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褒めるスキルを身につけて

人を褒めるというのは、スキルだと思っています。

使い方を間違うと、褒めるというのは、他者に対して、上からモノをいう行為にもなりかねません。だから、適時適切に相手を褒めることはスキルともいるのです。

夫を褒めるときに気をつけていること

私の夫は、一般的に「優しい」と表現される特徴を持っていますが、私は夫のことを「優しい」という言葉で表現することが滅多にありません。

「優しい」という特徴になりがちな夫の長所を別の言葉で表現するように心がけています。

適時適切に褒める。それは、オダテルわけでもなくシンプルに褒める行為は、そのことに尽きるでしょう。

しかし、なぜ適時適切に言葉を発することができるのでしょうか?

それは、私が夫のことをよく見ているからだと思います。極端にいうと、夫の表情をよく観察しているとでもいいましょうか。

観察ありきで、適切な言葉を選ぶ。

これを意識しているから、夫を褒めることができるのです。

適切な言葉を選ぶには?

では、適切な言葉はどうやったら選べるのでしょうか?

適切な言葉は、語彙力にも通じるとは思います。語彙力という意味では、少しずつ身に着け、使いこなせるようになっていくしかありません。

実は、その語彙力を身につけることも、日々の観察力に通じています。

相手の表情を観察し、相手の気持ちを想像し、どのような気分なのか、どのような気持ちでいるのかを察します。そのことで、閃く言葉がどんどん増えてくのです。

観察する姿勢は、そもそも相手への興味関心がなければ維持できません。もしパートナーとの関係が冷えているのであれば、興味関心が持てるような対象をみつけて観察することをお勧めします。

実践例。褒め言葉の使い方

我が家では家事は夫婦2人で受け持つものという認識のものと暮らしていますので、どちらが家事をおこなったとしても、「ありがとう」はいわない決まりになっています。

けれども、それ以外の部分では、何か嬉しいことがあると言葉にして伝えるのです。

具体的には、珍しい藁納豆を手に入れたときのこと。夫は私が目を覚ます前に、1人で納豆を食べてしまってました。ですが、藁納豆を藁から出して納豆を混ぜて食せる状態にしたものを半分ほど残してあったのです。

残しておいてと頼んだわけではありません。夫が自ら気が付いて、残していました。

この行為は、一般的には「優しい」と表現される部類のものだと想像します。一般的には「優しい!ありがとう!」とお礼の言葉を述べるようなシチュエーションなのしょう。あるいは、「気が利くね。偉いね。」といった声をかけるとか。

ですが、私は、その表現は使いませんでした。


おはよう。朝ごはん食べた?あ......ひょっとして藁納豆食べちゃったの?

と、私が残念そうに尋ねると、夫は、

半分残してありますぅ~。

と、ドヤるので、

おぬし、デキる男よのぅ~。

と、私が返し、夫は嬉しそうに微笑みました。


選んだ言葉が相手に伝わる喜び

夫がドヤるという雰囲気を察して、私はこの言葉を選びましたが、もし淡々として半分の納豆を残した事実を説明したら、別の言葉を選んでいたでしょう。

褒めるスキルは、相手の言動をどのように相手自身が評価しているかを察知し、相手の自己評価に沿う形で「受け取ったよ」と示す行為です。

どんな褒め言葉も、相手の気持ちを察することが最優先。

それを念頭におかずに「褒める側の自己満足で褒める」ことは、オダテて相手を気持ちよくさせるだけではないでしょうか?

褒めるのは案外手のかかる行為ではあります。ちょっと努力も要りますが、親しい相手との関係を良好に育てるためには、身につけるだけの価値アリです。

褒めるスキルを身につけて、毎日の生活を楽しくしてみませんか?