力や優位性にも注目する、日本通の中国人学生


じゃあ、お金を積めばいいのか…?というと、そう簡単にはいきません

中国の学生は、とにかく日本に行ければいい、すぐにでも行きたい、というよりも、有利な条件を優先します

つまり、日本語学校の質や歴史などにも注目してきます

大学・大学院に進学したい学生が多い中国では、大学・大学院進学実績を重視します
そうなると、過去の大学・大学院進学実績のある日本語学校に行きたいわけです

もう10年くらい前の話ですが、都内に大学・大学院進学で特に有能な実績を誇る日本語学校あり、その日本語学校に学生を送れるなら、コミッションはいらないと言うエージェントもいました…
つまり、大学進学実績というブランド力があることで中国人留学生に選ばれていたんですね


また、新規校はある一定の期間運営を行って実績を積むまでは、留学ビザは通常の1年ではなく、半年しかでません
なので、中国のエージェントは新規校には留学生を送りたがらない
新規校では必然的に、非漢字圏と言われる東南アジアの学生が多くなります


もう、おわかりでしょうか?


中国人留学生もピンキリです
とは言え、規律ある中国人留学は日本語もどんどん上達していきます
大学・大学院・専門学校の進学実績も高くなります
教務からすれば、規律があり、勉強熱心な中国人留学生に多く入学してほしいと考えるのは当然ですよね


でも、もし経営者が、

中国人でも非漢字圏でも学費は同じ、だったら紹介料は安い方がいい

と言ったら、どうでしょう?
中国人がほとんどいない学校になってしまいますよね

そして、面接もせずに、たいした入学試験も行わず、非漢字圏を受け入れていれば…


中国人が極端に少なく…、規律のない漢字が分からず、さらに漢字を克服するだけの強い学習意欲をもった学生のいない集団になってしまいます


国籍比率がすべてではない


もちろん、国籍がすべてではありません
10年前まではほとんどの学校が100%近くが中国人留学生で成り立っていましたが、悪い学生もたくさんいました

国籍のバランスも大切です

国籍の中で、中国の比率がある程度高ければ、少なくとも経費優先主義に走っていることはない可能性が高まります
であれば、面接等でしっかりと選考をしている学校さんである可能性は高くなります

それに、ほとんど中国人学生がいない日本語学校でも、しっかりとよい非漢字圏の学生を厳しく選抜して、入学されている学校も多くあります


ようは、よい学生をしっかり集めようという企業としてのプライド


これに尽きます

ベトナムも、ネパールも、バングラディシュも、スリランカも、モンゴルやミャンマー、フィリピン、タイ…、みんな、立派な国家です


優秀な人間はもちろんいます


ぼくは、上記の国の、ため息がでるくらいのほれぼれするような優秀な学生にたくさん会ってきました


そういった学生で学校を占めたい!
そういった学生を日本に増やしたい!
努力する学生の夢をかなえたい


これは企業のプライドで、こういったマインドのない日本語学校には絶対勤めてはいけません


しかし、それを限られた時間で見分けることは難しい…

そこで、ヒントになるのが、国籍比率というわけです


・中国人学生の比率がある程度高い学校に注目してみる
・ただ、中国だけではなく他の国籍もいたほうがよい
・中国人学生がほとんどいない学校は要注意
(ただし、入学選考が厳しい学校は可)


ということになりますね
ご参考までに


※本noteに書かれているのは、あくまでぼく個人の考えです
実際に選ぶ際のあくまで参考にしていただき、さらに他の多くの意見も参考に最終判断をすることをオススメしますよー!

あ、何かご質問かあれば、どうぞー!

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