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恋愛 頭の理解と心の感情3

そして離れる前の会うことができる最後の日。終わりを告げようと前々から考えていた日。その日私たちは特別なことをするわけでもなく、だだ普通にデートをした。一緒にブラブラ出掛けて1日が過ぎていく。そして何度もエッチをした。“いっぱい抱きしめて”と最後にお願いをする。涙が溢れながら彼に抱かれる。優しい腕で包んでくれる、泣きながらぎゅっと抱きしめ返す。今だけ、今だけだからと彼のすべてを感じる。まだイかないで、終わりたくない、まだ、もっと………ずっと――。

キスマークをつけられる、私もつける。彼に残した数日後には消えてなくなってしまう私のしるし。

もうバイバイの時間だ。言わなきゃ。涙がでてくる。どうしよう言い出せない。

彼は泣いている私の頭を撫でて「そんな寂しがるな、一生会えなくなるわけじゃないんだから」と言葉をかける。違うそうじゃない、離れるのが寂しくて泣いているんじゃない。私は首を横に振って「もう会わない」とだけ声を絞り出す。「いや、会おうよ。また会いに来るから」「会わないよ」こんな会話の後、私は「確信はないんだけど彼女と別れてないでしょ?」とあの日ぶりに彼女のことを言葉にした。本当は確信はある。彼は一瞬の沈黙のあと、別れてるよと言った。やっぱりウソをつくのね。

「別れてないでしょ?最初がそうだったし、はっきりしないままだったし。都合のいい女なのかなって。初めはそれでよかったのに好きになればなるほど割り切れなくなってた。口だけの好きなんて言わないでほしかった。私ほんとはずっと好きだった。幸せだったけどツラかった。」と私は初めて好きと言う。今まで言えなかった思いがどんどん出てきてしまう。彼は「最初はね。今は連絡は取ってるけどもう別れてるし、好きって言った日から俺は〇〇がほんとに好きだったよ。ちゃんと言葉にしてなかったけど俺は付き合ってると思ってた。」って。

その後もいっぱいいっぱい話した。お互いに泣きながら。なんで彼も泣いてるの?


「だからもう終わりにしよう?私からの最後のお願い、ちゃんと私をフッてほしい。」ちゃんとフラれてきっぱり諦めたい。彼はできないと言う。

もう夜も遅い、明日は朝早いからほんとにバイバイしないと。最後に「落ち着いたらLINE送るから読んでほしい」と言われた。その日は曖昧なままお別れして、これが直接会っていた最後の日。

数日後彼は引っ越した。そして“連絡おそくなってごめん、直接話したいから電話したい”と言われ、電話をする。

最初は他愛のない話をする。そして話しを切り出される。

「やっぱり俺、〇〇とちゃんと向き合いたい。こないだは彼女と別れてるって言ったけどほんとはまだ別れられてなくて」とここで初めて本当のことを聞かされる。知ってたけど。「俺、〇〇の気持ちを知れて嬉しかったし、ここ数日考えたけど〇〇が本気で好きだし付き合いたいって思った。別れるまで待っててほしい」といった内容のことを言われた。将来一緒にいたい、俺のとこに来て後悔させないように幸せにしたいとも言ってくれた。薄っぺらい数々の言葉たち。

信じられる?またウソなんでしょ?彼についていくのがほんとに正解?やめときな、と私の頭が赤信号を出す。でも、私を選んでくれたんだ!と正直嬉しかった。気づけば「私も好き。待ってる。」なんて返事をしていて。

「付き合ったとしてもしばらくは遠距離になるね」「〇〇となら大丈夫。」何を言ってるの、遠距離恋愛中の彼女がいるのに我慢できなくて私に手を出した人が。どうせまた繰り返すよ?私はそんな考えには気づかないフリをした。好きな気持ちが勝って信じたいと思ってしまう。

それからは毎日連絡を取り、たまに電話をして、好きを確かめ合って。“はやく会いたいね、休みができたら会いに行くね”と結局会えないまま日々が過ぎていく。彼からの進展はない。彼女とのことを何も話してくれないし、私からも聞かない。不安になってある日ついに、“はやく彼女になりたい”なんてこぼしてしまう。不安になるよ、ほんとに話進めてくれてるの?

彼は言う、「お互い仕事の都合で会えてなくて、直接会って話しをすることができてないから」。そんなこと言って、ほんとは別れ話なんてしてないんでしょ?彼女とも普通に毎日連絡取ってるんでしょ?私に言ってるような言葉を彼女にも言ってるんでしょ?モヤモヤモヤモヤ…。「大丈夫、信じて待ってるから」頭とは反対の言葉を口に出す。私は言えない自分に嫌になる。

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