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餃子というコンテンツの面白さ

「餃子をどれだけ好きなんですか?」と聞かれても、人並みですね、という回答しかできません。私より餃子を好きな人をたくさん知っているから。では、なぜこんなにも餃子に関して仕事をしているのか。それは、餃子というコンテンツが面白いから。

餃子は、日本人の誰にでも好まれている料理の一つでありながら、ほとんどの人に関心を持たれていない料理でもあります。餃子は美味しいと思うけど、お店によって餃子に違いがあるとも思っていない人のなんと多いことか。日本酒やラーメンのように、作り手がブランドになっておらず、ただ、おかずとして消費されるのみ。

逆に言えば、それも餃子の面白いところ。

小麦粉、肉、野菜という素材の違いや、皮と餡の量や大きさというバランスで味が変わってくるということを、まだ多くの人が知らない。中国料理としての餃子と、日本での独特な進化を遂げてきた餃子の違いを、まだ多くの人が知らない。日本全国に餃子職人がいて、それぞれに個性のある餃子を開発して、古いところでは65年とか50年以上やっている餃子専門店があるのに、宇都宮や浜松の餃子しか餃子の町として知られていない。

知られていないということは、のびしろがあるということ。知的好奇心を持っている人ならば、日本の餃子が奥深く多様性のある料理であることに、関心を持つに違いない。その関心を掘り起こすことで、日本の餃子マーケットはさらに大きくなるに違いない。マーケットが大きくなり競争が増えてくれば、餃子の味が切磋琢磨して改良され、消費者はもっと様々な美味しい餃子を食べることができる。

私が「餃子は面白い」と思うのは、つまりこの「のびしろ」が面白いと思っている。マーケット拡大に貢献していれば、その拡大した分け前がビジネスにできるとも考えている。

私が面白いと思っていることを、もっと多くの人に知ってもらいたいと思っているから、基本的にどんなメディアからのお問い合わせもお受けするようにしている。メディアを通して「餃子文化の面白さ」を伝え、SNSに表出する感想を拾い、より多くより深く刺さるように伝え方を改善していく。

一つ見えてきたことは、餃子の味だけでなく、餃子を作っている人を知ることが、餃子文化を広める一つの武器になるということ。例えば長野県でソウルフードとして知られているテンホウさんは、元々温泉旅館経営をしていた大石百代さんが、東京に行った娘と食べた餃子の美味しさに衝撃をうけて、既に50代であるのに単身で歌舞伎町の餃子会館(今はない)で3ヶ月の無給修行をして習得した餃子の味で餃子専門店を開業したお店。60年以上昔は冷蔵技術も今ほどでなかったので、長持ちするように様々なスパイスを入れていたことが現在もテンホウの餃子の個性的な味になっている由来である。などという、見た目は普通なのに奥深いストーリーは、メディアの喜ぶコンテンツになっています。

こうした知見を得られるのは、蔓餃苑苑主のパラダイス山元さん、東京餃子通信の塚田編集長や餃子芸人のクック井上。さんをはじめとした餃界の巨人たちが様々な発信をしてくださっているからこそですし、また焼き餃子協会の会員やオープンチャット コミュニティ「焼き餃子研究会」のみなさんから多くの知識を学ばせて頂いております。本当にありがとうございます。こうした知識を元に、餃子を作る工場に行ってお話を聞いたり、その地域の人に話を聞いたりすることで、より体系的な肉付けをして、自分の言葉としてお話するようにしています。

アウトプットが大きければ、インプットはそれ以上に増えていくものです。メディアを通して餃子を語るたびに、多くを学びます。その学びから、餃子マーケットが大きくなる道のりが見えてきます。

仕事というよりも、使命と力強く信じて、これからも精進します。ぜひ応援頂ければ幸いです。

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